« June 2008 | メイン | August 2008 »

青山ブックセンターがブックオフ傘下になる?

出版界の専門誌新文化に「日本洋書販売が破産手続き開始の申立て、洋販ブックサービスはブックオフ支援で民事再生へ」というニュースが。それによると「民事再生にあたっては現在、ブックオフコーポレーションがスポンサーとして支援する意向を示しているという」とのこと。つまり現在洋販ブックサービスが運営する青山ブックセンター(ABC)や流水書房がブックオフの傘下になるかもしれないということです。

青山ブックセンターの母体の経営破綻により洋販ブックサービスに運営が変わったのもつい最近だったような気がしますが、その後の青山ブックセンターの変わらなさを考えるとこの結果はある意味では仕方のない結果なのかもしれません。保守的感情ー文化論を全面的に否定はしませんがそれがメインエネルギーとなってしまっては続けていくことは無理だと思う。

今後がどうなるかはまだ分かりませんが、これを機に新刊本と古本が自然に並ぶ書店ができることを希望します。

変化

intoxicateのレクチャーイベント高谷史郎×渋谷慶一郎トークショーに行ってきました。intoxicateとはタワーレコードのフリーマガジンです。

DVDの解説的なお話は少々退屈でしたが、途中から二人が話し始めて変化についての話しになった時はなかなか緊張感ありました。力学系の時間構造からは外れて見える変化ー。もっと時間があればよかったですね。その後の高谷さんの映像と渋谷くんのピアノによるコラボレーションも高谷さんの映像がちょっと意外で面白かったです。この模様はcommmonstubeでアップされるそうです。(commmonsスタッフのまいにち日記

終了後、文化放送近くの中華料理屋他での打上げに参加。『No Country for Old Men』の話で盛り上がる。映画もよかったけど原作はもっとすごかった。

No Country for Old Men (Vintage International)
Cormac McCarthy
Vintage Books
売り上げランキング: 22330


血と暴力の国 (扶桑社ミステリー マ 27-1)
コーマック・マッカーシー
扶桑社
売り上げランキング: 8632


『ファントム、クォンタム』と『ゼロ年代の想像力』

毎日暑いですね。暑いのも大変ですが、それ以上にきついのはエアコンでギンギンに冷えた室内の寒さ。そんな空間に長くいると芯まで冷えきってしまって外に出てからもしばらく寒さが残ったりします。エアコンの状態にそのお店や企業の知性&感性が表れると思う。温度は30℃を悠に超え湿度は80〜90%にもなる中でスーツやジャケットを着なければならない理由なんてないよねえ(一部の例外はあるかもしれませんが)。汗だくで自身も周囲も不快になりながらも我慢して上着を着て、半袖やシャツ一枚でいる正常な感覚を持った人間たちが凍えるくらいにエアコンで人工的に室温を下げるってやはり常軌を逸しています。エコとか省エネの前に本当に寒いんだって。

東浩紀さんの『ファントム、クォンタムー第二回ー』(新潮 2008年8月号)を読む。面白くなってきました。東さんはこの小説で宇野常寛氏への返答もしているのかもしれない。


ゼロ年代の想像力
ゼロ年代の想像力
posted with amazlet at 08.07.25
宇野常寛
早川書房
売り上げランキング: 386

Tokyo Sourceアップされました

Tokyo Source 東京発、未来を面白くする100人のインタビューがアップされました。

TS040:李明喜

インタビュー自体は4月に行なわれたのですが、ちょうどTokyo Sourceサイト全体のリニューアルが重なってアップまでに時間がかかったようです。3ヶ月前なのにもっとずっと前のような気がする。

合宿&湯治

先週は忙しかったー。その忙しさから一時的に逃れるように週末は前田くん&みさちゃんと共に栃尾又温泉(新潟県魚沼市)へ。彼らの新しい住居=ホワイトハウスプロジェクトのための合宿が目的で、宿泊先は宝巌堂という小さな温泉宿でした。

緑に囲まれ風が心地よく抜ける大変気持ちのいいところでした。そんなところでどうせのんびりしただけだろう?と思われるでしょうが、この温泉合宿というのが以外に成果が上がるんですよ。以前外苑前OFFICEをデザインした時もトランジットの中村貞裕くんと秩父温泉の露天風呂でのぼせながら何時間も語り合ってアイデアを編み上げていったということもありました。今回も畳の上に図面やら参考書籍やらを広げてリラックスした中で率直に意見を交わして目標も問題点も共有することができました。

宝巌堂のぬるめのラジウム温泉は入ってすぐは、ちょっと寒い?と思いましたが長く入っているとすごく気持ちよくなりお湯につかりながら眠ってしまいました。料理も質素ながらも地場野菜や川魚を中心に素材もよく本当に美味しかった。特に「鮎の背越し」と白米(魚沼産コシヒカリ)は感動しました。前田くんたちのおすすめだったのですがいい宿ですよ、ここ。

長湯のお供はこんな本でした。

人間はどこまで耐えられるのか (河出文庫 ア 6-1)
フランセス・アッシュクロフト
河出書房新社
売り上げランキング: 54159

love the world / edge

ついにシングルにまで手を出す。

love the world(初回限定盤)(DVD付)
Perfume
Tokuma Japan Communications CO.,LTD(TK)(M) (2008-07-09)
売り上げランキング: 9

今mattはほぼこれのリピートw
特にedgeは久々にDJで使いたいと思ってしまった。

青山デザイン会議

宣伝会議から出ている雑誌ブレーンの青山デザイン会議に参加してきました。アーティストのヤノベケンジさんと映画監督・脚本家・作家の大宮エリーさんとの鼎談。

二人ともベタな大阪人なので(大宮さんは現在は東京在住ですが)ほぼネイティブな大阪弁で進みました。僕も一応生まれは兵庫県なのでかろうじてついていけましたが、少なくともそこは「青山」ではありませんでしたw

ヤノベさんも大宮さんもパワー溢れる方でとても面白い話しが聞けましたが、分かったことは二人は分身のようなキャラクターを持っていてそれを上手くコントロールしているということ(コントロール不可能性も含めて)。二人の方法は全く違いますが。ヤノベさんははっきり「ヤノベケンジの映画を撮っている」というようなことを言っていました。ただ、キャラクターは完全な自身の分身ではなく時に自身に重なったり離れたりする可変性を持つキャラクターのようです。そこが二人に共通していて興味深かった。

詳細は8月1日発売ブレーン9月号で。

ヤノベケンジ1969‐2005
ヤノベケンジ1969‐2005
posted with amazlet at 08.07.15
ヤノベ ケンジ
Seigensha Art Publishing
売り上げランキング: 240928


生きるコント
生きるコント
posted with amazlet at 08.07.15
大宮 エリー
文藝春秋
売り上げランキング: 1714

2008東京国際ブックフェア

毎年恒例になっている東京国際ブックフェアに今年も行ってきました。ストッパー機能がなくなったため思わず大人買い。土曜日に行って段ボール一杯分。日曜日にまた行ってさらに一袋分、って仕入れですかこれ。ばかだ...。

購入した本たち(一部)

ミトコンドリアが進化を決めた
ニック・レーン
みすず書房
売り上げランキング: 3326

環境のオントロジー

自由の条件I ハイエク全集

主観的、間主観的、客観的

反事実的条件法

自己欺瞞と自己犠牲

脳科学と倫理と法―神経倫理学入門

記憶の書

限りなき夏

エッフェル塔試論

他...

ストッパーは必要ですねえ。

ケータイで個人情報を入れてはならない

もう既に多くの方が目にしているかもしれませんがこれは重大な情報なので。

日本のインターネットが終了する日

長いので以下具体的な注意点だけを引用します。

・ケータイWebにおいては、絶対に住所氏名を入力しない。

商品配送先として住所氏名の入力が必要となるネットショップは利用しない。(着メロ等のダウンロード購入のように、住所氏名を送信する必要のないショッピングしかしないようにする。)どうしても物を買いたいときは、携帯電話会社が運営するショップを使う。(携帯電話会社は、ユーザIDを流用することはないので。)

・ケータイWebにおいては、完全に匿名で使うことを覚悟するか、又は、常に非匿名であることを前提に行動する。

匿名を選択する場合は、自分が誰であるかわかるようなことを、どのサイトでも明らかにしないようにする。非匿名を選択する場合は、自分が誰であるかはどのサイトでも知られ得ると覚悟して、それでもかまわない行動しかとらないようにする。

このサイトを訪れる方はどちらかというとケータイよりもPC中心の人が多いとは思いますが、それでもこういう情報は知っておいた方がいいです。長文ですができれば全文を読んでください。

Less is more / Less is bore

南浦和のヘアサロンichiが竣工しました。引渡しは僕が出張中に行なわれていたのですが、最終確認ということで改めて行ってきました。

このプロジェクトは創造的VE(Value Engineering)に関して極限まで迫れたと思います。結果クライアントのIさんにも喜んでいただけてよかったです。いつも言うように「動きが空間をつくる」のでこれからが楽しみです。


翆色濃き出雲へ

月曜日から二泊三日で逢坂くんと共に出雲へ行ってきました。出雲高校東京同窓会のための映像を撮るためです。

学校から程近くに高瀬川という小さな川が流れています。僕らにとっては見慣れた何でもない風景なのですが逢坂くんは気に入ったようでしっかり撮っていました。ちなみに僕はマリア園(幼稚園)の帰りにこの高瀬川に落ちて、偶然通りがかった僕の初恋の女の子のお父さんに助けられたという想い出があります。あの時は必死にもがいた記憶があるのですが、今見るとあまりにも小さく浅い川なので笑ってしまった。

学校はすっかり新しく建て直されていましたが、生徒たちの生態はあまり変わっていないように見えました。ただ、純朴さや礼儀正しさは今の生徒たちの方がはるかに上でしたね。授業風景から休憩時間や部活動、球技大会まで丸二日間を校内のロケに費やす。オブジェ性を隠し持つ素晴らしい素材に出会い逸脱しそうにもなりましたが、逢坂くんに引き戻される。

実際に歩いて撮ってみて編集の方向も少し見えました。この時期のこの辺りにしては珍しく晴天続きですっかり日焼けしてしまったよ。


ケータイ小説的。―“再ヤンキー化”時代の少女たち

僕が卒業した出雲高校の東京同窓会というものがありまして、毎年11月に総会が行なわれます。今年は僕たち36期が幹事として中心になり運営していくのですが、今日は新宿のオークタワーで全体幹事会が開かれました。ショートムービー制作やHPのブログへの移行等の新しい提案も(予想外にも)すんなりと承認していただき滞りなく終了。その後近しい世代のみ残って打ち上げ。どうやら僕らの世代はちょっとおかしいらしい。やっぱり丙午だからかー(嘘)。それはそうと色々切なしだねえ。

東さんおすすめのこれおもしろいです。カバー写真は米原康正氏。すぐに分かりました。

ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち
速水健朗
原書房
売り上げランキング: 1247

コンペ

コンペ(competition)というシステムに疑問を持っている僕はめったにコンペには参加しませんが、今回あるプロジェクトのコンペに古くからの友人の松本くん(accamplish)から誘われてディレクション&デザイン担当で参加しました。その結果が出て、5組の中から我々の案が選ばれることになりました。よかったー。

今回のプレゼンチームは企画運営/accamplish、ディレクション&デザイン/matt、カフェプロデュース/cafe8、ライブラリーディレクション/BACHという構成です。これから実装に向けて非常にタイトなスケジュールで進みますが、収束させることなく動かし続けたいと思います。

浦和のヘアサロンの現場は急ピッチで進んでいます。

もう来週には引渡し&検査になります。

そして僕も久しぶりに短めに髪を切りました。意味はありません。ほとんど。


グーテンベルクからGoogleまで

港千尋さんと共に板橋本町の内外文字印刷さんへ。東京でも稀少な活版印刷をやっているところです。

活字がぎっしりと、そして機能的な配列で並んでいる。

母型から実際に活字を作るところも見せてもらいました。

マテリアルとしての文字ー港さんの本『文字の母たち』をきっかけに活字を空間に使いたいと思い相談したところ、ここを紹介していただくことになりました。そして来て実際に触れて製作工程も見せてもらい内外文字印刷の小林さんや港さんと話すことでどう実装するかが決まりました。グーテンベルクからGoogleまで。検索は未来の記憶ですね。

文字の母たち Le Voyage Typographique
港 千尋
インスクリプト
売り上げランキング: 226950

続)オホーツク

網走は朝も寒かった。今日は予定していたサクランボ農家さんとの打合せがキャンセルになって少し時間が空いたので束の間の網走観光。オホーツク流氷館に行って網走を一望。

残念ながら霞んでいたのですが、上から見ると海と湖と森、以上ーって感じですねえ。ふぅー。後はクリオネ見たりマイナス18度の流氷体験室で流氷触ったりw

最後に地元の人おすすめのスープカレー木多郎でラムステーキカレーをフルおかわりでいただき大満腹。本当に美味しくて中嶋さんなんて「東京に出店しませんか」ってお店の方に話しかけていました。

二日目はほぼ観光のようになってしまいましたが、ND中嶋氏とずっといてゆっくりコミュニケーションできたのでよかったです。それに、書いてはいませんが実際は合間にもロゴ&マークデザインの打合せ等しっかりやっていましたよ>バニスターさん

帰りの機内は絶対に落ちると思っていましたが眠れず、これを読み出す。

地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す
ビョルン・ロンボルグ
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 98

オホーツク

出張のため北海道へ来ました。初めて降り立った女満別空港からレンタカーを利用して北見市留辺蘂(ルベシベと読みます。語源はアイヌ語「ルプシュペ ru-pes-pe [道・それに沿って下る・もの(川)] )町へ。今回はNDというフルーツブランドのためのパッケージ他の打合せをするためにNDの中嶋氏と共に山忠さんへ来たのでした。

留辺蘂町は森林面積が町全体の88%を占めるという森林の町で、山忠さんは留辺蘂町にある経木による木製容器を主に作る会社です。事務所でサンプルも見ながら打合せした後に工場の生産過程を一式見せてもらう。ここのすごいのは、工夫して使い切っても最後にどうしても出る木の端材を燃料にして工場内の動力や空調を動かしているところ。

それから山忠の山田社長に連れられ留辺蘂町内のオホーツクウッドピアという最大長12,000mm×厚さ240mm×幅1,200mm!の構造用集成材を作る工場を見せてもらったり、

割り箸を作る機械を作っているオオタ鉄工所で機械(この機械がすごい!)のデモやらそれによって作られた様々な割り箸を見せてもらったり。オオタ鉄工所の太田さんは山忠の山田さんと幼なじみとのことで最後は4人で森林から考える環境の話や道産の果物の話で異常に盛り上がりました。パッケージだけの話に終わらず様々な可能性が見つかりました。

太田さんは特に、間伐材を利用することが森を育てることに繋がるということも知らずに、全ての割り箸は使い捨てだから悪だとか、とにかく木を植えさえすればいいと思っている人たちに苛立っていました。僕も同感です。

終了後網走に移動してオホーツク海に面した五十集屋という炉端焼きの店で毛ガニやカニの内子、外子やホタテ等新鮮なオホーツクの味を堪能。カニ味噌音立ててすすってしまいました。店を出るとオホーツク海が目の前なのですが、あまりの昼夜の寒暖差に驚く。夜の海はまるで冬のようでした。