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金塊を探せ

外苑前、代官山、五反田に続いて4番目になるsignの現場確認のために立川へ。このところの局地的豪雨の影響か中央線の国分寺から立川の間でしばらく停車していました。

まだ造作家具工事はこれからですが、設備関係や床壁天井はほぼでき上がっています。

今回も壁天井面のグラフィックはGROOVISIONS グルーヴィジョンズで、立川は代官山<海ヴァージョン>をベースにアレンジしたものになっています。すごろく的ボードゲームの世界にマンモスの遺跡やら金塊等たくさん隠されていてそれを探し歩くだけでも楽しいです。

そういえばグルーヴィジョンズさんは少し前に新しい作品集も出されていましたね。(献本ありがとうございました!)

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sign立川は10月エキュート立川にオープンします。お楽しみに。

LEGGO 本のある生活@国立国会図書館

久々にVAGANCE/LEGGO 本のある生活の対談がありました。今回のお相手は国立国会図書館(NDL)の長尾真館長。ご多忙な中お時間を作っていただきました。

いつものLEGGOですと雑談の延長のような感じなのですが、今日は一時間という限られた時間だったので対談というよりも僕がお伺いしたかったことをどんどん聞いていく感じで進めました。話しは想像以上に盛り上がりあっという間に時間がきてしまいました。途中長尾館長の驚くべき発言もあり僕は激しく感動してしまったのですが、その部分はカットされるかも。長尾館長はやはり言語と経験の人でした。

対談終了後NDL内の通常は入れないような場所で長尾館長と共に撮影。

さらには貴重な本が保存されている書庫(みなさん「檻」と呼んでいました)も案内していただき、様々な稀少本を見せていただいたり

帝国図書館時代の発禁本の棚等も見せていただきました。今やベストセラー蟹工船の改造文庫版も発禁本の中にありました。

長尾館長は次の予定があり撮影終了時にお別れしましたが、その後もしばらく僕たちはNDLの最深部まで潜って探索。ここを本気で探索しようと思ったら10年くらい出て来れないのではないでしょうか。本当に楽しかったー。長尾館長、NDLのみなさんそしてVAGANCEのみなさん、本当にありがとうございました。

そして僕はNDLを題材に本(テキスト)と空間に関する本を創ろうと心に決めたのでした。

Letters from Wittgenstein

先日BACHの幅さんのオフィスに行ったら『Letters from Wittgenstein, Abridged in Ghent./Joseph Kosuth』が置いてありました。僕が持っている本の中でも最も美しく、とても大切にしている一冊です。彼はJoseph Kosuthでアートに目覚めたのだそうです。

幅さんのところにはさずが普通の本だけではなく作品同様に切断して並べられたダミアンハーストの本もあったりしてもっとゆっくり観察したかったのですが、そんな時間はありませんでした。

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WHAT'S HAPPENING?

来週予定している撮影の打合せのためにフォトグラファー新津保建秀さんがmattへいらっしゃいました。夏休みということで4歳の息子さんも一緒だったのですが新津保さんにそっくりでした。とてもいい子で打合せをじゃますることなく新津保さんのiPhoneでうちのスタッフとずっと遊んでいました。You Tubeを見たりリンクしたりしていたようですが、持ち主であるお父さんより遥かに使いこなしているとのこと。言語の習得等もそうなのですがこういう自然に起こっていることを間近に見ることができたりして、子供がいるというのも案外楽しいのかもしれませんね。

新津保さんと知り合ったのは、『WHAT'S HAPPENING?』という1999年に行なわれたTOKYO CONTEMPORARY DESIGN EXHIBITION HAPPENINGのドキュメンタリーブックに参加してもらった時(もう9年も前になりますね)でそれ以来ずっと直接お会いすることはなかったのですが、最近になって渋谷くんを通して再会して、今回ichiというヘアサロンを撮ってもらうことになりました。

今までプロジェクトをいわゆる竣工/作品写真という形で残すことをあまり重要視していなかったのですが、それは多くのそういう写真を見ても面白いと感じられなかったからで、新津保さんとはただの作品写真ではなく表現として面白いことができそうです。ちなみに日本のインテリアと写真表現は明らかに共犯関係にあると僕は考えています。建築もその部分は同化してきています。空間の肌理と写真の肌理についてや空間を体験することの多層性について等新津保さんと話しましたが、空間を「見る/視る」ということはどういうことなのか創りながらもっと考えてみます。

TOKYO!

久しぶりに映画館に行きTOKYO!を観ました。ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノの三人が描く今のTOKYOーという企画らしい。それぞれの作品は短編作品としてそれぞれ楽しめるのだが、TOKYO!というプロジェクトとしての意義は感じられず。各々がやりたかったことをいい機会なのでやっちゃいましたというか、単にロケ地東京という感じ。

ミシェル・ゴンドリーの<インテリア・デザイン>はタイトルも秀逸だし表現もあいかわらずユニークで楽しかった。ただ、元々ガブリエル・ベルという人のNYを舞台にしたコミックがあってそれを映画化したとのことなので、東京だからこそーというのは感じませんでした。ミシェル・ゴンドリーの作品にしては少し粗かった。

『ポーラX』以来のレオス・カラックスの<メルド>は本当に奇怪な作品だったのですが『ボーイ・ミーツ・ガール』のアレックスがあんなになっていて驚いた。それからポン・ジュノの<シェイキング東京>で初めて蒼井優をかわいいと思いました。

まあ、いずれも『ロスト・イン・トランスレーション』とは全然違いましたよ。

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ゼロ年代の想像力

7月から毎週定例を重ねているparklife(仮)プロジェクトのプレゼンがありました。視えていなかったことがクリアになりよかったのですが、一方ではコミュニケーションの困難さを改めて痛感しました。プロジェクトのプロセスは誤配のあるコミュニケーションの連続です。それぞれが持っている価値観の挿入や強化だけでは創ることはできない。差異と変化に対しての敏感さは重要です。

宇野常寛氏の『ゼロ年代の想像力』は現在進行形の文化批評としてとても面白かったのですが、その中で今の僕が最も共感した部分ががこの一文でした。

“圧倒的な速度で展開する変化を正確に把握することこそが、むしろ普遍の構造を露出させるー”

この本は宇野氏本人が言うように「東(浩紀)氏に対する批判書」という位置づけのようですが、僕には批判というより東さんの膨大な仕事の一部を引用することで成り立っている書と読めました。もちろんそれ自体は手法なのでいいとか悪いというものではありません。宇野氏はその手法を上手く使うことでこの本を刺激的なものにしています。

ゼロ年代の想像力
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宇野常寛
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Robot with a rat brain

これで脳の学習のしくみが分かるのでしょうか?

培養ラット脳細胞がロボット操る…英大学が開発成功と発表
Robot with a rat brain(動画)

人形(個体)としてのロボット開発にはもうあまり未来はないと思います。部分としてのバイオを含むサイボーグ技術か、個体と環境を切り離さないで考える環境のロボット化の方が創造の未来があるでしょう。環境のロボット化というのはいわゆるユビキタスとは違います。「いつでも、どこでも」という分かりやすいところだけを都合よく取り込んで、「見えない、意識されない」という肝心の思想が抜け落ちたユビキタス業界には興味はありません。

生命を個体と環境を切り離せないものとして考えていく際に、環境のロボット化というのは一つのアプローチとして有効だと思います。今考えているのはライフゲイムの実装について。僕たちは「人間は昔から人工物なんだ(by 荒川修作)」ということをもっと自覚しなければね。その辺りに繋がることとして池上高志さんの「Artificial Life is dead!」の話しを早く聞きたい。

超人類へ!  バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会
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われらが歌う時

今はとても忙しいので手を出さないように抑えていたのですが、たまらず買ってしまった...。上下巻で1000ページ超なんてまずいよなあ。他にも現在進行形で読んでいる本がいくつかあるのになあ。それにしても忙しい時ほど読みたい欲求が高まるのはなぜだろう。

われらが歌う時 上 (1)
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まだ冒頭だけだけど引き込まれます。囚人のジレンマより入りやすい。この先長いからどうなるか分かりませんが。

1週間

池上高志さんがArtificial Life XIで「Artificial Life is dead!」と叫んでOld Menの国を葬り去り、北京ではロケット弾によって人工的に晴天が作られる中でオリンピックの開会式が開かれ、その開会式と同じ日にアメリカから軍事的な支援を受けていたグルジアとロシアの間で戦争が起こり、東浩紀さんがテレ朝のサンデープロジェクトで完全アウェイの中奮闘して櫻井よしこ氏をムキにさせ、サッカー五輪日本代表が第2戦目にして予選敗退が決まりながら監督が「まったく悔いは残っていない」と宣って世界を驚かせたこの1週間ー、僕はひたすら(いくつかの)プロジェクトのプランニングに勤しんでいました。

あー、サマソニへPerfumeを観に行きたかったな。でも野外では厳しかっただろうなあ。あとHOT CHIPと。

Made in the Dark
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The Warning
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Street View ストリートビュー

ついに日本でも始まりました。

Googleマップの「ストリートビュー」機能、日本でも開始

よく探せば知っている人とかも見つかりそうですね。近所の目黒川は本当に桜のシーズン(満開ではありませんが)に撮っていたようです。
春の目黒川

改めてすごいですね。建築や空間をやっている人はもう無視できないでしょう、これは。Googleのアーキテクチャ事業の末端下請けになりかねないですよ。ハコ屋ーって今も変わらないか。その多くが無自覚なことも含めて。

創造を生む"破壊力"

先日参加した青山デザイン会議「創造を生む"破壊力"」が掲載されたブレーン2008年9月号が発売になっています。ぜひ書店で購入して(もしくは図書館で借りて)お読みください。