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非線形という発想が生み出すデザイン

AXIS (アクシス) 2009年 08月号店頭に並んでいます。「非線形という発想が生み出すデザイン」というトピックでインタビューを受けています。

喋りまくったはずなのですが短いですw他にインタビューされているのは建築家の平田晃久さんとデザインエンジニアの田川欣哉さん(takram)。これでpingpongもメディアデビューしました。みなさんぜひご覧になってみてください。表紙の中村勇吾さんが迫力あり過ぎです。


書物復権2009

前のエントリー、残念に感じるのはけっこう期待していたからなんですけどね。

渋谷ブックファーストで原子爆弾の誕生〈上〉〈下〉が復刊しているのを発見!厚さも値段もごっついけどこれは買っておかねばーと購入。今回も重厚な顔ぶれになっています。

書物復権2009年8社共同復刊13 復刊リスト

パニックだな

ここ最近購入して積み上がった本たち。ハヤカワからちょっとだけ幅広の新書「ハ ヤカワ新書juice」が登場。書店の新書棚はもうパニック状態になっています。

ARのすべて<br />-ケータイとネットを変える拡張現実
日経コミュニケーション編集部
日経BP社
売り上げランキング: 1504


思想地図〈vol.3〉<br />特集・アーキテクチャ

日本放送出版協会
売り上げランキング: 91


リスクにあなたは騙される<br />―「恐怖」を操る論理
ダン・ガードナー Dan Gardner
早川書房
売り上げランキング: 819


ミラーニューロンの発見<br />―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学
マルコ イアコボーニ
早川書房
売り上げランキング: 451


クラウドソーシング<br />―みんなのパワーが世界を動かす
ジェフ ハウ
早川書房
売り上げランキング: 2214


ゲームの理論と経済行動〈1〉
J.フォン ノイマン O. モルゲンシュテルン
筑摩書房
売り上げランキング: 10748


DESIGNTIDEと会った

PingPongプロジェクトの岡さん荒牧さんと共に青山一丁目にあるDESIGNTIDE TOKYOの事務所へ。DESIGNTIDEとPingPongプロジェクトとの協力について。今日は初回でDESIGNTIDEのディレクターであるBACHの幅さんや増崎さんらにデモを使いながらPingPongの説明をしました。(DESIGNTIDEは11人のディレクターによる合議制だそうです)

幅さんと本や本屋については今までも色々話してきましたが、デザインについてこんなにじっくり話したのは初めて。本に関するよりも意識が重なるところが多かった。彼がディレクターの一人で助かりました。これから具体的に進めていくことになりそうです。

そのBACH幅さんが、少し前に話題になったあの場所でこんなにさわやかなことをやっています。

PARK LIBRARY~ふかふかな芝生の上で読書を楽しむ~

5月一杯やっている(土日のみ)そうなのでみなさんぜひ。

「脳」本

今や書店に行けば「脳」の棚があるくらい「脳」本が溢れています。さすがにもううんざりと思っていたのですが、3冊も購入してしまいました、「脳」本。


単純な脳、複雑な「私」
池谷裕二
朝日出版社
売り上げランキング: 23


つながる脳
つながる脳
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藤井直敬
エヌティティ出版
売り上げランキング: 18756


ミラーニューロン
ミラーニューロン
posted with amazlet at 09.05.21
ジャコモ ・リゾラッティ コラド・シニガリア
紀伊國屋書店
売り上げランキング: 2200


いずれも内容は面白そうですが、装丁では藤井さんの本が圧倒していますw

Remix

GWの間中ずっとMacを修理に出していて、ブログも小休止しておりました。無事治ったのですが、修理代に5万もかかってしまいました。ここのところMacのメンテナンスに出費が重なり、MacBookを買ってしまった方がよかったかもしれません。でも12インチ(PowerBook G4)という現行にはないサイズはモバイル性をはじめ大変使い勝手がよいので、まだしばらくは使っていきたいと思います。

5/1になりますが、ローレンス・レッシグ氏のレクチャー「アートと知的財産権:クリエイティブ・コモンズの新たな役割」に行きました。内容はRW(Read/Write)からRO(Read Only)へ、そしてまたRWへというカルチャー史の遷移や広義のRemixについてなど。この日の話だけでは用語は別としてもあまり更新されているようには感じられなかったのですが、最新著書『Remix』で詳細が書かれているでしょうからぜひ読んでみたいです。

『Remix』はこちらのBloomsbury Academic社のサイトから無料PDFデータとして発表されています。さらに『Remix the Remixer』なるコンテストも開催されているようです。

WIRED VISION - レッシグ氏の著作無料化記念:リミックス・コンテスト


Remix: <br />Making Art and Commerce Thrive in the Hybrid Economy
Lawrence Lessig
Bloomsbury Academic
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認知言語学的アプローチ

知の構造化センターと進めているPingPongプロジェクトで宇野良子さん(認知言語学)にレクチャーに来ていただきました。

ジョージ・レイコフやロナルド・ラネカーなどを中心に認知言語学の概観から新語の話まで、宇野さんのお話は大変分かりやすく勉強になりました。PingPongプロジェクトにとっては、特に動詞の変化と行為の関係性の話はとても興味深かった。レクチャーに続いてのブレストも盛り上がり、「格フレーム」や「動詞+モダリティー」でデザインを捉えること、など大きく更新できました。行為からの記述を目指すこのプロジェクトにとっては認知言語学的アプローチは不可欠です。宇野さんからも基本文献として紹介されていたレイコフ本は読みたいけどこのボリュームは...。

Women, Fire, & Dangerous Things
Lakoff
Chicago University Press
売り上げランキング: 8008


認知意味論―言語から見た人間の心
ジョージ レイコフ
紀伊國屋書店
売り上げランキング: 285619

終着の浜辺

J.G.バラード死去。

Reuters - 英SF作家のJ・G・バラード氏が死去

もう新作が読めないのは本当に残念です。ご冥福をお祈りします。

バラード作品で僕が特に好きなものはこれです。

終着の浜辺 (創元SF文庫)
J・G バラード
東京創元社
売り上げランキング: 9675


結晶世界 (創元SF文庫)
結晶世界 (創元SF文庫)
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J・G・バラード
東京創元社
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クラッシュ (創元SF文庫)
J.G. バラード
東京創元社
売り上げランキング: 236092

メルロ=ポンティ復刊

うんたんが止まりません。(わからない方は決してググらないでくださいww)

みすず書房からメルロ=ポンティがいくつか復刊していて、未読の意識と言語の獲得 ソルボンヌ講義 (1)を購入。

幼児は、他者を模倣する前に他者の活動を模倣するものです。この最初の模倣は、幼児が他者の身体を構造化された行為の担い手として一挙に把握しているということ、そして幼児が自分自身の身体を、ある意味をもった身ぶりを実現するための恒常的で全体的な能力として経験していることを前提にしています。

まさにこれは今考えてつくっているところです。合わせて少し前に出たものですがこれも。

ショーン・ギャラガーの「間身体性と間主観性ーメルロ=ポンティ、認知科学、心の理論への批判」が面白そう。

IDEA NO. 334 : 漫画・アニメ・ライトノベル文化のデザイン〈前編〉

もうたまりません、よつばちゃん!

IDEA NO. 334 : 漫画・アニメ・ライトノベル文化のデザイン〈前編〉

さすがアイデア、大変充実した内容でよつばファンにとっては必須です。

Extra Large

例年のことではありますが、特に今年は目黒川沿いが花見客ですごいことになっています。

森美術館で催された万華鏡の視覚:ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションよりのレセプションに行ってきました。オラファー・エリアソン、カールステン・フラー、カールステン・ニコライなどそうそうたる顔ぶれなのですが、展覧会としては残念なものでした。財団であれ美術館であれ個人であれ、コレクション展というものはもう回顧的意味しか持ちえないのかもしれません。

ずっとほしかったこれをようやく購入して今日届いたのですが、本当にExtra Largeでびっくり。素晴らしい本です。

Studio Olafur Eliasson: An Encyclopedia <br />(Extra Large Series)
Philip Ursprung
Taschen America Llc
売り上げランキング: 8740

動かないアニマル

日比谷パティオで開催中のテオ・ヤンセン展を池上高志さん新津保建秀さんと観に行く。風が強いから今日はめっちゃ動くぞ!暴走したらどうしよwktkなんて思っていたら「土日祝日しか動きません」てー。後でHPみたら確かに書いてはありましたが...。ちゃんと確認しなかった僕が悪いです。すみません>池上さん、新津保さん

動かないのに入っても仕方ないのでちょっとのぞいただけですが、完全に囲まれたテント内で空間にもあまり余裕がない状態でアニマル達は鎮座していました。アニマル達は動かないと全く意味ないし、あの空間内で人もたくさん入った状態ではほとんど動けないのではないでしょうか。場所の使い方も全然「パークライフ」ではないし。こういう本当は徹底してやればできるのにも関わらずやられていないもったいないことが多過ぎて残念。

みんなでブーブー言いながら仕方ないので日比谷シャンテに行きスイーツを三人でシェアしながらwwボーイズトーク。space/motion/lifeやミミズの話、新津保さんの光の話など。キュリアス・マインドの日本版オリジナルがつくれるといいなあ。

キュリアス・マインド

幻冬舎
売り上げランキング: 54656

人格も記憶も

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMISTのTVアニメ新シリーズがこの4月から始まるのを機にコミック全巻(現在21巻まで)大人買い&一気読みをしていますが、あらためてこれは秀作ですね。今シリーズは原作に準拠したものになるとのことで、また楽しみです。

「その人格も記憶も兄貴の手によって人工的に造られた物だとしたらどうする?」って「意識」を語るの続きじゃん。

鋼の錬金術師 (1) (ガンガンコミックス)
荒川 弘
スクウェア・エニックス


「意識」を語る
「意識」を語る
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スーザン・ブラックモア
エヌティティ出版
売り上げランキング: 1657

せーの!

フェスティバル/トーキョー09春で上演された飴屋法水演出(平田オリザ作)の『転校生』を観に行きました。

飴屋氏の舞台は初めてだったのですが、衝撃を受けました。途中、突然響く無言の「どん!」と最後のシーンで女子高生たちによって繰り返される「せーの!」「どん!」が本当に強烈で、終わってからも体に響き続けてしばらく立つことができませんでした。時間と空間の複数性/ズレの現れが秀逸。これは舞台でしかできない。そしてそれは不可能性を引き受けつつ可能性へと向かうーようにみえました。

スティーブン・ピンカーの新作が出ていたのでジュンク堂で購入して帰る。

思考する言語 上<br />―「ことばの意味」から人間性に迫る (1) (NHKブックス 1130)
スティーブン・ピンカー
日本放送出版協会
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思考する言語 中<br />―「ことばの意味」から人間性に迫る (2) (NHKブックス 1131)
スティーブン・ピンカー
日本放送出版協会
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動く本

池上高志さんの本『動きが生命をつくる』が増刷で第三刷になったそうです。よかったですね。このまま増刷を重ねて更新もされていくような“動く本”になることを願います。

未読の方はぜひ!この本は全ての方におすすめします。

動きが生命をつくる<br />―生命と意識への構成論的アプローチ
池上 高志
青土社
売り上げランキング: 61965

Living Library

2009年4月10日にオープンを控えたSign霞が関の現場ですが、いよいよ家具が納入されました。

中国の工場で製作していますが、家具に関していえば中国の工場のクオリティは格段に上がったと共に安定してきました。ただ、選択と監理は注意深く繊細にやる必要がありますが。


カレントアウェアネス-Rさんで知ったのですが、こんな“Library”もあるのですね。

2009年夏、デンマークの王城で世界最大規模のLiving Libraryイベント
「生きている本」を読んで偏見を乗り越える“Living Library”

徹底化されたアナロジーのようにもみえますが、実は本やライブラリーを考えるための視座も与えてくれそうです。「生きている本」ではない本(紙の本に限らず)でも双方向のコミュニケーションは生まれますから。

第二回目のゲストは山形浩生さん

国立国会図書館(NDL)館長=情報工学者・長尾真氏のシリーズ対談d-labo talk session「図書館は視えなくなるか?―データベースからアーキテクチャへ」第二回目の概要が決まりました。第二回目のゲストは山形浩生さんです。大手調査会社に勤務のかたわら、広範な分野での翻訳および執筆をされているほか、ネット上のフリー翻訳プロジェクトであるプロジェクト杉田玄白の主宰としても知られています。

日程は2009年5月11日(月)で前回と同じく19:00スタートとなります。正式にはd-laboのサイトで告知されてそれからの申込になりますので、受付が開始したらお知らせします。

その山形浩生さんが翻訳されている(守岡桜氏との共訳)『「意識」を語る』をぽつぽつと合間に読んでいますが、様々な科学者や哲学者たちがそれぞれの立場から好き勝手なことを言っていて大変面白いです。著者(インタビューアー)スーザン・ブラックモアの突っ込みも相当
効いていますが、何よりも企画がいいですね。

「意識」を語る
「意識」を語る
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スーザン・ブラックモア
エヌティティ出版
売り上げランキング: 2759

「おまいら、ゲーム脳になれよ」

出張先の札幌駅近くの紀伊國屋書店で下記の本を購入。

『本人』という雑誌は購入したのは初めてで帰りの機内で読みました。巻頭がひろゆき氏の3万字超の手記「世界の仕組みを解き明かしたい」で、Chim↑Pomの卯城竜太氏の「ピカッの僕からピカの君へ」、堀江貴文氏の「就職しないで生きるには」と続くのですが、雑誌が久しぶりに面白かった。

創作がほとんど自己キャラクター創りにしかなっていない芸術家(作家)の物語・語りよりも、冷たく感じられるくらいにロジカルで「素」のトークの方が圧倒的に!おもしろいですね。そして、僕はゲーム脳よりゲーム身体になりたいのでした。

本人 vol.09
本人 vol.09
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ひろゆき 堀江貴文 宮藤官九郎 中川翔子 峯田和伸
北村道子 安永知澄 Chim↑Pom 岩井志麻子 小明
井口昇 吉田豪 中村うさぎ 海猫沢めろん
太田出版
売り上げランキング: 27


ヤンキー文化論序説
ヤンキー文化論序説
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五十嵐 太郎
河出書房新社
売り上げランキング: 4160


ハイデガー (KAWADE道の手帖) (KAWADE道の手帖)

河出書房新社
売り上げランキング: 18500

消防検査とか

Sign霞が関の消防検査がありました。消防署から三井、鹿島の担当者がぞろぞろぞろと、総勢50人近くはいたのではないか。こんな消防検査は初めて。何ごとかと思いました。

帰りにBooks Shogen書原霞ヶ関店で以下を購入。

1995年以後<br>―次世代建築家の語る現代の都市と建築
藤村 龍至 TEAM ROUNDABOUT
エクスナレッジ
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「意識」を語る
「意識」を語る
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スーザン・ブラックモア
エヌティティ出版
売り上げランキング: 5137


進化倫理学入門 (光文社新書)
内藤淳
光文社
売り上げランキング: 1191


ベーシック・インカム入門 (光文社新書)
山森亮
光文社
売り上げランキング: 1650

港千尋氏×李明喜トークイベント報告

続いて2009年2月13日にブックファースト新宿店BLUE SQUARE CAFEで行なわれました港千尋氏×李明喜トークイベントの簡単なご報告を。

『新編 第三の眼』刊行記念のトークイベントということで「グーグルくんとグーテンベルクくん」という漫才コンビのようなスタイルで進めてみました。キャラという第三の視点によってストーリーというか価値論的なところから離れた創造について話すことができればと思ったのですが届かなかったですねー、なかなか(池上さんや渋谷くんには早々とつかれました)。港さんは懐が非常に深い方なのでそれでも僕自身は楽しんでしまったのですが、会場にいらしたみなさんはどうだったのでしょう。

このトークの模様はもしかしたら映像でアップするかもしれません。

強風の中会場に足を運んでいただいたみなさま(特に連日ご参加いただいたみなさま)、せりか書房及びブックファーストの関係者のみなさま、そして港千尋さん、その他ご協力をいただいたみなさま、あらためてありがとうございました。

新編 第三の眼―デジタル時代の想像力
港 千尋
せりか書房
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Perceptrons - Expanded Edition

NTT出版の神部さんと池上高志さんと、とある書籍の翻訳出版企画について打合せをしました。その時に池上さんが見せてくれたマービン・ミンスキー(Marvin Minsky)とシーモア・パパート(Seymour Papert)の共著『Perceptrons - Expanded Edition』が素晴らしいです。

いえ内容の話ではなく(原著も翻訳書も僕は読んでいません)そのエディトリアルが秀逸なのです。1969年に出された書籍の増補改訂版で18年後の1987年に出ているのですが、本文に線が引かれてその下に修正テキストが書かれていたり、ページの上にメモのような手描きで追記が書き込まれていたり、どこがどのように増補改訂されたかが分かるようになっているのです。こういう本を環境も含めてデザインしたいですね。ちなみに翻訳書の方はそれが全く生かされておらず、池上さんもお怒りでしたよw

Perceptrons: Introduction to Computational Geometry
Marvin Minsky Seymour Papert
Mit Pr
売り上げランキング: 160988


パーセプトロン
パーセプトロン
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M.L. ミンスキー S.A. パパート
パーソナルメディア
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心の社会
心の社会
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安西 祐一郎 Marvin Minsky マーヴィン・ミンスキー
産業図書
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『新編 第三の眼』書影&目次

港千尋さんの『新編 第三の眼』(せりか書房)の見本が上がりましたので、書影と目次をアップします。

『新編 第三の眼 デジタル時代の想像力』港千尋

デジタル・イメージはデッサンや写真とどこがどう異なるのだろうか。驚異的なテクノロジーの進化によって急激に変化しつつあるイメージの世界を手がかりに、人間の知覚と記憶の変容が生み出すデジタル時代のリアリティを探る。

目次
はじめに 変容する眼差しと記憶

1 イメージの知
知識の扉
透かし小史
デジタル・イメージとは何か
デッサンという旅

2 目撃者たち
見知らぬ乗客のための写真の歴史
オプトグラムの謎
スタジアムの眼
日常の考古学

3 創造の器官
創造的器官
眼のなかの虹
記憶の縫いかた
第三の眼

46判/並製/224頁


港さんらしいとてもきれいな本です。予定通り10日配本で11日には店頭に並びます。もちろんトークイベント会場でも販売されますよ(港さんのサイン会もあり)。イベントの整理券はブックファースト新宿店で配布しています。僕は当日、写楽保介か天津飯かそれとも飛影にしようかー密かに悩んでいます。『第三の眼』ですからねえ...。コスプレの話ですw

『新編 第三の眼』刊行記念トークイベント
港千尋×李明喜「第三の眼−グーグルからグーテンベルクまで」
日程:2009年2月13日(金)19:00〜20:30
場所:ブックファースト新宿店1階BLUE SQUARE CAFE内イベントスペース
詳細:イベント|Event & Fair|ブックファースト
※参加希望の方はブックファースト新宿店・地下1階Aゾーンレジカウンターにてお申し出ください。先着40名様に、参加整理券をお渡しさせていただきます(参加無料)

Kluge

最近購入した本たち。単なる備忘録です。


機械仕掛けの神<br>―ヘリコプター全史
ジェイムズ・R. チャイルズ
早川書房
売り上げランキング: 84672


こころと言葉<br>―進化と認知科学のアプローチ

東京大学出版会
売り上げランキング: 101726


「多様な意見」はなぜ正しいのか<br>衆愚が集合知に変わるとき
スコット・ペイジ
日経BP社
売り上げランキング: 3773


寿命論―細胞から「生命」を考える
高木 由臣
日本放送出版協会
売り上げランキング: 2799


一番上の『脳はあり合わせの材料から生まれた』は『Kluge: The Haphazard Construction of the Human Mind』の訳書です。これは↓を読んでいて翻訳が出るのを楽しみにしていたのですが早かったですね。
shorebird 進化心理学中心の書評など

港千尋×李明喜トークイベント整理券配布開始!

先日もお知らせしました、港千尋さんとのトークイベントの整理券(無料)の配布が始まりました。詳細は以下のブックファーストさんのサイトでご確認ください。

イベント|Event & Fair|ブックファースト

『新編 第三の眼』刊行記念トークイベント開催!
港千尋×李明喜 「第三の眼―グーグルからグーテンベルクまで―」
ブックファースト新宿店・1階ブルースクエアカフェ内イベントスペース
2/13(金)午後7時~午後8時30分

まだ『新編 第三の眼』が上がっていないため、せりか書房さんから送られてきたゲラのコピーを読み始めたところです。『新編 第三の眼』は2/11(水)発売予定でイベント当日も購入できます。小さなスペースですがオープンな感じでやりますのでぜひみなさんいらしてください。

映像空間の可能性

商店建築2009年2月号に映像ディレクターの児玉裕一さんとの対談「映像空間の可能性」が掲載されています。この対談は他愛もない断片的な会話がとても楽しかったです。

「商空間を変える映像メディア」という特集なのですが、他に青木淳氏のインタビューが掲載されていたり、セミトランスペアレント・デザインDGNが「映像空間をつくるクリエーターたち」として紹介されたりしています。ぜひ、お手にとってみてください。

読むためのアプリ

松下のシグマブックもソニーのリブリエも静かに生産を終了し、アマゾン・キンドル(Amazon Kindle)も今のところは日本版が出る見込みはなく、日本における電子書籍はケータイ小説に特化されている感がありましたが、iPhone/iPod touch+App Storeという環境によってようやく電子書籍をユーザー体験として楽しむことができるようになりました。

僕のiPod touchには現在以下の電子書籍を読むためのアプリケーション(テキストリーダ)を入れて使い比べています。

Stanza
豊平文庫(ほうへいぶんこ)
i文庫
SkyBook

これで青空文庫もようやく利用することができる図書館になったなあと実感しております。以前は「古い文学作品は文庫の古本でいいや」だったのが今ではすっかり「古い文学作品はiPod touchでいいや」になりました。本を読む/書く/つくるとかの意味はもう変わっています。それに対して無視とか敵視という対応ではだめだよねえ。

第三の眼−グーグルからグーテンベルクまで

港千尋さんの『新編 第三の眼』(せりか書房)の刊行を記念して催されるトークイベントの概要が決まりました。

『新編 第三の眼』刊行記念トークイベント
港千尋×李明喜「第三の眼−グーグルからグーテンベルクまで」
日程:2009年2月13日(金)19:00〜
場所:ブックファースト新宿店1階BLUE SQUARE CAFE内イベントスペース

整理券の引渡し等詳細は現在調整中ですので決まり次第追ってお知らせします。先日エントリーした長尾館長×池上さん対談が2月12日なので連日になりますが、みなさんぜひお越しくださいませ。

創発する生命―化学的起源から構成的生物学へ

駒場の池上さんのところで行なわれた久保田晃弘さんのレクチャーに行きました。現在、YCAM 山口情報芸術センターで開かれているミニマム インターフェース展に出されている作品「Pure φ (純粋 φ)」についてのお話等々。絵画というのがちょっと意外でしたが、「視覚運動システムから生まれる〈視る〉絵画」といったお話を聞いていると自然な流れのように感じました。

終了後、池上さんと少し打ち合わせをしてから帰りにこれを購入。

創発する生命―化学的起源から構成的生物学へ
ピエル・ルイジ・ルイージ
エヌティティ出版
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郡司ペギオ-幸夫さん一人による翻訳だったら読むの大変だなあとか思っていましたがw、白川智弘さんという郡司さんのお弟子さんが第一翻訳者で郡司さんは第二翻訳者+解説ということのようです。(※1/22 白川智弘氏からのご指摘があり修正させていただきました)NTT出版のもう一つの翻訳書企画もぜひ進んでほしいです。

リアルアマゾン

年明けから『思想地図 vol.2』を楽しく読んでいます。メイン特集は「ジェネレーション」ということなのですが、『アーキテクチャの生態系』を読んだ後だと第二特集の「胎動するインフラ・コミュニケーション」に惹かれてしまいます。

ニコニコ動画のタグの仕組みを「タクソノミー」や「フォークソノミー」との対比から「フラクソノミー」と表現する濱野智史氏の論文は、環境=アーキテクチャ論として自著に続いて非常に興味深いです。そして、「ソシオフィジクスは可能か」と題された座談会は、内容としては次号vol.3に予定されている特集「アーキテクチャ」に繋がりつつ座談会のコミュニケーションそのものが今号の特集「ジェネレーション」に繋がるというなかなかアクロバティックな展開になっています。

この座談会でも出てきますが、アマゾンなどのネット書店はウェブ上であるからこそリアル店舗では不可能なほどの膨大な在庫を抱えることができるーという話。アマゾンは千葉県市川市に倉庫(物流センター)という形で物理的空間を持っているわけですよね。そしてそこで働く人々は日々膨大な量の注文に対して、在庫管理サーバに登録された在庫を携帯端末を使って効率よくピックアップしています。ということは決してリアル店舗でもアマゾンくらいの規模の店舗ができないわけではないと思うのです。もちろんそこにカスタマー用のインターフェイスは必要ですが、それも今の在庫管理システムの応用で可能だと思います。そんな既存の分類にも縛られないリアル店舗をまさにアーキテクチャとして設計すれば面白いなあ。絶対に。

1月28日に東工大で催される公開シンポジウム「アーキテクチャと思考の場所」も楽しみです。

思想地図〈vol.2〉<br>特集・ジェネレーション (NHKブックス別巻)

日本放送出版協会
売り上げランキング: 267

Your House

オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)がこんなものを作っていたのは知りませんでした。

Laser-cut art book by Olafur Eliasson
(via FFFFOUND! | Origami Tessellations

彼にすれば建築ということなのでしょう。他の作品とは全く違いますがこれもいいですね。


Studio Olafur Eliasson: An Encyclopedia (Extra Large Series)
Philip Ursprung
Taschen America Llc
売り上げランキング: 18702

このマンガが

ここ最近の新刊を中心にマンガをまとめ買い、まとめ読み。


イムリ 5 (BEAM COMIX)
イムリ 5 (BEAM COMIX)
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三宅 乱丈
エンターブレイン


鈴木先生 6 (6) (アクションコミックス)
武富 健治
双葉社 (2008-11-28)



夢幻紳士 幻想篇
夢幻紳士 幻想篇
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高橋 葉介
早川書房
売り上げランキング: 34659


夢幻紳士 逢魔篇
夢幻紳士 逢魔篇
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高橋 葉介
早川書房
売り上げランキング: 27822


下二冊だけは少し前のもの。このようなまだ出会っていない傑作ってたくさんあるんでしょうねえ。

来年はダーウィン年

祭日ということで集中して原稿を仕上げる。参考本にはなりませんでしたが、おかげでダーウィン本が増えました。来年2009年はダーウィン生誕200年&『種の起原』出版150年とダーウィンの年です。

種の起原〈上〉 (岩波文庫)
チャールズ ダーウィン
岩波書店
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ダーウィン著作集〈1〉人間の進化と性淘汰(1)
チャールズ・R. ダーウィン
文一総合出版
売り上げランキング: 28517


書店に行くとカルチャー誌やファッション誌がこぞって「本特集」をやっていましたが、何れも「本特集」にはみえませんねえ。

分類を超える

締切が間近に迫った原稿が遅々として進まないので、リフレッシュに新宿の書店巡りに出かけました。ジュンク堂、紀伊國屋、ブックファーストと大型書店だけを廻っていくとジュンク堂の棚の充実度が際立っているようにみえます。実際僕が本を購入する量もこの三店ではジュンク堂>>>>>ブックファースト>紀伊國屋という感じ。書棚の分類の最小単位が非常に細かいことと、分類をまたぐ書籍や分類にあてはまらない書籍に対して複数箇所の書棚に置くことである程度ではありますが柔軟に対応していること、そして専門書の充実が大きいです。

そして原稿とは全く関係のない書籍を買って帰ることになるわけです。

ユリイカ 増刊号 総特集=初音ミク

青土社
売り上げランキング: 172


現代思想 2008年12月号 特集=ドゥルーズ

青土社
売り上げランキング: 49791


思想の中の数学的構造 (ちくま学芸文庫)
山下 正男
筑摩書房
売り上げランキング: 307415


人間の本性について (ちくま学芸文庫)
エドワード・O ウィルソン
筑摩書房
売り上げランキング: 235280

レイアウト、ゾーニング、ロケーション

ICCで開催中の展覧会「ライト・[イン]サイト:拡張する光,変容する知覚」を観てきました。先日は関連イベントのシンポジウムしか観ることができなかったので。

コンパクトな展覧会なのですが、印象的な体験がいくつかありました。特に《カメラ・ルシーダ:三次元音響観察室》2008年エヴェリーナ・ドムニチ&ドミートリー・ゲルファンド、《You and I, Horizontal》2006年アンソニー・マッコールは閉じた空間でしかできない体験の深度/強度において秀逸だと思います。こういうグループ展はキュレーション力に因るところが大きいのですが、四方さんさすがです。空間のレイアウトの重要性も再認識できる展覧会です。これは特に平日か週末でも午前中の人が少ない時間帯で観ることをおすすめします。

その後、BLUE SQUARE CAFEに移動して港千尋さん、ブックファースト新宿店店長梶野さんと淀渕さんとで打合せ。来年2月に開催予定の港さんの本のイベントについての企画で、僕もトークイベントに参加させていただく予定です。詳細決まりましたらお知らせします。それにしてもこの建物「モード学園コクーンタワー」のゾーニングは何度行っても分かりにくいです。

夜は青山ブックセンター六本木店にraster-noton インストアライブを観に行く。

イベントスペースではなく書店の売り場を営業時間中にも関わらずこのように使うのは日本ではあまりないことだと思いますが、こういうことはもっとあってもいいのではないでしょうか。

カールステン (carsten nicolai)はGRANBELL HOTEL SHIBUYAを愛用してくれているのですが、元々僕たちmattがデザインしていることを知らずにたまたま利用して気に入ってくれたので、そういうのは素直に嬉しいです。ロケーションが便利というのも大きいでしょうが。

アイデアの最新号に別冊で音楽CD付ヴィジュアルブック『raster-noton "aiff-tiff"』が付いています。


GOLDENTIME

ヒマナイヌ2009望年会『GTV』に行ってきました。昨年も書いたかもしれませんが「忘年会」ではなく「望年会」。なぜか「ゼロ年代」と「アーキテクチャ」の話で盛り上がる。

ゼロ年代の想像力
ゼロ年代の想像力
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宇野常寛
早川書房
売り上げランキング: 8650


アーキテクチャの生態系<br>―情報環境はいかに設計されてきたか
濱野 智史
エヌティティ出版
売り上げランキング: 1303

いつもながらヒマナイヌらしい優しい会でした。

望年会の前に青山ブックセンター本店に立ち寄って以下を購入。本日発売の『熱学思想の史的展開』がすぐに手に入れたかったので。文庫全3巻による復刊は著者曰く「思いきってかなり手を加え、大幅に加筆・訂正をほどこし、自分では決定版とでも言うべきものになった」そうです。下條さんの久々の著書も楽しみです。ちくま12月気合い入っていますね。

熱学思想の史的展開 1 (ちくま学芸文庫 ヤ 18-1)
山本 義隆
筑摩書房
売り上げランキング: 3257


眼の隠喩―視線の現象学 (ちくま学芸文庫 タ 29-1)
多木 浩二
筑摩書房
売り上げランキング: 13072



ゲームの教科書(ちくまプリマー新書)
馬場 保仁 山本 貴光
筑摩書房
売り上げランキング: 33556

レヴィ=ストロース生誕100年

2008年11月28日、クロード・レヴィ=ストロース(Claude Lévi-Strauss)が100歳の誕生日を迎えました。生き続けているというのは何よりも偉い。日本でも様々な企画があるようです。

レヴィ=ストロース 生誕100年 les 100 ans de CLAUDE LEVI-STRAUSS

今日のレヴィ=ストロース[ シンポジウム ]

UTCPセミナー「レヴィ=ストロースと鳥インフルエンザ―潜在的カタストロフィの構造人類学の方法」

港千尋さんの本も「祝!生誕100年」のタイミングになりましたね。「100歳の誕生日に間に合ってよかったよ」とご本人も仰っていました。

レヴィ=ストロースの庭
港 千尋
エヌティティ出版
売り上げランキング: 39388


神話論理はまだ手をつけていませんが(さすがにあのボリュームには怯みます)、いくつか読み直したいものがあるのでこれを機に読みたいと思います。

野生の思考
野生の思考
posted with amazlet at 08.11.29
クロード・レヴィ・ストロース
みすず書房
売り上げランキング: 14634


やきもち焼きの土器つくり
クロード レヴィ=ストロース
みすず書房
売り上げランキング: 16458


悲しき熱帯〈1〉 (中公クラシックス)
レヴィ=ストロース
中央公論新社
売り上げランキング: 3992


悲しき熱帯〈2〉 (中公クラシックス)
レヴィ=ストロース
中央公論新社
売り上げランキング: 11050

ついに復刊!

おおっ!『熱学思想の史的展開1─熱とエントロピー』がついに復刊決定!!しかも文庫です。

筑摩書房 これから出る本

復刊ドットコムでみんなが熱いメッセージを送ったかいがあったーのかな?それにしても<ちくま学芸文庫math&science>素晴らしいです。ランダウ=リフシッツやディラックが文庫で読めるなんてすごいことだよねえ。

力学・場の理論―<br>ランダウ=リフシッツ物理学小教程 (ちくま学芸文庫)
L.D. ランダウ E.M. リフシッツ
筑摩書房
売り上げランキング: 85213


量子力学―<br>ランダウ=リフシッツ物理学小教程 (ちくま学芸文庫)
L.D. ランダウ E.M. リフシッツ
筑摩書房
売り上げランキング: 138342


ディラック現代物理学講義 (ちくま学芸文庫)
P.A.M. ディラック
筑摩書房
売り上げランキング: 51087

情報デザイン ブックガイド・トーク

青山ブックセンター本店で行なわれた港千尋+永原康史監修『創造性の宇宙』(工作舎)刊行記念トークイベントに行ってきました。タイトルは「情報デザイン ブックガイド・トーク」ということで、ブックジャンキーに違いない二人による巷に溢れているブックガイドとは全く違うブックガイドはとても見ごたえ&聴きごたえがありました。『POWERS OF TEN』の映像版を久しぶりに観ることができたのもよかったです。

それぞれの自著に加えてブックガイドで紹介された稀少本なども販売されていて以下の二冊を購入。

レヴィ=ストロースの庭
港 千尋
エヌティティ出版
売り上げランキング: 52479


文字はこうして生まれた
デニス・シュマント・ベッセラ
岩波書店
売り上げランキング: 141900

上は港さんの最新作。下は先のエントリーで紹介したプルーストとイカにも繋がるのでぜひ読みたいと思い。本当は僕もクリスマスプレゼントでこんな本もらえるといいのですが。


創造性の宇宙
創造性の宇宙
posted with amazlet at 08.11.26
伊藤俊治 久保田晃弘 四方幸子 須永剛司 高橋士郎 永原康史
秦 剛平 ジャン=ルイ・ボワシエ 前田ジョン 港 千尋
工作舎
売り上げランキング: 98712


パワーズ オブ テン―宇宙・人間・素粒子をめぐる大きさの旅
フィリップ・モリソン 村上 陽一郎 村上 公子
日経サイエンス
売り上げランキング: 28734


EAMES FILMS:チャールズ&レイ・イームズの映像世界 [DVD]
パイオニアLDC (2001-08-24)
売り上げランキング: 11148

拡張した心

先日の出張の帰りに購入したこれを読みました。

暴走する脳科学 (光文社新書 377)
河野哲也
光文社
売り上げランキング: 2319


タイトルから想像されるような挑発的な内容ではなく、心の哲学〜脳神経倫理学のさらっとしたイントロダクションになっています。200ページちょっとの新書ですが、短いながらも一章をあててベンジャミン・リベットの自由意志に関する実験とその後の議論について紹介されているというのは大きな意味があると思います。

著者自身も「拡張した心」論者の一人であるのですが、「心」という限定で考えることにはやはり違和感を感じます。暦本さんもブログで書かれていましたが、

生命とは、永遠の形相のもとにおける存在の過程ではなく、むしろ個体とその環境との相互作用である。

というノーバート・ウィーナーの言葉のように「生命」というシステムにおける相互性を考えなければならないと思います。

マインド・タイム 脳と意識の時間
ベンジャミン・リベット
岩波書店
売り上げランキング: 74671


サイバネティックスはいかにして生まれたか
ノーバート・ウィーナー
みすず書房
売り上げランキング: 142262

MORE! MORE! MORE!

2008年11月19日発売されたもので即購入したもの。

MORE! MORE! MORE!(初回生産限定)(DVD付)
capsule
ヤマハミュージックコミュニケーションズ (2008-11-19)
売り上げランキング: 6


Dream Fighter(初回限定盤)
Perfume
Tokuma Japan Communications =music= (2008-11-19)
売り上げランキング: 45


服従の心理
服従の心理
posted with amazlet at 08.11.20
スタンレー ミルグラム
河出書房新社
売り上げランキング: 1259


中田ヤスタカ氏まだまだいきますねー。『服従の心理』は山形浩生氏による新訳。これも楽しみ。

プルーストとイカと日本語

「読む」ことについての本と「書く」ことについての本を同時に読んでいます。意図したわけではありません。たまたまタイミングがあっただけ。

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
メアリアン・ウルフ
インターシフト
売り上げランキング: 609


日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で
水村 美苗
筑摩書房
売り上げランキング: 6


『プルーストとイカ』は「読む」という行為の複雑さとその影響の大きさなどが多視点から書かれているのですが、これは本当に面白いです。認知に関する本では久々の傑作ではないでしょうか。『日本語が亡びるとき』の方は梅田望夫氏のエントリーがきっかけでネット上で異常に盛り上がっていて、何でこんなに熱くなっているのかとりあえず読んでみようと思い書店で購入しました。こんなの読んでるから書く時間がなくなるんだよねえ。

神様

ネネムのおしっこにまみれながらも構成つくったり原稿書いたりしております。ちょっとへろへろです。そんな僕をUNIQLOCK(iPod touch)とかんなぎが慰めてくれています。


かんなぎ 1 (REX COMICS)
かんなぎ 1 (REX COMICS)
posted with amazlet at 08.11.14
武梨 えり
一迅社


かんなぎ  1(完全生産限定版)
アニプレックス (2008-11-26)
売り上げランキング: 4

BLUE SQUARE CAFE オープンしました!

11月6日、新宿西口のコクーンタワーにブックファースト新宿店がオープンしました。先日も書いたようにmattはこのブックファースト内のカフェ&ギャラリー「BLUE SQUARE CAFE」のインテリアデザインを担当しています。

TRANSIT NEWS:New Open - BOOK 1st. & BLUE SQUARE CAFE

11月4日にプレス向けの内覧会が催されたのですが僕は都合がつかず出席できませんでした。なのでこの日あった、hacknetの安岡さん、BACHの幅さん、SPBSの福井さんとブックファースト新宿店店長の梶野さんの4人による記念トークショー「インターネット時代のリアル書店」も残念ながら観ることができず。このトークショーを含むブックファースト新宿店のオープンについて月曜社の小林浩さんが言及されています。

ウラゲツ☆ブログ:ブックファースト新宿店がついに開店

内容は観ていないので何とも言えませんが、確かにこのテーマでこのメンバーでやるのであればもっとオープンなトークショーにすべきですよねえ。そもそもこうしてトランジットさんがプロデュースに入ってカフェ&ギャラリーを作るということが従来の書店的コミュニケーションから外へ広げようという意図があったわけですからテーマと送り手だけを替えても受け手が替わらない(広げない)とあまり意味はないでしょう。場としてもったいない。とはいえスタートしたばかりですから場としてどう使われていくのかは今後に期待しましょう。

結局僕は11月5日のプレオープン(主に出版社向けだったようです)に行って、全フロアを廻りました。小林さんも書かれていますが、変形の建物を生かして大型書店では珍しくいい意味で抑揚のある空間になっています。その空間的な抑揚に対して書籍の分類があまりにも固過ぎるのが少し残念。

オープン記念ということで何冊か購入。

アーキテクチャの生態系<br>情報環境はいかに設計されてきたか
濱野 智史
エヌティティ出版
売り上げランキング: 1369


サイボーグ・フィロソフィー<br>『攻殻機動隊』『スカイ・クロラ』をめぐって
高橋 透
エヌティティ出版
売り上げランキング: 46953


感覚秩序 ハイエク全集 I-4 (1)
ハイエク
春秋社
売り上げランキング: 77591



本を購入する理由が多過ぎるのには困ったものです。

date-

BLUE SQUARE CAFE
■ ADDRESS : 東京都新宿区1−7−3モード学園コクーンタワー1F
■ OPEN : 8:00−22:00(土・日・祝 10:00−22:00)

■ PRODUCE&OPERATION : TRANSIT GENERAL OFFICE INC.
■ INTERIOR DESIGN : matt
■ LOGO DESIGN : a designer

LEGGO 長尾真館長の巻〜知識はわれらを豊かにする

8月末に行なったNDL長尾館長との対談がようやくアップされました。

国立国会図書館長・長尾真〜知識はわれらを豊かにする

最後に長尾館長が「なにか問題になるような発言ばっかりしたな(笑)」と書かれていますが、実際この時館長はヒリヒリするくらいスリリングな話をけっこうされていました。さすがに際どい部分はカットされているようですがwまたぜひ続きをやりたいです。

それから10月28日に長尾館長は文化功労者を受賞されています。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2008/081028_2.htm
まるで受賞に合わせたかのような公開になりましたね。おめでとうございます。

『LEGGO 本のある生活』では長尾館長との対談の前に池上高志さんとの対談@LOTTERIA日本科学未来館というのも行なっているのですが、池上さんのお話があまりにもハードコア過ぎて編集担当の方がかなり苦戦しているようでちょっと時間がかかっています。が、これも間もなくアップされる予定です。決まったらまた告知しますね。

Andreas Gursky

Sign代官山でランチを食べた後、近くにあるhacknetに立ち寄ると主人安岡洋一さんがたまたまいて「leeくんにおすすめなのはねえ...」とばばばっと数冊出してきてすすめられ、まんまと4冊程ヴィジュアル本を買ってしまいました。本屋の主人おそるべし。

珍しく建築系のヴィジュアル本が3冊と、もう1冊は安岡さんのおすすめではなかったけど久しぶりにアンドレアス・グルスキー Andreas Gurskyを。バーゼルで行われた展覧会の図録なのですが、これはなかなかいい。

アマゾンはとても便利で僕もヘビーユーザーですが、直接見て触れることで購入につながるものはまだまだ存外多い。

「文学を超えた科学書全集」

池上高志さんの教授昇任お祝いパーティということで渋谷のet sonaへ。渋谷慶一郎くんが頻繁に利用しているということで名前は聞いていましたが僕は今日が初めてでした。名前の通り野菜を中心にどれもとてもおいしかった。

池上さんの人柄のせいかこの日は本当にリラックスできる楽しいパーティでした。緩みすぎて思わずはしゃいでしまったなあ。何人かに「leeくん、本当にお酒飲んでないの!?」と聞かれましたが僕はアルコールアレルギーでお酒は一滴も飲めません。

池上さんの『動きが生命をつくる』が朝日新聞に紹介されたらしいという話になって「瀬名さんじゃないの?」と言っていましたがやっぱり瀬名秀明さんが紹介していたようです。

朝日新聞・秋の読書特集「文学を超えた科学書全集」

僕も池上本はもちろん妥当だと思います。後はカール・ジンマーくらいかなあー選定が重なるのは。

動きが生命をつくる<br>―生命と意識への構成論的アプローチ
池上 高志
青土社
売り上げランキング: 20289


「進化」大全
「進化」大全
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カール・ジンマー
光文社
売り上げランキング: 76360

今度は霞が関だ

打合せのため霞が関の現場へ。日本で最初の超高層ビルとしても知られている霞が関ビルに来春sign霞が関がオープンします。

エントランス部に増築されてできつつあるロケーションはこんな感じ。

霞が関という立地やロケーションの条件によっていつもとは少し違ったsignになると思います。現在デザインの追い込み中です。乞うご期待。

円城塔さんのブログで知って今持ち歩き読み中の20世紀の幽霊たちが面白過ぎる。短編集なのですが、読んだ中では特に「ポップ・アート」が内容もタイトルも秀逸。著者ジョー・ヒルはスティーブン・キングの息子だそうです。僕はスティーブン・キングは一冊も読んでいませんが。

20世紀の幽霊たち (小学館文庫 ヒ 1-2)
ジョー・ヒル
小学館
売り上げランキング: 4058

ぼくたちと本とが変わるときの話

numabooks内沼晋太郎さんのトークショーシリーズぼくたちと本とが変わるときの話 第5回に行ってきました。

第5回ということでしたが僕はこれが初めて。内沼さんがこれからはじめる「本の相談所(仮)」についてゲストの小林浩さん(月曜社取締役)や来場者に相談するーというちょっとおかしくて楽しいトークでした。内沼さんにはこれからも衛星であってほしいと思います。

トーク終了後に内沼さんに小林浩さんを紹介していただき少しだけお話しました。月曜社は人文社会・芸術書に絞って本の内容はもちろん版型から装丁まで真摯につくられた本を送り出している出版社です。それを二人でやっているというのがまたすごいです。いや二人だからできるのでしょう。科学書等でもこういう出版社が出てくれるといいのにねえ。

僕の月曜社お気に入りベスト3はこれです。

バートルビー―偶然性について <br>[附]ハーマン・メルヴィル『バートルビー』
ジョルジョ アガンベン
月曜社
売り上げランキング: 100763


民衆防衛とエコロジー闘争
ポール・ヴィリリオ 河村 一郎 沢里 岳史
月曜社
売り上げランキング: 526440


書物の不在 (叢書・エクリチュールの冒険)
モーリス・ブランショ
月曜社
売り上げランキング: 375353


『書物の不在』の画像がないのが残念ですが、月曜社の本は版型(手に持った時の感覚)も絶妙なのでぜひ書店や図書館で触ってみてください。

科学・SF・アートが見る夢

三省堂書店神保町本店で開催された瀬名秀明さん×円城塔さん×池上高志さんによる講演会『〜科学・SF・アートが見る夢〜』に行ってきました。『サイエンス・イマジネーション』の発売記念イベント。研究者としては不まじめwな池上さんとまじめなお二人ということになっていましたが、人間的には池上さんも極めてまじめな方なので三人のまじめさがよく現れたイベントでした。

本の中でもこの講演会でも頻繁に出てきた「身体性」に関しての話は渋谷くんの言う通り既に(取り扱えないということで)済んだ問題だというのは同意しますが、ベンジャミン・リベットの実験や池上さんの「Artificial Life is dead.」以降の新しい「身体性」というものがたち現れてきているような気がします。それはヒューマノイドロボットを作って動かすということではたどり着けないでしょう。そして科学であれ何であれ今度こそは目をそらすわけにはいかないと思っています。

それにしても書店の状況はひどいですね。「amazonやTSUTAYAやブックオフやケータイ小説やインターネット等々のせいで売れない」とか言われていますが、本が売れないのは環境的外部要因だけでなく内部要因が大きいのではないでしょうか。今日のまるで吹き溜まりのような講演会場の状況を見てつくづく思いました。あの状況が気にならないほど業界全体が不感症に陥っているのでは。講演内容とは関係ありませんがそんなことも気になったイベントでした。

終了後、近くのパブレストランwで開かれた打上げに参加。瀬名さんが確かめて愕然としていましたが、打上げに参加していた人で『サイエンス・イマジネーション』を購入して読んでいたのは僕だけでした。僕もちょっとびっくり。

サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ
瀬名 秀明 山田 正紀 堀 晃 円城 塔 飛 浩隆
エヌティティ出版
売り上げランキング: 64187

Google10周年

Google10周年ということで記念して特別ページが公開されています。

おかげさまでGoogle10周年

ということで書店もまたGoogle特集が一杯。そんな中から面白そうなのを一冊購入。

プラネット・グーグル
ランダル・ストロス
日本放送出版協会
売り上げランキング: 24190


「Googleには何ができないか」ってヒューバート・ドレイファスが書かないかなあ。もうさすがに無理か...。

コンピュータには何ができないか―哲学的人工知能批判
ヒューバート・L. ドレイファス
産業図書
売り上げランキング: 229963


インターネットについて―哲学的考察 (Thinking in action)
ヒューバート・L. ドレイファス
産業図書
売り上げランキング: 401020


要塞都市LA / Touch the Sky

『要塞都市LA 増補新版』が出ました。旧版を持っていて、この本を読んだ時期にちょうどLAを訪れたこともあり非常に刺激を受けた一冊です。こういう増補新版とか改訳新版っていうのが一番悩ましいですね。それなりの分量のアップデートなら迷わず購入なのですが、あとがき追加程度の増補の場合も多々ありますから。文庫落ちでの増補ならいいのですが、青土社だからなあ。

本といえばiPhone/iPod touch用の青空文庫ビューア「Touch the Sky」がいいですよ。サイズ、フォント、レイアウト共にとても見やすく、さらにはページをめくるインターフェイスも秀逸。それから読みかけの(読んだ)本の履歴が残るので続きから読むことができるのも嬉しい。僕はiPod touchなのでWi-Fi環境に限りますが、それでも本を持ち忘れた時や持ち歩いている本以外を読みたい時にいいです。


要塞都市LA 増補新版
要塞都市LA 増補新版
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マイク・デイヴィス
青土社
売り上げランキング: 74357


要塞都市LA
要塞都市LA
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マイク デイヴィス
青土社
売り上げランキング: 384402

SFがいっぱい

復刊やら改訳やらSFがいっぱいですね。久しぶりにSFのまとめ買いしてしまいました。特に『ディファレンス・エンジン』のハヤカワ文庫からの復刊は嬉しい。角川書店の単行本で随分前に読みましたが、ちょうど読み直したいと思っていたところなので。Esquire(エスクァイア)の最新号もSFですし、もしかするとSFが.....いや何でもありません。

ディファレンス・エンジン 上 (1) (ハヤカワ文庫 SF キ 5-1)
ウィリアム・ギブスン ブルース・スターリング
早川書房
売り上げランキング: 564


ディファレンス・エンジン 下 (3) (ハヤカワ文庫 SF キ 5-2)
ウィリアム・ギブスン ブルース・スターリング
早川書房
売り上げランキング: 581


宇宙飛行士ピルクス物語(上) (ハヤカワ文庫 SF レ 1-9)
スタニスワフ レム
早川書房
売り上げランキング: 642


宇宙飛行士ピルクス物語(下) (ハヤカワ文庫 SF レ 1-10)
スタニスワフ レム
早川書房
売り上げランキング: 694


たったひとつの冴えたやりかた 改訳版
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
早川書房
売り上げランキング: 5815



ツィス 改訂新版 (集英社文庫 ひ 2-2 広瀬正・小説全集 2)
広瀬 正
集英社
売り上げランキング: 34715


Esquire (エスクァイア) 日本版 2008年 10月号 [雑誌]

エスクァイア マガジン ジャパン

『これからを面白くしそうな31人に会いに行った。』

以前、インタビューをお受けしたTOKYO SOURCEの出版記念パーティ@CLASKAに行ってきました。CLASKAは体制が変わってからは初めて。建築や共有部のインテリアはほぼそのままにも関わらずオペレーションが替わっただけで随分印象が変わるものですね。

『これからを面白くしそうな31人に会いに行った。』に登場しているみなさんへのインタビューをやっていましたが、それがあとがきトークという感じで面白かったです(米田さんは大変そうだったけど)。TOKYO SOURCE編集長の近藤ヒデノリさんにもやっとお会いできましたし、新野圭二郎くんや伊藤剛くんら本当に久しぶりの面々にも会えて嬉しかった。

会場で本を販売していたので僕も購入して帰りました。こういうのはやっぱり2号、3号と続いていかないとね。ささやかではありますが応援したいと思います。

これからを面白くしそうな31人に会いに行った。
近藤 ヒデノリ 米田智彦 サトコ(TOKYO SOURCE)
ピエブックス
売り上げランキング: 8180

ライトノベル的 VS ケータイ小説的

ジュンク堂書店新宿店で開催されたトークセッション 東浩紀×速水健朗「ライトノベル的 vs ケータイ小説的」に行ってきました。速水氏の『ケータイ小説的。〜“再ヤンキー化”時代の少女たち』の刊行記念。

「政治の重層性・遍在性」についてや世の中に蔓延る言説の粗雑さへの苛立ちなど、東さんが様々な地点で繰り返している話から展開していきましたが、それらは一見関係がないように見えるこの日のタイトルに繋がっていくというお話。そして、ショッピングモールも同じく。二人ともショッピングモールマニアで、特に速水氏は業界紙(「SC JAPAN TODAY」かな?はっきり見えませんでした)を購読しているらしい。「世界共通のインフラとしてのショッピングモール」→プチブルの連帯(グローバル市民)→そしてマルチ・チュードへ、という話はもっと聞きたかったです。

今日も話に出てきた東さんと桜坂さんによるギートステイトの書籍化が実現したら2045年を舞台にしたギートステイトに登場するショッピングモールをデザインするという企画案があって個人的に相当盛り上がっていたのですが、プロジェクトそのものが休止したために残念ながら実現しませんでした。でもギートステイトで小説というフォーマットで実践していた手法を建築・空間デザインに部分的にでも取り入れてやってみたいという話は東さんにも繰り返ししていて、今日の話を聞いてその思いがまた高まりました。

ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち
速水健朗
原書房
売り上げランキング: 2459


リアルのゆくえ──おたく オタクはどう生きるか (講談社現代新書 1957)
東 浩紀 大塚 英志
講談社
売り上げランキング: 422

Better Humans?

9月11日に行なわれるライブのリハーサル&現調のために永福町のsonoriumへ。青木淳(意匠設計)+永田音響設計による真っ白な音のためだけの小さな空間。当日はこの空間が様々なもので満たされることになるでしょう。

人間(ヒト)の境界に関する本をいくつかパラパラと読んでいます。

サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ
瀬名 秀明 山田 正紀 堀 晃 円城 塔 飛 浩隆
エヌティティ出版
売り上げランキング: 9858



人間の境界はどこにあるのだろう?
フェリペ・フェルナンデス・アルメスト
岩波書店
売り上げランキング: 34533


『エンハンスメント論争』の第1部は『Better Humans?』の翻訳で、エンハンスメント(増進的介入・能力増強)に関して様々な立場の意見が収められていて面白い。境界を巡る時、差異に感心が集まりがちですが重なりの方にこそ肝心なことが隠されていることが多いと思います。

LEGGO 本のある生活@国立国会図書館

久々にVAGANCE/LEGGO 本のある生活の対談がありました。今回のお相手は国立国会図書館(NDL)の長尾真館長。ご多忙な中お時間を作っていただきました。

いつものLEGGOですと雑談の延長のような感じなのですが、今日は一時間という限られた時間だったので対談というよりも僕がお伺いしたかったことをどんどん聞いていく感じで進めました。話しは想像以上に盛り上がりあっという間に時間がきてしまいました。途中長尾館長の驚くべき発言もあり僕は激しく感動してしまったのですが、その部分はカットされるかも。長尾館長はやはり言語と経験の人でした。

対談終了後NDL内の通常は入れないような場所で長尾館長と共に撮影。

さらには貴重な本が保存されている書庫(みなさん「檻」と呼んでいました)も案内していただき、様々な稀少本を見せていただいたり

帝国図書館時代の発禁本の棚等も見せていただきました。今やベストセラー蟹工船の改造文庫版も発禁本の中にありました。

長尾館長は次の予定があり撮影終了時にお別れしましたが、その後もしばらく僕たちはNDLの最深部まで潜って探索。ここを本気で探索しようと思ったら10年くらい出て来れないのではないでしょうか。本当に楽しかったー。長尾館長、NDLのみなさんそしてVAGANCEのみなさん、本当にありがとうございました。

そして僕はNDLを題材に本(テキスト)と空間に関する本を創ろうと心に決めたのでした。

Letters from Wittgenstein

先日BACHの幅さんのオフィスに行ったら『Letters from Wittgenstein, Abridged in Ghent./Joseph Kosuth』が置いてありました。僕が持っている本の中でも最も美しく、とても大切にしている一冊です。彼はJoseph Kosuthでアートに目覚めたのだそうです。

幅さんのところにはさずが普通の本だけではなく作品同様に切断して並べられたダミアンハーストの本もあったりしてもっとゆっくり観察したかったのですが、そんな時間はありませんでした。

I Want To Spend The Rest Of My Life Everywhere, With Everyone, One To One, Always, Forever, Now
Damien Hirst
Booth-Clibborn Editions
売り上げランキング: 4529

ゼロ年代の想像力

7月から毎週定例を重ねているparklife(仮)プロジェクトのプレゼンがありました。視えていなかったことがクリアになりよかったのですが、一方ではコミュニケーションの困難さを改めて痛感しました。プロジェクトのプロセスは誤配のあるコミュニケーションの連続です。それぞれが持っている価値観の挿入や強化だけでは創ることはできない。差異と変化に対しての敏感さは重要です。

宇野常寛氏の『ゼロ年代の想像力』は現在進行形の文化批評としてとても面白かったのですが、その中で今の僕が最も共感した部分ががこの一文でした。

“圧倒的な速度で展開する変化を正確に把握することこそが、むしろ普遍の構造を露出させるー”

この本は宇野氏本人が言うように「東(浩紀)氏に対する批判書」という位置づけのようですが、僕には批判というより東さんの膨大な仕事の一部を引用することで成り立っている書と読めました。もちろんそれ自体は手法なのでいいとか悪いというものではありません。宇野氏はその手法を上手く使うことでこの本を刺激的なものにしています。

ゼロ年代の想像力
ゼロ年代の想像力
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宇野常寛
早川書房
売り上げランキング: 1119

われらが歌う時

今はとても忙しいので手を出さないように抑えていたのですが、たまらず買ってしまった...。上下巻で1000ページ超なんてまずいよなあ。他にも現在進行形で読んでいる本がいくつかあるのになあ。それにしても忙しい時ほど読みたい欲求が高まるのはなぜだろう。

われらが歌う時 上 (1)
われらが歌う時 上 (1)
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リチャード・パワーズ
新潮社
売り上げランキング: 10458
われらが歌う時 下 (3)
われらが歌う時 下 (3)
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リチャード・パワーズ
新潮社
売り上げランキング: 14145

まだ冒頭だけだけど引き込まれます。囚人のジレンマより入りやすい。この先長いからどうなるか分かりませんが。

青山ブックセンターがブックオフ傘下になる?

出版界の専門誌新文化に「日本洋書販売が破産手続き開始の申立て、洋販ブックサービスはブックオフ支援で民事再生へ」というニュースが。それによると「民事再生にあたっては現在、ブックオフコーポレーションがスポンサーとして支援する意向を示しているという」とのこと。つまり現在洋販ブックサービスが運営する青山ブックセンター(ABC)や流水書房がブックオフの傘下になるかもしれないということです。

青山ブックセンターの母体の経営破綻により洋販ブックサービスに運営が変わったのもつい最近だったような気がしますが、その後の青山ブックセンターの変わらなさを考えるとこの結果はある意味では仕方のない結果なのかもしれません。保守的感情ー文化論を全面的に否定はしませんがそれがメインエネルギーとなってしまっては続けていくことは無理だと思う。

今後がどうなるかはまだ分かりませんが、これを機に新刊本と古本が自然に並ぶ書店ができることを希望します。

変化

intoxicateのレクチャーイベント高谷史郎×渋谷慶一郎トークショーに行ってきました。intoxicateとはタワーレコードのフリーマガジンです。

DVDの解説的なお話は少々退屈でしたが、途中から二人が話し始めて変化についての話しになった時はなかなか緊張感ありました。力学系の時間構造からは外れて見える変化ー。もっと時間があればよかったですね。その後の高谷さんの映像と渋谷くんのピアノによるコラボレーションも高谷さんの映像がちょっと意外で面白かったです。この模様はcommmonstubeでアップされるそうです。(commmonsスタッフのまいにち日記

終了後、文化放送近くの中華料理屋他での打上げに参加。『No Country for Old Men』の話で盛り上がる。映画もよかったけど原作はもっとすごかった。

No Country for Old Men (Vintage International)
Cormac McCarthy
Vintage Books
売り上げランキング: 22330


血と暴力の国 (扶桑社ミステリー マ 27-1)
コーマック・マッカーシー
扶桑社
売り上げランキング: 8632


『ファントム、クォンタム』と『ゼロ年代の想像力』

毎日暑いですね。暑いのも大変ですが、それ以上にきついのはエアコンでギンギンに冷えた室内の寒さ。そんな空間に長くいると芯まで冷えきってしまって外に出てからもしばらく寒さが残ったりします。エアコンの状態にそのお店や企業の知性&感性が表れると思う。温度は30℃を悠に超え湿度は80〜90%にもなる中でスーツやジャケットを着なければならない理由なんてないよねえ(一部の例外はあるかもしれませんが)。汗だくで自身も周囲も不快になりながらも我慢して上着を着て、半袖やシャツ一枚でいる正常な感覚を持った人間たちが凍えるくらいにエアコンで人工的に室温を下げるってやはり常軌を逸しています。エコとか省エネの前に本当に寒いんだって。

東浩紀さんの『ファントム、クォンタムー第二回ー』(新潮 2008年8月号)を読む。面白くなってきました。東さんはこの小説で宇野常寛氏への返答もしているのかもしれない。


ゼロ年代の想像力
ゼロ年代の想像力
posted with amazlet at 08.07.25
宇野常寛
早川書房
売り上げランキング: 386

2008東京国際ブックフェア

毎年恒例になっている東京国際ブックフェアに今年も行ってきました。ストッパー機能がなくなったため思わず大人買い。土曜日に行って段ボール一杯分。日曜日にまた行ってさらに一袋分、って仕入れですかこれ。ばかだ...。

購入した本たち(一部)

ミトコンドリアが進化を決めた
ニック・レーン
みすず書房
売り上げランキング: 3326

環境のオントロジー

自由の条件I ハイエク全集

主観的、間主観的、客観的

反事実的条件法

自己欺瞞と自己犠牲

脳科学と倫理と法―神経倫理学入門

記憶の書

限りなき夏

エッフェル塔試論

他...

ストッパーは必要ですねえ。

グーテンベルクからGoogleまで

港千尋さんと共に板橋本町の内外文字印刷さんへ。東京でも稀少な活版印刷をやっているところです。

活字がぎっしりと、そして機能的な配列で並んでいる。

母型から実際に活字を作るところも見せてもらいました。

マテリアルとしての文字ー港さんの本『文字の母たち』をきっかけに活字を空間に使いたいと思い相談したところ、ここを紹介していただくことになりました。そして来て実際に触れて製作工程も見せてもらい内外文字印刷の小林さんや港さんと話すことでどう実装するかが決まりました。グーテンベルクからGoogleまで。検索は未来の記憶ですね。

文字の母たち Le Voyage Typographique
港 千尋
インスクリプト
売り上げランキング: 226950

磯崎新の「都庁」

一週間も遅れていた原稿の直しをようやく終えて送りました。ちょっとバタバタしていたのでなかなか手をつけられなかったのです。といいつつもEURO2008は毎夜(〜朝方)見続けていますねえ。すみません、すみません....。それにしてもオランダが調子のいい大会は絶対に面白くなります。ポルトガル、クロアチアを加えて三強というところでしょうか。

先日の丹下健三繋がりでこれを購入。いずれも絶滅していくであろう建築家の姿。今の磯崎さんは孤独でしょうね。

磯崎新の「都庁」<br>―戦後日本最大のコンペ
平松 剛
文藝春秋
売り上げランキング: 407

映像、その先の未来へ

遅れましたがDVJ 035 特集:DESIGNING NEXT VISUAL CULTURE「映像、その先の未来へ」が6月初に発売されました。

編集長石川氏との対談「環境の中の映像、マテリアルの映像」が掲載されています。他には本広克行氏、児玉裕一氏、下水流正雄氏、ノデラユウジ氏らが登場しています。「科学館作りたい」という児玉裕一さんとは気が合いそうですw閃光少女の映像は大好きですし。

コミュニケーションの未来

Inter Communication No.65 最終号を購入。No.0 創刊号の特集が「コミュニケーションの現在」でNo.65 最終号の特集が「コミュニケーションの未来」。僕は創刊号から始まって全てとはいきませんがかなりのナンバーを購入してきました。初期の正方形に近い判型の頃は発行を楽しみにしていてテキストもすみずみまで読みつくす数少ない雑誌でしたが(ヴィリリオのテキストに初めて触れて畏怖と興奮を感じたのもこの雑誌でした)、後半は惰性で買っているところもありテキストも一部しか読まないということもありました。

最終号に「雑誌メディアとしての役割を終えた」と書いてありますが、「メディアとしての役割」という点に関して冷静に考えればこの雑誌はインターネットが普及した頃には既に役割が終わっていたのかもしれません。最終号のテキストを読むついでにNo.0 創刊号やNo.1 も引っぱり出してパラパラ読んでみましたが、こっちの方が「コミュニケーションの未来」ですねー断然。最終号巻末の総目次のデザインなんてもうまさに「終わってよし」という感じ。

一緒に表象という雑誌も購入。カトリーヌ・マラブーへのインタビュー「可塑性のポストヒューマンな未来──再生医療から死の欲動へ」の中で先日話しが出たアンディ・クラーク Andy ClarkのNatural-Born Cyborgsについて言及されていたので。これは表象文化論学会の学会誌ということですが、インコミや10+1と入れ替わるように出てきたいくつかの雑誌(紙)メディアの今後の動向も気になるところです。

Inter Communication 2008年 07月号

エヌ・ティ・ティ出版


表象 2 (2)
表象 2 (2)
posted with amazlet at 08.06.02

表象文化論学会
売り上げランキング: 192806

UTCP書評会『動きが生命をつくる』

今日は時間が作れたのでUTCP書評会『動きが生命をつくる』に行ってきました。このイベントは科学哲学の村田純一教授らによる企てで参加者の多くは学生だったのでみなさんとてもまじめで、ほぼ全員が付箋や赤線のいっぱい入った池上さんの本を持参してきていました。手ぶらで来ていたのは渋谷慶一郎くんと僕くらいw

池上さんが「個体と環境」の話しをされたのでちょっとツッコミを入れてしまいました。もちろん池上さんが既にあの本の中でもそしてその後も「個体と環境」では捉えられない「生命(と名指しできないものかもしれません)」に迫っているのは分かってはいるのですが、それでもやはり自然に「個体と環境」という言葉が出てきたので。決していじわるをしたのではありません。

終了後、このイベントに来ていた佐藤竜平さんに声をかけられびっくり。佐藤さんは桑沢デザイン研究所(僕の母校です)でディレクターをしながら自身もアーティストとして活動されています。元々は僕の後輩が佐藤さんの彼女(現在は奥さま)ということで十数年前に知り合ったのですが今日は本当に久しぶりでした。僕のブログ→渋谷くんのブログという経緯でこのイベントを知って来たとのことでした。

それから学内にあるフレンチレストランルヴェソンヴェールでの打ち上げに参加。東大の中にこんなところがあるのを知りませんでした。UTCPではこの先もいろいろ企みがあるようで、3月(だっけな?)にはアルヴァ・ノエ Alva Noëやアンディ・クラーク Andy Clarkらをよぶ予定もあるそうでとても楽しみですね。下記2冊の早くの翻訳を希望します。

Action in Perception (Representations and Mind)
Alva N÷e
Mit Pr
売り上げランキング: 54217


Natural-Born Cyborgs: <br>Minds, Technologies, and the Future of Human Intelligence
Andy Clark
Oxford Univ Pr (T)
売り上げランキング: 4700

生命とは何か

某書店のプロジェクトに取り組んでいるために通常以上に書店へ行く頻度が上がっている。で、行くとついつい何かしら買ってしまうんですよね。こういう時は特に文庫や新書が多くなります。

今日はいずれも岩波文庫から。

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫 青 946-1)
シュレーディンガー
岩波書店
売り上げランキング: 205


アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫)
トクヴィル 松本 礼二
岩波書店
売り上げランキング: 35659

シュレーディンガーは何年も前に古本屋で手に入れてかなり年季の入った岩波新書版を持っていますが、好きな本が文庫化してしまうとついまた買ってしまうなあ。

No Country for Old Men

レイトショーでノーカントリー No Country for Old Menを観ました。

時々ハズレのあるコーエン兄弟ですがこれはよかった。乾き方がいつも以上に徹底している。乾いた流れの中で際立つ「純粋悪」アントン・シガー役のハビエル・バルデムが夜になるまえに(全くタイプは違いますがあれもいい映画だった)でレイナルド・アレナスを演じたあのハビエル・バルデムだというのは見ていて全く気づかなかった。なかなか凄みのある俳優さんになっているなあ。

原作があると知ってすぐに購入。冒頭を読んだだけですがこれもめっちゃ乾いている。この上ないマッチングだったというわけですね。

血と暴力の国 (扶桑社ミステリー マ 27-1)
コーマック・マッカーシー
扶桑社
売り上げランキング: 1205

終わって帰る時にLOTTERIAやinmercantoで一緒に仕事しているアートディレクターの青木康子さんとばったり会ってびっくり。

girlと少女

プレミアリーグ最終戦は盛り上がりませんでした。ウィガンやる気なさ過ぎ&ボルトンやる気あり過ぎ。チャンピオンズリーグ決勝という最高の舞台での直接対決に期待しましょう。

girlと少女を読む。

GUNSLINGER GIRL 8
GUNSLINGER GIRL 8
posted with amazlet at 08.05.12
相田 裕
角川(メディアワークス)


登場するgirl/少女のキャラクターも設定もストーリーも全く違う2作品ですがいずれも面白いです。

girlといえばshimaというヘアサロンが出していた『girls』というヴィジュアルマガジンに2002年からずっとミニコラムを書いていたのですが、この5月で休刊ということになりました。おそらく『10+1』や『Inter Communication』のようにブログで感慨深く書かれるようなこともないでしょうから、せめてここで粛々と記しておきます。

サイエンスライブラリー

先日書いた通り4/1にLOTTERIA@日本科学未来館がオープンしましたが、このプロジェクトでは企画&空間デザイン(サイエンス監修として池上高志さんも参加しています)に加えてライブラリーの編集セレクトもやらせていただきました。

全部で80冊程度だったのでジュンク堂で直接手に取りながら半日近くかけて選んだのですが、これは至福でした。あれこれ悩んだ末、結局選んだものはほとんどが自分で読んで面白かったものになってしまった。LOTTERIAや未来館の客層を考えて子供向けの本も一部入れていますが、面白さが抜かれてしまった自称入門書やすぐに役立ちますよ系はありません。そのリストはこちら。(実際のライブラリーにはこのリスト以外のものも多少あります)
サイエンスライブラリー@LOTTERIA日本科学未来館店

1000冊、2000冊とかになってしまうと今回のようなわけにはいかないでしょうが、ライブラリーの造作だけではなく中身=本も環境として創っていくというのは今後もぜひやっていきたいですね。そして直接は繋がらないあちらこちらのライブラリーをネットワーク上で繋げていくーという企みに発展させていく予定です。

エドワード・ローレンツ

少し前になりますが気象学者のエドワード・ローレンツが亡くなりました。
「おくやみ:エドワード・ローレンツ氏」

池上高志さんとその話しをした時に「『ローレンツ カオスのエッセンス』には全てが書かれている。あれ以降カオスについてたくさんの本が出たけどあれを超えるものはいまだにないよ。」と感慨深げに言っていました。

ローレンツ自身によるその本を僕は読んでいなかったので購入して読み始めています。まさにエッセンスであり全てーとまで僕には言い切ることはできませんが、もっと早くこの本を読んでおけばよかった。その美しい蝶のような形から「バタフライ効果」という言葉の起源かもしれない(実はローレンツ自身もはっきりしないと書いている)ローレンツ・アトラクタについては軌道を見た方が早いので、こちらのflashでもどうぞ。
Lorenz Attractor

ローレンツ カオスのエッセンス
E.N. ローレンツ
共立出版
売り上げランキング: 246860

世界の貝の博物館@江ノ島

予定していた通り貝を探しに江ノ島へ。橋を渡ってちょろちょろと貝を置いているお土産屋をのぞきつつ歩いていくとここにたどり着きました。ー頂上付近で。

ここは世界の貝の博物館 貝広物産店という約4,500種もの世界中の貝を展示&販売しているお店(博物館?)です。店主のお話も交えて2時間くらい探索しましたが、さすがにパターンのきれいなものは高くて買えず、手頃なものからよさそうなものを3つ程購入しました。

左からツボイモガイ、テンジクイモガイ、タガヤサンミナシガイです。ロッテリア@科学未来館のマテリアルとして使うのですがどう使うのかはお楽しみ。(現物を壁に埋め込んだりはしませんw)

江ノ島は風が冷たくとても寒かった。そして帰りの橋の上で久しぶりに「湘爆」を見ましたよ。新江ノ島水族館は時間がなくて今回は行けませんでした。

行き帰りの読書はこれ。

いつか僕もアリの巣に
大河原 恭祐
ポプラ社 (2008/02)
売り上げランキング: 25434

テキストもビジュアルもアリだらけ!で面白かった。とてもいい本ですね。

イムリ

新規のプロジェクトの現調&打合せのために南浦和へ。サッカー好きのくせに浦和には来たことがありませんでした。じっくり現場を観察して、施主のお話に耳を傾けて、元祖とうふアイス(発祥のお店!)を食べて帰る。

mattに戻って複数のプロジェクトのプランニング。ひたすらプランニング。

夜眠れないのでまたマンガ読み。ファンタジー嫌いの僕ですがこれは面白い!

イムリ
イムリ
posted with amazlet on 08.02.27
三宅 乱丈
エンターブレイン (2007/07/25)

ペット以来でしたが三宅乱丈やっぱり面白い。
最近あまり眠れないけどその短い間に僕もよく夢を見ます。イムリの予知夢!?

シグルイ 10/BIOMEGA 4

最近読んだ新刊マンガ。

シグルイ 10<br>(チャンピオンREDコミックス)
南條 範夫 山口 貴由
秋田書店 (2008/02/20)

この激しい密度に慣れてしまったかも。一様なものはどうしても飽きてしまいます。それでも充分面白いけどね。

こっちも濃いけど抜きとのバランスが絶妙に思われる。まだ4巻ということもあるけど。

BIOMEGA 4<br>(ヤングジャンプコミックス)
弐瓶 勉
集英社 (2008/02/19)

おもしろくなってきたきましたー。これがSFが読みたい!に入らないのはなぜだろう?(サブジャンルでは入っているかもしれません)

Darwin Day

今日2月12日はダーウィン・デー Darwin Dayだそうです。

Darwin Day Celebration

で、最近ちびちび読んでいる進化論関係(進化心理学)の本。

うそつきの進化論<br>―無意識にだまそうとする心
デイヴィッド・リヴィングストン スミス
三宅 真砂子
日本放送出版協会 (2006/08)
売り上げランキング: 212193
人はなぜレイプするのか<br>―進化生物学が解き明かす
ランディ・ソーンヒル クレイグ・パーマー
望月 弘子
青灯社 (2006/07)
売り上げランキング: 255239


いずれもインパクトのある(特に後者はセンセーショナルな)タイトルでありながら中身は非常に慎重な叙述でとても興味深い内容です。進化心理学全般の勉強になる。人間工学は進化からーですね。

Darwin Day

今日2月12日はダーウィン・デー Darwin Dayだそうです。

Darwin Day Celebration

で、最近ちびちび読んでいる進化論関係(進化心理学)の本。

うそつきの進化論<br>―無意識にだまそうとする心
デイヴィッド・リヴィングストン スミス
三宅 真砂子
日本放送出版協会 (2006/08)
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人はなぜレイプするのか<br>―進化生物学が解き明かす
ランディ・ソーンヒル クレイグ・パーマー
望月 弘子
青灯社 (2006/07)
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いずれもインパクトのある(特に後者はセンセーショナルな)タイトルでありながら中身は非常に慎重な叙述でとても興味深い内容です。進化心理学全般の勉強になる。人間工学は進化からーですね。

ベストSF2007国内篇

新規でもう一つファッションの仕事をやることになりました。トランジットの渡辺けいしくんの紹介。今度は店舗ではなくショーかもしくはそれに変わるもの。業界全般が保守化していきそれが全体を覆うようになるとやはりそこから逸脱するものが出てくるものですね。いつもながら諸条件は厳しいですがw楽しみです。

毎年恒例のSFが読みたい! 2008年版が出ました。ベストSF2007国内篇は第1位が伊藤計劃さんの『虐殺器官』で第2位が円城塔さんの『Self-Reference ENGINE』。僕の中ではこの順位は逆でした。でもこの二つの作品が1、2フィニッシュだというのは同意。

虐殺器官
虐殺器官
posted with amazlet on 08.02.09
伊藤 計劃
早川書房 (2007/06)
売り上げランキング: 11619


Self-Reference ENGINE
Self-Reference ENGINE
posted with amazlet on 08.02.09
円城 塔
早川書房 (2007/05)
売り上げランキング: 28735

ブックデザイナー祖父江慎

情熱大陸で祖父江慎さんが出ているのを見ました。

かなりの奇天烈。ルックスも赤塚不二夫に似ている。で、おもしろい。やっぱり「前提」を持っていないから。夏目漱石の『坊っちゃん』のあらゆるヴァージョンを集めているという棚はぜひ直に見たい、触りたい。

ブックデザインをする際に本の内容から考えるというのが当たり前ではないことは最近知りましたが、祖父江さんは当たり前にそれをやっています。

↓このあたり手に取るとなかなか。

新耳袋―現代百物語〈第10夜〉
木原 浩勝 中山 市朗
メディアファクトリー (2005/06/17)
売り上げランキング: 32174


ユージニア
ユージニア
posted with amazlet on 08.02.04
恩田 陸
角川書店 (2005/02/03)
売り上げランキング: 58450

Boy's Surface

円城塔氏の新作が届く。前作のイエローに続いて今度はピンク。signのピンクに近しい色でとてもきれい。

Boy’s Surface
Boy’s Surface
posted with amazlet on 08.01.30
円城 塔
早川書房 (2008/01)
売り上げランキング: 5283

「数理学的純愛小説集」と謳っていますが、数理思考・概念が題材ではなく環境化した円城さんの描く世界が楽しみです。

葉巻。ソットサス。

cafegrooveLa Casa del Habano OMOTESANDOオープニングへ行きました。

LA CASA DEL HABANOはキューバ共和国首都ハバナに本拠地を置くキューバ葉巻専売公社Habanos s.a.が世界的にチェーン展開しているキューバ葉巻専門店だそうで、今回cafegrooveさんがフランチャイズショップの表参道店をオープンしました。シガーの煙と香りが漂う中、富田さんと次のd-labo読書部や「LEGGO 本のある生活」の展開について話す。

それから渋谷に向かいSHIBUYA PUBLISHING & BOOK SELLERSのオープンハウスへ。

とてもユニークな編集型の本屋さん。書棚が1940年代〜2000年代まで年代別で構成されていて、それぞれその年代につくられた棚に納められています。(例えば70年代の本棚はソットサスとか)ディレクションがBACHの幅允孝氏で設計がNAPの中村拓志氏。渋谷からはどんどん本屋さんがなくなっていますが、こういう特色のある本屋さんには頑張ってほしいですね。

中村拓志さんには近いうちに「LEGGO 本のある生活」に出てもらうことになりそうです。乞うご期待。

草思社ベスト10

株式会社草思社(出版社 東京都渋谷区)民事再生法の適用を申請

先日の新風舎の件は「当然」のニュースでしたが、草思社は面白い本も出し続けていただけにちょっと驚きました。出版社は文庫や新書までカバーできる体力があるか、単に売れる本・面白い本を出すだけでなく新しい出版環境を自ら創っていけるようなところしかもう残れないかもしれません。草思社は支援を名乗り出ている企業もあるようなので、エールを込めて極私的草思社ベスト10を。(順位はありません)

銃・病原菌・鉄 (上)& (下)

文明崩壊 (上)& (下)

セックスはなぜ楽しいか (サイエンス・マスターズ)

思考する機械コンピュータ (サイエンス・マスターズ)

自然の中に隠された数学 (サイエンス・マスターズ)

量子宇宙への3つの道 (サイエンス・マスターズ)

遺伝子の川 (サイエンス・マスターズ)

複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線

生命40億年全史

眼の誕生<br>―カンブリア紀大進化の謎を解く
アンドリュー・パーカー 渡辺 政隆 今西 康子
草思社 (2006/02/23)
売り上げランキング: 2167

初読み

明けましておめでとうございます。3日から久しぶりに帰省しますが、それ以外は正月らしいことは特に何もないのでゆっくり読書を。テーブルに積まれた本の中からまず手がのびたのはこの2冊でした。

情報環境論集<br>―東浩紀コレクションS
東 浩紀
講談社 (2007/08/02)
売り上げランキング: 60990


宇宙を復号する<br>―量子情報理論が解読する、<br>宇宙という驚くべき暗号
チャールズ・サイフェ 林 大
早川書房 (2007/09/21)
売り上げランキング: 21523

それから別エントリーでアップしていなかったプロジェクトをいくつかアップする予定です。

ザ・ワールド・イズ・マイン

昨夜やるはずで今日に延びた打合せのために新宿御苑へ。フルーツの話し。フルーツ大好き、フルーツ使ったスイーツも大好きなので楽しいプロジェクトになりそうです。

何だかもう街の人影は少なくなっていますね。空気がいつもより静か。

わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるで知ってこれを読んでいます。

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン
新井 英樹
エンターブレイン (2006/08/31)

ボリュームも毒も超スゴ級!凄まじいマンガです。

Amazon Kindle

しばらく前のニュースですがKindle出ました。

Amazon Kindle登場!―本格的な出版のオープン化が始まった

記事にもあるように電子書籍リーダーは今までもいくつかありましたが、Kindleは単なる端末ではなく端末、通信回線、販売、課金という流れを環境として提供したという部分には大きな違いがありますし(特に既存のamazonのアカウントで利用できるという連続性は大きい)、これによってようやく電子書籍リーダーが本を読むスタイルの一つとして認知されていくと思われます。

ただ情報で見る限りは、端末、通信回線、販売、課金という流れの中で本来は最も重要である読むという体験自体がプロダクトとしても環境としてもあまり追求されていないように感じる。これは実際触って使って確かめてみたいところです。好きか嫌いかは別にしてケータイ小説がこれだけ勢いを持っているというのは、上記の流れの中にケータイという延長された表現型デバイスによって読むという体験が組み込まれ、そのスタイルを持ったユーザーに適合したコンテンツが循環(書く/読む)されているということです。Kindleがプロダクトとしてまたは環境としてケータイとは違う読むという体験をもたらすことができるのかー日本版の登場を待ちたいと思います。出版事情を考えるとなかなか壁は厚そうですが、まずは今までの電子書籍リーダーを圧倒するタイトル数が必要ですね。

エクス・ポ/ex-po

先日の『ベクトルズ』に続いてエクス・ポ/ex-poが届く。確かに「濃縮」!

音と文明

午前中park lifeの素材サンプルの確認等をした後、先日のヒマナイヌの望年会で知り合ったspiceboxの林智彦さんと青家でランチ。初対面の時には最後にあいさつを交わした程度だったのですが、その後メールのやり取りをしたらお互いが近所だということが発覚。で、やはり近所の青家でランチでもということになりました。

林さんはコミュニケーションにフォーカスしたwebを中心とした環境を創りながら、スパイスボックスラボナイトの主催等もやられています。web空間からコミュニケーションを通して実空間を考えるという、僕とプロセスは逆ですが意識はかなり近しいところにあると思いました。こういう楽しい話しを創ることに繋げていこう。

その後は戻って今日もプラン、プラン、プラン、プラン!

ネットの古本屋で見つけて購入した本が届いたのですが、その帯に昨日お会いした長尾真氏の推薦文が!(画像に帯は写っていません)

音と文明<br>―音の環境学ことはじめ ―
大橋 力
岩波書店 (2003/10/28)
売り上げランキング: 33818

東京タワーと通天閣

金曜日に続いてd-log.009「そのままの西加奈子」が開催されました。ゲストは作家の西加奈子さん。実は全く作品を読んだことがなかったのですが(すみません>西さん)、タイトル通りにそのままの本音トークで面白かったです。「リリーさんの東京タワーが売れたから通天閣もいける!と思ったけどアカンかった」とか。

いつもより人数も少なめでしたが、彼女のキャラクターにはそれが合っていて参加者も交えた相互的で距離の近いコミュニケーションになっていました。ゲストによってはこういうd-log.もありですね。

最近彼女の代表作が文庫化されたようなので読んでみよう。

さくら
さくら
posted with amazlet on 07.12.18
西 加奈子
小学館 (2007/12/04)
売り上げランキング: 16217

書物の不在 & オン・ザ・ロード

朝から五反田の某現場へ。現段階はいわゆるA工事(建築工事のことです)が進行中。間もなく現場が本格的にスタートします。

それからmattはこれから環境改造に取りかかります。本当は一気に引っ越ししたかったのですが、結局契約更新したので。

同時に購入して届いた本がどちらも美しい。

書物の不在
書物の不在
posted with amazlet on 07.12.11
モーリス・ブランショ 中山 元
月曜社 (2007/09)
売り上げランキング: 97735


オン・ザ・ロード
オン・ザ・ロード
posted with amazlet on 07.12.11
ジャック・ケルアック 青山南
河出書房新社 (2007/11/09)
売り上げランキング: 1407

ブランショは残念ながら画像ありませんが、カバーも中身も全面マットな朱赤に黒文字で帯はなし(ほとんどの帯って無駄ですよね)。さすが月曜社です。ケルアックの新訳は全面ブルーでこれもまた美しい。帯を外した方が圧倒的にいい。僕はたいてい帯は外します。「LEGGO 本のある生活」のFlying Books山路和広さんとの回で話したように二十代前半では挫折したのですが今回の新訳でもう一度読んでみようと思います。

事的世界観

日曜日の朝早くからpark lifeプロジェクトの打合せ。一般の方のマンションのリフォームなのでこういう時間に打合せになることもあります。今日は最終内容の確認。賃貸のマンションでどこまでのリフォームが可能かというチャレンジでしたが、当初は理解を示していた大家さんもこの段階に来て慎重になり、まず第一期としては縮小版で実装しそれでできたものを見てもらってから次の段階へ進めることに。単に「おしゃれな照明や家具を置く」とか「カーテンやラグをコーディネイトする」だけではなく、賃貸マンションでも「選択できる空間」や「ゲームのような空間」を実装できる手法をもっと創ろうと思う。

なぜか廣松渉の「事的世界観」が「選択空間」や「ゲーム空間」を考えることに繋がる。というわけで

哲学入門一歩前―モノからコトへ (講談社現代新書)
廣松 渉
講談社 (1988/09)
売り上げランキング: 202532
もの・こと・ことば (ちくま学芸文庫 ヒ 2-2)
廣松 渉
筑摩書房 (2007/01)
売り上げランキング: 9132

を読んでみたりしています。

「大竹伸朗 全景 1955-2006」来た!

ついに「大竹伸朗 全景 1955-2006」展覧会図録が届きました。

度重なる刊行延期を乗り越えて一年越しでの到着。東京都現代美術館MOTでの展覧会も観て、さらにこの重さおよそ6kgの超ヘビー級の中身も見たら納得、というかよくぞ創ったと思う。あの展覧会を本で表現するとなるとこれ以下ではできないでしょう。もう狂気のような構造物。凶器にもなるし。これは本当に予約しておいてよかった。

同じものはもちろん創れないけれど、本を作る意欲が増しました。


世界がライブラリーに!?

突然Oさんに呼ばれてd-laboへ。状況は全く分かりませんでしたがとにかく来てほしいということだったので行ってみると、なぜかd-laboにたくさんの人が。専門図書館協議会のセミナーの一環で集まられたとのことでした。

その中にd-labo読書部に参加された方もいて「こんにちは」などと挨拶をしようとしたらいきなりこの中でd-laboやライブラリーについて何か話してくださいとドッキリのような展開にー。d-laboのOさんとYさんに嵌められました。何だかみなさんが僕を取り囲むように座られたので逃げるわけにもいかず、それから30分くらい「d-laboにおけるライブラリー」や「環境の変化とライブラリーの可能性」等について即興で話しました。いやー、みなさんには申し訳ないくらい要領を得ない話だったと思います。伝わったのは「ライブラリーを創ります!」ということくらいでしょうか。

その後何人かの方と直接お話をしたのですが、その中に国立国会図書館NDLカレントアウェアネス・ポータルという図書館に関する調査・研究サイトを運営されている方がいてびっくり。カレントアウェアネスは日本語では最速・最強の図書館リソースです。彼のすごく面白いというかぜひそうしてほしい構想の話を聞きましたが、NDLの内部でもいろいろ変えていこうと実践している人がいて希望が持てました。

戻ってから専門図書館協議会のサイトで知りましたが、BookCrossing日本語版がスタートしていたのですね。知らなかった。いよいよ世界がライブラリーになっていく!?

楽しみにしていたこれを買って帰る。

PLUTO 5―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (5) (ビッグコミックス)
浦沢 直樹 手塚 治虫
小学館 (2007/11/30)

ルサンチマン

朝一で五反田、夕方は霞ヶ関と新しいsignの打合せ。随分先の予定の霞ヶ関も設計デザインのスケジュールはかなり前倒しになったため並行して進んでいきます。これも改正建築基準法の影響です。

park lifeプロジェクトはようやく目処が立ち進みそう。ちょっとほっとしました。

先日のルネッサンス ジェネレーション '07で下條さんとタナカノリユキさんの話しに出てきたルサンチマン全四巻を一気読み。うーん、面白い。(2015年という微妙な)設定のいいかげんさも欲望のリアリティも大変楽しみました。無理矢理四巻にたたみ込まれた感じでちょっと残念です。


偽装だろう?

久しぶりに弟に会う。彼は長い間ファミ通で編集をしていて、今はフリーランスでゲームについて書いたり、ネットラジオのコンテンツを作ったりしています。僕はゲームはウイイレくらいしかやりませんが、アニメは好きなので時々弟におすすめを教えてもらったりしています。最近教えてもらったものではまったのは電脳コイル。あ、絵で決めつけないで。

移動中に本を持ち忘れて現代思想 2007年11月号 特集=偽装の時代を購入。

五十嵐太郎氏が、エイジングをしたり表層のみ古材を使って造られる結婚式教会(日本の各地で見られる)の存在自体がキリスト教信者からすると「イメージの偽装」という偽装建築であるーというようなことを書いていますが、そもそも多くの商空間等でやられているエイジングという手法が、偽装だろう?(「サブマリンのせい」by □□□ 風)

GOLDEN LOVE
GOLDEN LOVE
posted with amazlet on 07.11.22
□□□ HALCALI
エイベックス・エンタテインメント (2007/08/22)
売り上げランキング: 27992

Red crowned Asian champions

新しい二つのsignに関してトランジットさんと施工のプラス8さんと続けて打合せ。それに関わる煙のプロジェクトは実験を実験とみせない空間ープロダクト開発を目指していましたが、コマーシャルスペースプロジェクトのスパンではなかなか実験を取り込むのは難しいです。なので第二弾はシフトを変えて遊びに焦点を絞りたいと思います。

ユリイカ総特集=荒木飛呂彦読みましたが、荒木氏本人も出ている巻頭の徹底討議が酷い。金田淳子という人の腐女子ワールドに完全に支配されてしまって、その世界に興味のない人には全くとどかないつまらない話しで終始している。同席しているはずの斎藤環氏はほとんど出番なし。がっかり。瀬川光利氏の「Cell」の表紙の話しと吉田アミ氏の「ストーンオーシャン」の評論は面白かった。カバーも含めて巻頭討議以外はいい特集だと思います。

浦和がついにアジアチャンピオンに。
Red crowned Asian champions

これでFIFAクラブワールドカップが俄然楽しみになってきました。

ストローブ=ユイレのレゾネ

というわけで渋谷くんから極秘情報をもらって

http://www.atak.jp/diary/2007/11/05.html

僕もこれを買いました。ストローブ=ユイレのレゾネです。テキストは仏語なので読めませんが、さすがに作品から切り取られた写真は素晴らしい。メモやポートレートも収められていて極めて貴重な資料です。青山ブックセンターの店長恐るべし!

渋谷くんのブログにありますがストローブ=ユイレの全集がフランスで刊行され始めているようです。日本版が出るのを希望します。

最近渋谷レコメンにやられがちだなー。

鋼鉄の魂は走りつづける

前日遅くまで企画案を作っていた<未来>のプロジェクトは一転大ピンチかと思われましたが何とか凌いで可能性をつなげる。

午後から潮見の内田洋行へ。cafegrooveの富田さんに誘われて「ユビキタス・プレイスを実現する新システム『ALPLACE』の事前新製品発表会」に行ってきました。オフィス家具に限った話しではありませんが、旧来の企業がITとかユビキタスと言い出す場合は前提として今まで続けてきた自前のサービスや商品ありきで考えられているので単なる足し算的発想に陥りやすく、そこから面白いものは生まれにくいでしょう。一つオープンな開発プラットフォームでも創ればいいのに。

関係ありませんが、内田洋行は山田洋行と間違われて困っているようです。

恵比寿の有隣堂でこれを見て脊髄反射的に買ってしまいました。

週刊ジャンプ時代はほぼ欠かさず読んでいましたが、ウルトラジャンプに移ってからは雑誌では追っていないので、最初からコミックでまとめ読みしたいなー。集英社文庫コミック版の既刊分でも39巻!仕事できなくなってしまうよ。

知性改善論

煙のプロダクト1号&2号を考えたり、某プロジェクトのCG最終確認をしたり、六本木の廣澤さんのオフィスで長い打合せをしたり。今日は一日冷たい雨でしたね。

近所の古本屋で知性改善論を見つけて購入ー180円。これ読んだらエチカがもう少し理解できるかな。合わせてソクラテス以前の哲学者も購入。

復刊希望!

ジョン・ロックとスピノザは同級生なんだ。ふーん。情動ー身体について考える。

午後、高田馬場で岡本くんとCGの打合せ。岡本くんの自宅兼事務所は思いのほか広かったのですが足の踏み場はなかった。CGにしても模型にしても図面にしても創作としての設計ではないということーこれを本当に何とか更新しよう。

夕方はトランジット中村さんや木村さんらと霞ヶ関某所で打合せ。実験を実験としてみせないデザインを考える。

熱学思想の史的展開―熱とエントロピーが読みたい(池上さんの本でも名著として推薦されています)のですがアマゾンマーケットプレイスで¥42,000だって!!古本屋では随分前から探していますが見つかりません。読んでみたい方、ちょっとでも興味のある方はぜひ復刊ドットコムで復刊リクエスト投票してください。よろしくお願いします。

最近読んだ本 読書memo 011

前回から何と3ヶ月もあけてしまった読書memoです。もれや他エントリーとの重複もあるかもしれません。

神は妄想である―宗教との決別
リチャード・ドーキンス 垂水 雄二
早川書房 (2007/05)
売り上げランキング: 3420

キリスト教圏の欧米社会でこれを書くということはとても勇気がいる行為だったと思います。しかし、ドーキンスがこれを書かなければならない状況が世界を浸食しつつある。それにしてもこういう本を届けたい人へ届けるということは本当に難しい。

パタン・ランゲージ―環境設計の手引(クリストファー・アレグザンダー/鹿島出版会)

アレグザンダーをいくつか読んでいます。これは創造の手引きとして有効かと言えば疑問ですが、解析の資料としては非常に面白い。形の合成に関するノートが読みたいのですが入手不可な状態...。

非線形科学(蔵本由紀/集英社新書)

素晴らしい新書、素晴らしい入門書。どういう立場であれ自然について考える人は最低限これは読んだ方がいい。もちろん創る人も同様です。

心はプログラムできるか 人工生命で探る人類最後の謎(有田隆也/サイエンス・アイ新書)

生命か生命でないかという議論ではなく「半生命(by 池上高志)」という視点で考えるとまた新たな展開が生まれてくるのでは。

ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性(荻上チキ/ちくま新書)

いくつかのよく知られた事例を基にサイバーカスケードの構造について分かりやすく書かれています。コミュ二ケーション論の入門としても良書です。

自由とは何か―監視社会と「個人」の消滅(大屋雄裕/ちくま新書)

面白かったのですが、これで「自由な個人」を「信ずるに足るフィクションである」とは同意はできません。自由に関しては神経科学からの視点も繋げるともっと面白くなるのに。

「狂い」の構造(春日武彦、平山夢明/扶桑社新書)

「狂気」談義。ゲロで窒息死はいやだ。

構造主義(ジャン・ピアジェ/白水社文庫クセジュ)

構造主義はやはり数学の流れから入った方が分かりやすい。これも素晴らしい新書、素晴らしい入門書だと思います。

10+1 No.48(INAX出版)

今回の特集に関しては個人的に感じることがありましたがそれはまた別の機会に。

レッド 1 (1) (KCデラックス)
山本 直樹
講談社 (2007/09/21)

山本直樹が連合赤軍の話をこんなにクールに描くとは。(山本直樹は『創』という雑誌で元赤軍派へインタビューしたりしていたらしい)ナンバリングとか秀逸。続きが楽しみです。

WILLIAM WARREN/LOVABLE, alternative folk design展

WILLIAM WARREN/LOVABLE, alternative folk design展のレセプションで東雲のINFOMATIONへ行きました。ここは友人の佐伯仁くん(トリコインターナショナル代表)がやっているgallery and creator's agencyです。久しぶりにAIRCONDITIONEDのメンバーも揃う。最近は全体での活動はやっていませんが。

WILLIAM WARRENはミュージシャンの顔も持っていて今日は自身によって空間演出された会場で生ギターによるライブも。途中、二日後に誕生日をひかえた佐伯くんへのバースデーソング等もありリラックスした楽しい一時でした。

これを読みました。読むとか見るとは明らかに別の身体的体験です。グラグラ!

NIWA (CUE COMICS)
NIWA (CUE COMICS)
posted with amazlet on 07.11.01
横山 裕一
イースト・プレス (2007/10/09)

熊楠の頭の中

TITLe2007年12月号の『クリエイティブな発想を磨くブックガイド』で「クリエイションのヒントになる愛読書」を紹介しました。

僕自身は「クリエイションのヒントになる」という読書の仕方はしませんが、「体験が更新され続ける読書体験」という観点で選んだ三冊はこちら。
ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環(D・R. ホフスタッター/白揚社)
メタモルフォーゼ―オートポイエーシスの核心(河本英夫/青土社)
動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチ(池上高志/青土社)

TITLe同号では『クリエイティビティの源はココにあり!自慢の仰天社屋見学ツアー』というページでd-labo by スルガ銀行も紹介されています。

d-laboは商店建築2007年11月号の『特集:銀行の接客スペース・デザイン』でもインタビュー付きで紹介されました。

商店建築 2007年 11月号 [雑誌]

商店建築社 (2007/10/29)

いずれもちょうど書店に並んだところですのでぜひ手にとってみてください。

クマグスの森 南方熊楠の見た夢のトークセッション『熊楠の頭の中』茂木健一郎×池上高志を観にワタリウムへ。(池上さんありがとうございました)

池上さんの「半生命」の話しや「南方熊楠 vs. ダーウィン」等はとても興味深い話しだったのでもっと突っ込んで聞きたかった。正直言ってこの場じゃなくていい話しも多かったと思う。熊楠をスター化する必要は全くありませんが、熊楠から展開したりかなたででも交わる話しがもっと聞きたかったです。

PORTA - 国立国会図書館動く

ついにというかようやく国立国会図書館が動き出しました。

国立国会図書館(NDL)がデジタルアーカイブポータルシステム「PORTA」を一般公開

国立国会図書館デジタルアーカイブポータル「PORTA」
http://porta.ndl.go.jp/

早速登録してみましたが現時点では重過ぎて安定せず。しかしこの一歩は大きいです。圧倒的なリソースなんだから動き出すだけでもね。これはぼやぼやしていられません。

Make: Technology On Your Time

先日の青山ブックセンターHMV渋谷店に続いてブックファースト渋谷店閉店。
http://www.book1st.net/blog/topics/

本屋に関して渋谷と新宿でこれほどまでに格差が開くとは。機能の問題としてこれはまずいなあ。

本屋といえば、青山ブックセンター本店で10月21日(日)にATAK011発売記念トークショーが開催されます。この顔ぶれは間違いなくおもしろいトークになると思います。(3人のポートレートの並びもなんだかおもしろいw)

『Make』まとめ買い。工作の時間です。

Make:  Technology On Your Time Volume 03
オライリージャパン
オライリー・ジャパン (2007/09/28)
売り上げランキング: 3071
Make: Technology on Your Time Volume 02
オライリー・ジャパン
オライリー・ジャパン (2007/03/19)
売り上げランキング: 7976
Make: Technology on Your Time Volume 01
オライリー・ジャパン
オライリー・ジャパン (2006/08/24)
売り上げランキング: 5992

leaving party

めずらしく原稿を締切より前に仕上げる。といってもとてもとても短いものだったので。TITLeという雑誌の12月号「会社特集」で「ビジネスをもっとクリエイティブにする本」をBACHの幅允孝さんが紹介する企画があり、その一部として僕も3冊ほどおすすめ本を出しました。内容は10月26日発売のTITLeをご覧ください。

先日古本屋でG・ベイトソンとC・アレグザンダーを偶然見つけて同時に購入したことを書きましたが、両者は新しいシステム論的世界観の共有ということで繋がっていますね。僕にとってはまさに今考える系でした。アレグザンダーは初期の著作も含めてこれからじっくり読みたいと思います。

夜は友人のhenry & lucinda夫妻のリービングパーティでsoftへ。softは改装後初めて。入口と奥のスペースが大きく変わっていました。

henryはインタラクションデザイナーでBlock Jam等をデザイン&開発したりしています。彼の仕事の関係で11月からLAに移り住むことになったそうです。実はATAKのロゴは彼らがデザインしています。初期のATAKのライブの映像も彼らが担当していました。(今はなきmaniac loveでのライブとか)mattでもJAM HOME MADEの映像やGAS SHOPの写真を撮ってもらったり、引っ越ししたばかりのmattの壁に油性マジックで落書きしてくれたりw等、色々お世話になりました。何よりhenryとはデザインに対して、認知の問題に対して共有している部分が多かったのでお互いやっていることを感じ合える数少ない存在でした。僕の知る限りで可愛らしいカップルNo.1(子供のayaちゃんも愛らしい!)の彼らがいなくなるのは少し寂しいですね。でも今日のリービングパーティは第一弾で第二弾もあるらしい。

ムサビ

ここ数日事務所運営についての面倒な事項に少し翻弄されている。早くクリアにしたい。

昨年に続いて池上高志さんのムサビ(武蔵野美術大学)の授業にゲスト参戦することになりました。10月26日(木)のたぶん昨年と同じ枠でしょうから午後だと思います。平日の午後に国分寺のさらに先の鷹の台へ行く時間のある人がこのブログの読者にいるのか?という感じですが、外部の方もオープンだと思います(非公式)ので時間のとれる奇特な方はぜひいらしてください。昨年は池上さんと渋谷くんと3人で普段の延長のようなトークをしたのですが、今年は池上さんと二人なのでいろいろ僕からぶつけてみたいと思っています。

移動中にちょっと立ち寄った古本屋で以下の本を見つけて購入。

精神の生態学
精神の生態学
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グレゴリー ベイトソン Gregory Bateson 佐藤 良明
新思索社 (2000/02)
売り上げランキング: 78452


まちづくりの新しい理論 (SD選書)
C. アレグザンダー 難波 和彦
鹿島出版会 (1989/07)
売り上げランキング: 192323

ベイトソンは精神と自然を随分前に読んだきりでしたが、ちょうどこれも読みたくなっていたのでラッキー。

なんだこれ

よく「崖っぷちに追い込まれた人間は強い」などと言いますがあれは嘘ですよね。多くはそのまま崖から転落してしまっているのですが、それらはほとんど語られることがありません。ごくわずかなものたちが状況(環境)の変動の中で適応能力を発揮して淘汰の危機を乗り越え、さらなる進化を遂げていく。結果そのものたちが残ることで上記のように物語られていくーというのが本当のところでしょう。それは1個の生物(人間)に限らず生物の集団である企業などにも言える。人間にとっても企業にとってもその適応能力を獲得していく過程が創造であると思う。

都内某所での打合せの中、そんなことを考えながらみなさんの熱い話しを聞く。

虎ノ門から霞ヶ関あたりを歩きましたが、霞ヶ関ビル(日本で最初の高層ビル建築)付近も大開発ですね。先行で10月25日に東京倶楽部ビルディング霞ダイニングというのがオープンするそうです。ミッドタウンに続きこちらも三井不動産。

『よつばと』読み始めましたが「なんだこれ」? お、面白い!

よつばと! (1)
よつばと! (1)
posted with amazlet on 07.10.04
あずま きよひこ
メディアワークス (2003/08/27)

IN RAINBOWS

一日某プロジェクトのプランニングに集中。不確定要素が多い方が実はディティールを緻密に創ることができる。

VAGANCEのLEGGO本のある生活が更新されています。今回のゲストはFlying Booksの山路和広さん。やっぱり街を楽しくするのはコンテンツだということです。山路さんが写真で手にしている中国共産党の本ほしいー。

RADIOHEADが新譜『IN RAINBOWS』をこんな形で発表しました。僕はやっぱりdiscbox版かな。

本格科学冒険漫画

トランジット中村(貞裕)くんと打合せ。久々だったのですが彼と話すと不思議とほっとするんですよね。希有なキャラクターだ。

その後DGN石橋くんと二つの開発事項についての打合せ。プロジェクトとは関係ありませんがひずみセンサーは使ってみたい。

20世紀少年―本格科学冒険漫画から続いた長編ついに完。

21世紀少年 下(ビッグコミックス)
浦沢 直樹
小学館 (2007/09/28)

21世紀少年になってからはサブタイトルの「本格科学冒険漫画」が外れていましたが、最後まで科学については描かれず。「本格科学冒険漫画」というのは時代を現すコピーだったようです。作者としてはそれも含めて引き受けたということなのでしょうが、マンガの終わらせ方って本当に難しいですねー。閉じ方というのか。映画化は監督があれでは望みなし。


創ることの本

環境における気づきを考える時に「かまえ(という表現が適切かどうか分かりませんが。能動と受動の差とは違う)」の問題は絶対に無視できないことだと思います。アフォーダンスにしても神経科学にしてもなぜかそれを無視している、もしくは避けているように見えます。かまえは意識が立ち上がる前と後があります。池上さんの動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチを読んで改めてそのことを考える。

それにしてもこの本はまさに創ることの本だ。やりたいことが色々と動きだしてきた。おまけとしてライフゲームをまたダウンロードしてついついはまってやめられなくなっています。

青山ブックセンターリオープン3周年記念連続講演会

青山ブックセンターリオープン3周年記念連続講演会に行ってきました。ゲストは東浩紀さん、ナビゲーターは永江朗さんで「「批評」と「メディア」いうテーマを手がかりに「本」や「書店」の現在と未来についてのお話」。先日出た新潮2007年10月号掲載の『キャラクターズ』の話題から入ったのはいいのですが、そこから「「本」や「書店」の現在と未来について」つなげようとする際に、東さんが「価値と事実」と言っていましたが、前提としての事実認識があまりにも乖離していて価値の話にならず。これは先日のブログにも書いたことにも繋がる話。「そういう状況にちょっと切れてみたのが『キャラクターズ』です」と言っている人の目の前でどうして既に起こっている(起こってしまった)事実=変化を認めることさえできないのだろう。文学に限らず、どうしてこう認めない・視ようともしない人々が想像以上に多数存在するのでしょうか。環境?体制?なんだろうな。不感症としかいいようがない。それも個ではなく集団の不感症。

それにしても『キャラクターズ』は面白かった。が、その作品としての価値以前に読まないで固定的印象を持つ人がいるのでしょうね。だとしたらもったいない。それにしても切れる時もキャラクター化ってサービス精神高過ぎ。

キャラクターズ

午前は商店建築の取材でd-laboへ。DGNの藤元くんと二人でインタビューを受ける。アーキテクチャを創ることについて色々話しました。商店建築は笈川さんが編集長になってから志向が随分変わったと思う。ただそれがデザインや編集に充分には反映されていない。もっと思い切って変えちゃえばいいのに。

戻ってからは小さい原稿や小さい開発に集中。mattの環境もちょっと変えよう。

をようやく購入。東浩紀+桜坂洋「キャラクターズ」が読みたかったので。まださわりですが、こ・こ・これは....

創造的想像力

小さな開発をあちらこちらでたくさん創ろう。創造的想像力によって<バリアアリー>を実装せよ。

創造的想像力 増補版
創造的想像力 増補版
posted with amazlet on 07.09.11
マイケル・ポラニー 慶伊 富長
ハーベスト社 (2007/08)

動きが生命をつくる

池上高志さんの本がついに出ました。

動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチ
池上 高志
青土社 (2007/09)
売り上げランキング: 5913

渋谷ブックファーストで見つけて購入。

当初この本のデザイン(装丁から中身のデザインまで)をやる予定だったのですが、出版における諸事情(?)により残念ながら今回はできませんでした。その結果池上さん自身が装丁のデザインまでやったという労作です。生物学にとどまらない「生命とは何か」ということに少しでも興味がある方はぜひ!というか「生命とは何か」に全然興味を持てないなんてつまらないよ。買って読むべし。

読むこと/書くこと

渋谷くんがブログで先日のd-log.004「d-labo読書部はじまります(仮)」 について言及しています。

http://www.atak.jp/diary/2007/08/30.html

渋谷くんらしい鋭い突っ込みです。まさに本というメディアの未来を行為に寄り添って考えたかったのですが、ホスト役である僕がそれを二人のゲストに対して明快に提示できませんでした。もしゲストの二人の関心がそこになかったとしても、本が読まれ/書かれる環境が大きく動いている状況を前にして読む/書く人間としてどう考えるかくらいは問わなきゃね。あまり盛り上がっていなかったのはホストのせいです。

個人的にはモノとしての本そのものやページをめくる行為も大好きですが、今起こっている&これから起こるであろう環境の変化は現実拡張として好意的に捉えています。まあ望む望まないに関わらず広義のアーキテクチャが変化していくことは間違いありません。いかなる立場の人間であれ、まずはそれを引き受けることから始まるでしょう。そして現在進行形で進む活字環境の変化の中で感じるのは読むことと書くことが同一の行為になっていることです。僕のように細々とブログや時々媒体に原稿を書いている程度でもモニター上では読むことと書くことは同一になってきています。これは考えること/創ることにも変更を迫ります。さらにアーカイブするという行為も同一化しつつある。アーカイブするというのは本のネットワーク・関係性によって可塑的な知覚環境(物理環境を含む)を構成していくことです。

全くアンサーになっていませんが、このあたりは今取り組んでいる「設計図を描き変え続ける」にもつながっていくので空間を創りながらこれからも考えていきます。

下りの速度は速い

神保町へ。日曜日は古書店はほとんどお休みですが、村山書店等一部開いているところもありプラプラ歩く。村山書店はもともとは「建築・理工書が専門」らしいのですが今は人文系の品揃えが充実している。けど、全体的にけっこう高い。でも、ここの講談社学術文庫の充実ぶりは特筆もの。古い絶版書もたくさんで、僕もよく利用します。

今日は

ユリイカ 2006年6月号 特集 任天堂/NINTENDO

青土社 (2006/05)
売り上げランキング: 146844


情況 2007年 08月号 [雑誌]

情況出版 (2007/07/21)

を購入。

三省堂神田町本店で用事を済ませて、富士山のやさい塾という野菜を食すお店で食事。ビュッフェスタイルなので張り切ってたくさん食べたら帰りの電車に乗った時点でお腹に鈍痛が。EMOBILEのように下りの速度はめっぽう速い。ー焦りました。

そうそう、EMOBILEのD01HW買おうかな...。

スコット・ロス

もうすっかりあきらめかけていたヘンデル:8つの組曲が@TOWER.JPで在庫が確保できたとメールがあり本日届きました。やたー。

最近マンガ(単行本)読みのペースが特にすごいです。

もやしもん(一気読み)
へうげもの(一気読み)
イキガミ (一気読み)
CLAYMORE(一気読み)
掃除当番―武富健治作品集
屋根の上の魔女―武富健治作品集 (CR COMICS DX)
BIOMEGA 3
船を建てる 上
等々....

必然的に寝る時間がなくなるこの頃です。

ジンジンジン

d-log.004「d-labo読書部はじまります(仮)」を開催しました。今回は後半半分をオフ会的な歓談会にしようと思っていたので30名くらいの予定でいて、月曜日の段階ではまだ電話申込が十数人ということだったので心配していましたが、ふたをあけてみてびっくりー60名くらいの本好きなみなさんが集まりました。

前半は僕が進行役で中村文則さんと幅允孝さんのトーク。

時間が短かったこともありますが進行役の僕の突っ込みが足らず二人の面白さを充分には引き出せなかったなー。僕としては「本」と言った時に彼らの中でそれぞれ無意識に持っているフレーム(領域)とその外を考えることで本のこれからーといった話しができればと思ったのですが上手く伝えられず。でも、短いやりとりながら中村さんの作品からは見えないキャラの一端は伺えたような気はします。あーそれからデザイナーとかディレクターって決してカッコいいものではありませんから。もしそう見える部分があるとしたらそれはデザインとは全く関係ない衣裳ですよ、衣裳。僕はそんな衣裳には興味がないので。

後半は中村さんの好きなジンやジュースを片手に歓談会、でしたがやはり人数が多くてみなさんとお話しすることができず。特に中村さんや幅さんとお話したかったけどできなかったという方はいらっしゃったと思います。すみませんでした。某企業の図書館関係者の方とのお話が興味深かった。発展するといいのですが。

終了後は出演者のみなさんや関係者、友人ら総勢十数名でchinese cafe Eightで打ち上げ。賑やかにお腹一杯食べて満足。

来てくださったみなさん、関わったみなさんに感謝。本当にありがとうございました。d-labo読書部は今後も続ける予定ですのでまた次回も宜しくお願いします。

ケンチク=ケータイ

中目黒駅周辺も目黒川沿いもドカドカと新しいビルが建っています。中目黒に限らず都心は相変わらずタワーマンションやら大型複合施設やらの開発が続々と進んでいます。最近は地方都市にも40階を超えるタワーマンションができているそうです。

それらのできあがったビルとこちらもシーズンごとに続々と出る携帯電話のデザインがとても似通って見えます。というより同じに見える。ほとんどがまったく開発・製造の構造とコストマネジメントの効率化とマーケティング戦略というどこにも繋がらない非コミュニケーションによって生み出される。結果としてできるものに本質的な差はなくあるのは纏う衣装(意匠)の表層的な違いのみ。両者とも時々強烈な衣装性をマーケティング的に打ち出しりはしますがそこで打ち出されるのはデザインと機能を二項対比(部分として分けられたもの)で考える前提でのデザインのみ。もちろんそれを僕はデザインだとは思いませんし、そこで機能だと考えられているものも機能でも何でもありません。還元論のもたらしている問題は何も哲学や科学の中だけではなく創るという場所でも非常に重くかつミクロなレベルまでのしかかっています。

そんな中で実環境において模擬ではなく創る-シミュレーションをどんどん起こそうと思っているのですが...うーん、チームとして絶対的にスキルが足りない。mattの緊急な課題。

d-laboでの打合せの帰りに青山ブックセンター六本木店に立ち寄る。

FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO
FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO
posted with amazlet on 07.08.28
古川日出男/東浩紀/小島アジコ 講談社文芸X出版部
講談社 (2007/08/02)
売り上げランキング: 27367

を購入。インコミのデイヴィッド・リンチのインタヴューと佐々木敦さんの「MAXIMAL MUSIC」が楽しみ。

シマダス

8/29のd-log.004「d-labo読書部はじまります(仮)」ですが「電話受付が面倒くさい」「申込なんているの?」等の理由でまだ申込手続きをしていない方、このエントリーへのコメントかメールで僕へ直接ご連絡ください。連絡いただければ後はこちらで済ませますので。行くつもりがなかった方、興味なかった方も予定変更でどうぞ。

少し前の渋谷くんのブログでも書いてありましたが青山ブックセンターHMV渋谷店はもうすぐ閉店なのですね。確かにこのゆったり感で続けるのはしんどいのでしょうねー。それにしても開店してから閉店までがあまりにも早過ぎ。もう少し創意工夫できなかったのでしょうか>ABCさん

日本の島ガイド シマダス
日本離島センター
日本離島センター (2004/07)
売り上げランキング: 34247

を購入。d-laboのライブラリー蔵書分でパラパラ見ていましたが、やはり本は買って持たないとだめですね。

ブラック・アトランティック

d-laboで毛利嘉孝さんと打合せ。友人のクララこと倉重くんが毛利さんのゼミ出身で今回紹介してもらいました。

毛利さんは東京芸術大学大学院音楽研究科准教授であると同時にアートインスティチュート北九州のディレクターとして北九州国際ビエンナーレに関わったりしています。主な著作は文化=政治ポピュラー音楽と資本主義等があり、ポール・ギルロイのこれ↓も翻訳(共訳)されています。

ブラック・アトランティック―近代性と二重意識
ポール ギルロイ Paul Gilroy 上野 俊哉 鈴木 慎一郎 毛利 嘉孝
月曜社 (2006/09)
売り上げランキング: 73571

とても気さくな方で、ちょうどいたd-laboのみなさんにもその場で紹介して早速d-labo研究会をしてもらうことになりました。とくに”関係性”についてのお話をいろいろできればと思っています。

夜はCLASKAで開かれたARICAというフアッション系e-コマースサイトの立ち上げパーティへ。トランジットの中村くんがブランディングをやっていたり、廣澤さんやさやかもこのプロジェクトに関わっていたりします。やや遅めに行ったため話題になっていた鮪の解体ショーは見ることはできず。でも、お寿司や天ぷらはしっかりいただいて帰りました。

缶のコーヒー

来週の『d-labo読書部はじまります(仮)』に向けて今日は打合せ、というより顔合わせ。中村文則さんとは初対面。少しシャイながらナチュラルでとても楽しい人でした。幅さんも含めて三人共本が好き→マンガが好き→ワンピースが好きでまたワンピース話しで熱く盛り上がる。本番では出ないように気をつけます。で反復される「缶のコーヒー」が気になっていて聞いてみたのですが特に意味はないそうです。反復と言えば幅さんが話していた北京のリアル・グルスキーはぜひ見てみたい。

シグルイ 9 (9) (チャンピオンREDコミックス)
南條 範夫 山口 貴由
秋田書店 (2007/08/21)

出ましたが、今回はスプラッターに偏り過ぎで少し緊張感が緩んだかな。まあ本番はこれからですから。

「“本箱システム”は人生の縮図」

僕が案内役をやっているLEGGO 本のある生活の第三回目の前半がアップされました。

takram・田川欣哉〜必然だった“本箱システム”は人生の縮図

テキストからはあまり伝わらないかもしれませんが、相当楽しかったです、これ。”アーカイブ”について、田川さんと考え方は共有できる部分が多かったのですが、実践は全く違いました。田川さんの実践(生きることそのもの)面白いですからぜひ読んでみてください。

NOKIA N73すごくいいです。今頃何言ってるのーと言われそうですが、初めてケータイを積極的にいじっています。NOKIA S60という携帯用に開発されたOSを搭載しているのですが、それが何より秀逸。「パソコンみたい」ともちょっと違ってあくまでもケータイとしてUIも含めて本当によくできています。それに比べて日本のデザインケータイってデザインとは言えないよね。

踊れ

DIVA+のオープン。DIVAの岩崎さんの日常の延長(+)としてオープン。岩崎さんの「延長された表現型」になるべく多層の間隙を潜ませましたがさてさてどうなるでしょうか。

行き帰りの電車で土の中の子供を読む。8/29に開かれる『本のある生活オフ会(仮題)』のゲスト中村文則さん作品。中村さんの作品はまだ読んだことがなかったので。カフカ好きなんですね。

猛暑のこの頃、mattはレオンハルトのチェンバロに加えてこれを大音量で。

ワルツを踊れ Tanz Walzer
くるり
Viictor Entertainment,Inc.(V)(M) (2007/06/27)
売り上げランキング: 348

『本のある生活』オフ会やります!

ややフライング情報ですが、cafegrooveのポータルVAGANCEでやっている本のある生活のオフ会?というかサロンのようなものを始めます。cafegroove/VAGANCEとd-laboの共同企画でd-log.プログラムとして年に3〜4回くらいやる予定です。僕がホスト役で毎回ゲストを招いて簡単なトークをした後にお酒(やソフトドンク)を片手にゲストも来場者も混じり合って大好きな本に関わることを語り合おうーというものです。

第一回目のゲストは土の中の子供で第133回芥川賞を受賞した作家の中村文則さんとd-laboのハイパーライブラリーのディレクションも担当しているBACH代表の幅允孝さんのお二人です。

日時は2007年8月29日(水)19:00〜(時間は要確認)で、場所はd-labo@ミッドタウンタワー7F。なるべくみなさんとお話しできるよう人数は30人程度で事前予約(入場無料)が必要となります。近日中にd-laboのwebサイトで受付が開始される予定ですが、始まったらすごにここでも告知しますね。お楽しみに!

最近読んだ本 読書memo 010

前回に続きまたidea登場。ウィム・クロウエル特集。何年か前に「Quadrat-Print」のストックが見つかったということで日本でもいくつか出回っていましたが、その時に「musicpaper」や「Buckminster Fuller」等とともに「new alphabet」も手に入れました。リサーチと実験による実践でデザインに何ができないかを自覚した上でデザインを行なっていたという希有な存在。今号はカバーデザインも素晴らしいし、ideaがんばりますね。

10+1 No.47(INAX出版)

部分的に面白いテキストはあるものの、全体としては10+1誌上でかつて読んだテキストの焼き回し感は否めないですね。

計算不可能性を設計する(神成淳司、宮台真司/ウェイツ)

建築家(アーキテクト)に見切りをつけた宮台真司が次はITアーキテクトへ。ここでも外環境へのウブさは感じられ、それが抽象化へと向かうと危険だと思う。神成氏のパネルディスカッションシステムがsim. -as we may think-と非常に似たシステムで驚く。僕らの創ったsim.の方はさらに音声認識を加えて言語についてのリサーチと実験にもなっています。

改訂 森林資源科学入門(日本大学森林資源科学科編/日本林業調査会)

森林と木ーその1。森林も資源もまずは科学から。

森林からのニッポン再生(田中淳夫/平凡社新書)

森林と木ーその2。軽い現状概観。林業を見よ。

携帯電話はなぜつながるのか(中嶋信生、有田武美/日経BP社)

携帯電話=ケータイーその1。ハード×ハード。知らないことたくさんで面白い。広義のアーキテクチャーを考えるなら必須。

モバゲータウンがすごい理由(石野純也/マイコミ新書)

携帯電話=ケータイーその2。キャリア×コンテンツ。コミュニケーション論として面白い。

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?(ひろゆき/扶桑社新書)

以前「これを読んだらこれも読まなきゃ」って書きましたが、それらを読んだ人はこのひろゆき氏の話しも読んでみてください。

「世界征服」は可能か?(岡田斗司夫/ちくまプリマー新書)

レインボーマンの「死ね死ね団」は子供心にはすごく怖かった。ネタは楽しめましたが目論見(組織論、正義論)には今一歩。ちなみに僕は支配者タイプはBでした。

おやすみプンプン 1 (浅野いにお/ヤングサンデーコミックス)

素晴らしい世界ソラニンも読んでいて、確実に佳作を描く作家だなと思っていましたが、こんなものを描くとは!ちなみにこれを読むまで浅野にいおだと思っていました。正しくは浅野いにおですね。

ラスト.ワルツ―Secret story tour(島田虎之介/青林工芸舎)

島田虎之介も最近の大きな発見。まだ、単行本3冊しかでていないので一気に集めました。

国のない男
国のない男
posted with amazlet on 07.08.08
カート・ヴォネガット 金原 瑞人
日本放送出版協会 (2007/07)
売り上げランキング: 512

いいカバーですね。ヴォネガットも僕と同じく国のない男でした。ま、誰でも国のない男/女にはなれます。ヴォネガットの本を読めばなお簡単に。

宙飛古書店

VAGANCEのLEGGO-本のある生活の対談で渋谷のFlying Booksさんへ。今回のお相手はFlying Books店主の山路和広さん。

Flying Booksは実はこれが初めてでした。ケルアック、バロウズ等のビート・ジェネレーションを中心に精神世界、ドラッグ、仏教、民俗学、心理学、現代思想、アメリカ文学等から古い雑誌まで幅広く揃える。ここはただの本屋ではなく頻繁にライブやポエトリーリーディング等のイベントも行なうし、カウンターで一杯から挽くコーヒーも飲めるし、CDから様々な紙媒体まで出したりしています。古書店にありがちな閉じた空間ではなくとても開けて軽やかな空間。それは店主山路さんのキャラクター+実践から生み出されているのだなーと初対面でしたがゆるりとお話しして思いました。ケルアックの『路上』を二十歳頃に読もうとして全く入り込めずに挫折したのですが、山路さんも最初は挫折したそうです。『路上』は河出の世界文学全集で新訳『オン・ザ・ロード』で出ますね。この無謀とも思える全集の企画はなかなか楽しみです。

今回の収録分は8月中にはアップされる予定です。でも、その前の田川欣哉さんのもまだだなー。

蹴る群れ

アジアカップで日本代表が敗れ、参議院選挙で自民党が敗れた週末、アジアカップを勝ち取ったのはイラク!素晴らしい戦いぶりでした。オーストラリアの参戦、イラクの復活等今後はアジアの戦いも熾烈になるなー。

蹴る群れ
蹴る群れ
posted with amazlet on 07.07.30
木村 元彦
講談社 (2007/02/16)
売り上げランキング: 12430

バー直撃

普段は自転車ですが、最近はあちらこちらと打合せが頻繁なので電車に乗る機会が多い。で、当たり前のように車内も寒いわけですよ。「涼しい」ではなく「寒い」です。いいかげんにスーツを来ている人間を基準にした空調はやめようよ。これだけ「温暖化」とか「エコ」とか言っていてそれはないでしょ。暑かったらジャケット着るな。それだけの話し。

これから始まる予定のプロジェクトのための資料を探しにまた丸善へ。物理雑誌パリティ等を出しているだけあってやはり理工系は充実している。今日は素材関係の資料を探しましたがいいものが見つからず。神様ドォルズ(1)をジャケ買いする。いわゆるあれ系でした。

そして夜、日本×サウジアラビア戦。うーん...コンフェデに出れないのはとにかく残念。羽生がついに...と思ったけどバーに阻まれてしまった...。まだできていないことはたくさんありますが、オシムは確実にチームを創っています。ジーコのオールスターとは雲泥の差だ。三位決定戦ってモチベーション下がりやすいのですが、韓国戦なのでどうかもう一つしびれる試合をお願いします。

天秤にかける

柏崎刈羽原発のIAEA調査団受け入れが正式に決まったというニュース。
http://www.asahi.com/national/update/0723/TKY200707230597.html?ref=rss

新潟中越沖地震による柏崎刈羽原発の水漏れ&火災事故の発覚以降(注:いずれも超長文)
原発がどんなものか知ってほしい(全)
Re:原発がどんなものか知ってほしい
等にアクセスが集まっていたようです。

原発に関しては考えれば考えるほど簡単に賛成/反対って言えないという何とも煮え切らないもじもじくん状態です。よく「リスクとベネフィットを厳密に天秤にかけてみるー」という話になりますが、何にとってのリスクとベネフィットなのかというところも厳密に考える必要があると思います。例えばジェームズ・ラブロックが天秤にかけるのは「生物も非生物も含めた総合システムとしてのガイア」にとってのリスクとベネフィットであり、ある原発反対派の人々にとっては「われわれ」にとってのリスクとベネフィットだったりします。その際の「われわれ」の範囲も人によって大きく違うでしょう。そういうことで社会としての議論にはなかなかなりにくく、結局は直接関係する人々のパワーバランスで原発行政&経済は進んでいくというのが実情です。本来原発は開発する/しないを先に決定してから進めるのではなくソーシャルデザインとして一から取り組んでいく必要があると思います。

待ちに待ったヒストリエ(4)ナチュン(2)を読む。ナチュンは何だかすごく底深くなってきた。おもしろい。

not' 動き出す

某社へ『not' mansion』のプレゼンを行ないました。これが進めば住環境は間違いなく変わります。マーケティング的なイメージの話ではなく実際の住環境体験が変わるのですから。今日は本プレの前段階という感じ。次のステップに進めるといいのですが。

終了後、廣澤さん、さやかさんと東京駅内のスタバで諸々話す。みんなの話を聞きつつも「『not' station』もやらなきゃ」とぼんやり考える。

二人と別れてせっかくなのでオアゾの丸善に立ち寄り、

ヒトと人のあいだ (シリーズヒトの科学 6)
野家 啓一
岩波書店 (2007/06)
売り上げランキング: 95423

フィロソフィア・ロボティカ ~人間に近づくロボットに近づく人間~
夢に迷う脳―夜ごと心はどこへ行く?
科学 2007年 07月号 [雑誌]
を購入。

早速読み始めた『ヒトと人のあいだ』の金森修、黒崎政男、長谷川寿一、三輪敬之、野家啓一による座談が面白い。これはぜひノーカット版で読み(聞き)たい。

水の百科事典

一日中調べたり、資料作ったり。

水の百科事典
水の百科事典
posted with amazlet on 07.07.16
高橋 裕 久保田 昌治 蟻川 芳子 門馬 晋 綿抜 邦彦 和田 攻 内藤 幸穂 平野 喬
丸善 (1997/09)
売り上げランキング: 175806

amazonマーケットプレイスで見つけて購入。先日お会いしたtakram design engineeringの田川欣哉さんの例のボックスに入っていた一冊です。パラパラと見せてもらってとても面白そうだったので。「水」は「木」と並んで今最も感心ある事項の一つです。

わにとかげぎす

一日中移動しながら打合せの連続。最後のd-laboの打合せは特に熱ーく。午前中のルノアールでの打合せ中に食べたモーニングだけだったので終了後は完全にエネルギー欠。

夜中一人生中継(日中一切ニュースや話題を遮断して録画を生中継気分で観ること)でU-20日本×チェコを観る。そうですか。あの展開で負けですか。いや、あの展開だから負けたーの方が正しいか。香川くんはハンド絡みで2得点も奪われた。今回のは痛過ぎるミスジャッジ。明らかに手がボールに反応していたよ。GKの林くんだけはやっぱりアマチュアだったなー。威嚇しても全く怖くないんだもの。せめて次のスペイン戦までは観たかった。ま、アジアカップに集中しましょう。

読みました。これで完。ここのところの古谷作品は全て一つの作品の部分だと思っています。普通は多視点ものはそれぞれが絡みあうのが常なのですが、そう簡単に絡まないよーというのが古谷作品では、と勝手に思っています。だから終わりなき古谷作品の続き(部分=新作)が楽しみなのです。

ダークネスと霧に包まれて

朝からd-laboで打ち合せ。d-laboのみなさんとcafegrooveの富田舞さんとでd-log.のプログラム企画について。VAGANCEでやっている本のある生活のオフ会というかsalone@d-laboという感じになりそうです。詳細は近日公開します。

科学未来館の山元史朗さんのご招待(ありがとうございます>山元さん)でヨハン・ヨハンソンの世界を観にいく。ヨハン・ヨハンソン氏は『IBM 1401, a user's manual』の人ですね。ライブは想像以上に叙情的。深い(強いとは違う)ダークネスを内包する叙情性。これがアイスランドの環境によるのか、僕の乏しいアイスランドに関する知識では分かりません。ただ叙情性に寄るとどうしても印象に留まってしまい現象までたどりつけないことが多いと思う。ライブの後半には霧の彫刻家中谷芙二子さんの人工霧も登場。これは対称的に徹底的に現象を見せる、のですが空間で重なった時にヨハンソン氏の音楽のため現象さえも印象に見えてしまった。

終了後、中谷さんが自身で試行錯誤した上にたどりついたという噴射口の先の細かい鍵のような金物を山元さんに見せてもらった。この人工霧を空間のエレメントとして使いたいですね。ここでも意匠的な印象に終わらない手法で。あ、そういえばDiller+Scofidioがスイスのexpoでやっていましたね。霧の中のウォーターバー。....違うアプローチ考えよ。

鈴木先生(3) (アクションコミックス)
武富 健治
双葉社 (2007/07/03)

読みました。どこまでいくのだろう、リアリティの極致。本当にこんなマンガ見たことないなー。僕は先生にならなくてよかった。

囚人のジレンマ

朝はU-20日本×ナイジェリア戦。トーナメントを考えるといい戦いをしたのではないでしょうか。香川のトラップからのシュートはあまりにも見事すぎてハンドに見えてしまったのか。スローで見る限りは完璧な胸トラップでした。

終了後はビッグサイトで開催されていた東京国際ブックフェア2007へ。新刊が20%引きとかで購入できる(全てではありませんが)ので僕は毎年行っています。ただ、今日はゆっくりする時間がなく最低限のブースだけを駆け足で回る。最終日で在庫も少なくなっていました。

今回購入したのは、

囚人のジレンマ
囚人のジレンマ
posted with amazlet on 07.07.09
リチャード パワーズ 柴田 元幸/前山 佳朱彦
みすず書房 (2007/05/24)
売り上げランキング: 10487

ゴーレム100
ハル、ハル、ハル
ことばと対象
論理的観点から―論理と哲学をめぐる九章
フレーゲ哲学の最新像(双書現代哲学5)
他...

囚人のジレンマとゴーレム100はジェケ(装丁)もかっこいいしめっちゃ楽しみ。

それから重い荷物を抱えてmattへ。明日のプレゼンの仕上。途中前田くんが美味しそうな桃を持ってきてくれて(ありがとう>みさちゃん!)少しだけ話す。それ以外はプレゼン準備に没入。


Google ブック検索

Google ブック検索日本語版がスタート。早速いくつか検索してみました。で、以下が検索結果の件数。

「自由意志」621件
「セキュリティ」247件
「温暖化」218件
「西田幾多郎」90件
「個体発生」21件
「ホワイトヘッド」17件
「ゲーデル」10件
「クワイン」3件
「アフォーダンス」1件
「オートポイエーシス」1件
「進化ゲーム」0件
(漢字のみの場合は件数に中国語書籍も含まれる)

まだまだ参加出版社が限られているので登録データの絶対量が圧倒的に少ない上に偏りもありますが、こういう段階でも公開した方が開発速度も精度も高まるのは間違いないでしょう。

これ参加(登録)した方が絶対に本は売れると思いますよ>出版関係のみなさま

たくらむ

朝から、VAGANCEの「本のある生活」の対談のため新宿へ。三回目の今回はtakram design engineeringの田川欣哉さん。田川さんはデザイン・エンジニアとしてtagtypeafterglow等の開発をされています。

cafegroove(VAGANCE他を制作運営する会社)の浜田さんの「あのふたりは絶対に化学反応を起こすよ!」という思惑にまんまとはまり、あちらこちらに話が飛びながら大いに盛り上がる。田川さんの本はなんと400×300×300mm程度の無印の紙ボックスに収まるだけ!いつでもどこでも持ち運べる量でそれ以上は持たない。つまり新規で購入する場合は不要なものを売ったりする。でないとボックスに収まらないから。「既知なものに縛られたくない」というのはもちろん同感なのですが、ここまで徹底してできるのはすごい。僕にはできないなー。可塑性の話やチームワークの話等特に興味深かった。詳しくはいずれVAGANCEで。(いつ頃アップされるかはまだ未定)

終了後、富田舞ちゃん(cafegroove、「本のある生活」の仕掛人)とd-lobo×VAGANCE企画の打合せ。「本のある生活」のオフ会的なものになるのかーいろいろたくらむ。

六本木のポアントに移動して廣澤さんらと伊勢佐木町プロジェクトの打合せ。間近に迫った大まじめな話についてこちらもたくらむ。

たくらみはたくらみで終わらないように、mattに戻ってざくざく仕事する。渋谷くんや真鍋くんが登場するTest Toneには行けなかったよ。残念。

『ゲドを読む。』を読む

『ゲドを読む。』を読みました。中目黒ブックセンターで見つけました。全5色あるらしいのですがNBCにあったのは黄色。ブックデザインは佐藤可士和氏。ふうーん。

DVDの広告になる「フリーペーパー」らしいのですが、これ読んだ人は圧倒的にDVDよりもル=グウィンのゲド戦記を読みたくなるのでは。僕もその1人です。ル=グウィンは闇の左手等のハイニッシュ・ユニバースものは読んでいますが『ゲド』はまだ読んでいません。

翻訳者の清水真砂子氏の『ゲド』と『モモ』の比較は鋭い。ル=グウィンはポートランドに住んでいるそうです。Powell's Booksのある街ポートランドだ...。

求められるアート

六本木のポアントへ打合せ。何だか頭がまわらなかったのでらくがき描いてのコミュニケーション。もっと環境リサーチが必要だ。

お昼はまた某店でハンバーガーを食べ、その後渋谷の東急電鉄でトランジット木村さんと中村さんらと共に打ち合わせ。長い設計説明会の後場所を変えて別プロジェクトの打合せ。意外だと思われたようですが、mattは「オーセンティック」なものも創れるのです。まあ、「オーセンティック」な中にもスマイルは潜ませてね。

mattへ一度戻った後、東大駒場の池上高志さんの研究室へ。今年の夏(?)刊行される予定の池上さんの本の話し等。「単に装丁の素材・ヴィジュアルやページ構成ということだけではなく、本のデザインは書くー読む行為の流れ全体の中にあります」というような話しをしたら、池上さんは「求められるアート」と言った。とても興味深い話しだった。まだ書かれていない第二作のことまで話す。池上さんはテキストの締め切りを気にしていたけれど、池上さん自身が納得いくように書いてもらいたいです。

大竹伸朗「全景」展図録なんて先日また刊行延期のお知らせが封書で来ていましたが、キャンセルなんて全く考えないよ。むしろこの過程も楽しんでいます。

コスモロジーへの道

前例がないことを理由にやらないということがいまだにあることをとても残念に思う。

notosでさやかさん、KEELの櫻井さんと「not' mansion(仮題)」の打合せ。こちらは絶好調。櫻井さんの秘密兵器のデモを見せてもらいながら話し合う。前向きかつ実践的な話しは楽しー。これを実装していけばいろんなプロジェクトを創ることができる。

お寿司屋さんへの誘いを断腸の思いでお断りして、mattに戻ってあるプロジェクトのプラン×2を必死に考える。途中ホワイトヘッドの哲学を読みながら(プロジェクトとは全く関係ありません)。

そういえばみすず書房の

過程と実在〈1〉コスモロジーへの試論
アルフレッド・ノース ホワイトヘッド Alfred North Whitehead 平林 康之
みすず書房 (1981/08)
売り上げランキング: 69299

が復刊していますね。まだまだコスモロジーへの道は遠いですが。

しかるべき本とのしかるべき出会い

LOHASという言葉には気をつけた方がいい。というよりLOHASという言葉を躊躇いなく使う人々と言った方がいいのかな。元々がマーケティングから生まれた言葉であるということを再認識した方がいい。何度も言うけどマーケティング的思考からはできるだけ離れた方がいい。

vaganceの「本のある生活」が久々に更新しています。
しかるべき本とのしかるべき出会い vol.1
今回はBACHの幅さんとの対談でした。(といっても随分前でダウン着てます)実はほとんどマンガの話しばかりしていたのですがその部分は思いっきりカットされていますね。続きは6/26にupされます。

哲学と自然の鏡

リチャード・ローティ死去。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0611/TKY200706110222.html

哲学と自然の鏡はしばらく前から家のテーブルの正面に置いてあり少しずつ読み進めています。これからもゆっくり少しずつ読み進めたいと思います。ーご冥福をお祈りします。

最近読んだ本 読書memo 009

ミュンヘン・オリンピックのヴィジュアルデザインで知られるオトル・アイヒャーの特集。その中で『デザインとしての世界』の部分訳が掲載されています。 「デザインは人を自律的にし、デザインする人々は危険な存在となる。支配を行使する権威にとって、かれらは危険なのだ。」「デザインは心の活動の生み出すもっとも複雑な構造物である。一個のデザインは分析的であると同時に総合的であり、特殊的でありかつ一般的であり、また具象物でありながら原理的対象なのである。」「デザインが生まれるのは、理論と実践が衝突する地点である。」 勇気づけられます。これはぜひ全訳が読みたい。デザインは原著のままで。(独語版の方がベター) もう一つの特集「海外雑誌カルチャー」も合わせて久々に秀逸。

生物と無生物のあいだ(福岡伸一/講談社現代新書)
最近読んだ生物学本ではベスト級。シュレーディンガーの生命とは何かからシェーンハイマーの実験と考察を経て示される「生命とは動的平衡にある流れである」という生命の再定義は現時点で最も納得できる。「生命とは何か」の分かりやすい解説にもなっていて嬉しい。著者の研究のプロセスとしてまた次もぜひ読みたいです。

遺伝子・脳・言語(堀田凱樹、酒井邦嘉/中公新書)
サイエンス・カフェというフォーマットが生かされた本。「手話の脳科学」は特に興味深かった。

メディアは透明になるべきか(J・D・ボルター+D・グロマラ/NTT出版)
ライティング スペースが面白かったので読んだのですが、これはSIGGRAPHのちょっと過去形ーそのままーであまり楽しめず。

「情報」を学び直す(石井健一郎/NTT出版)
「情報」論から「コミュニケーション」論へ。まだまだ「コミュニケーション」論は遠い気がします。

抵抗の場へ―あらゆる境界を越えるために(マサオ・ミヨシ、吉本光宏/洛北出版)
これはインタビューというフォーマットから生まれた強度。「我々」ってつい自分も使いがちですが、怖い言葉です。境界を越えられなくても境界に触れていればいいのだと思う。

大久保町の決闘(田中哲弥/早川文庫JA)
ついに復刊しました。長編デビュー作だけあってバカ度は最上級。でも、Self-Reference ENGINEを先に読んでしまったので刺激が少し足りなかった...。

蹴る群れ(木村元彦/講談社)
木村元彦の本を読むと、ピクシーのようなスターも戦時下のイラク代表チームもアルバニア出身の元「横浜FC」の助っ人も、皆愛しく感じます。そしてサッカーがもっともっと愛しくなる。カフカもアインシュタインも「DFCプラハ」というクラブのサポーターだったそうです。知らなかった!

別冊「本」RATIO 03
別冊「本」RATIO 03
posted with amazlet on 07.06.12
池内 恵 他 選書出版部
講談社 (2007/05/11)
売り上げランキング: 110223
ボリューム満点の第3号。池内恵の「ジハードの思想史」と連載の「実在論論争ー科学に何ができるのか」(伊勢田哲治vs.戸田山和久の往復メール)が面白い。後者の絡みは容赦なく進みそうでますます期待大です。

東京スキャニング

InterCommunication(インコミ)判型が変わりましたね。

巻頭が東浩紀さんと五十嵐太郎さんの対談でしたが、この特集に通底しているインコミの視座そのものが東さんのいらだちの対象だと思う。話しを聞いていたから余計にそう思ってしまうのかもしれませんが。

それにしてもインコミの「東京」特集は外しますねー。No.39の『東京ポスト・デジタル』はもっと酷かったけど。NTT出版のバックナンバーでもなかったことになっている。

人生、宇宙、すべての答え

今日も打合せでd-laboへ。ほぼ日でd-labo。今日はweb&オンサイトコンテンツの検収。動き続けるプロジェクトにおけるクオリティの判断は難しいです。

終了後、横浜反町へDIVA+の打合せ。反町に行くと必ず雨。しかも今日は寒かった。岩崎さんとずっと話しながらゆらぎと安定性のあわいをすくいとる。

期待以上でした、これ。

Self-Reference ENGINE
Self-Reference ENGINE
posted with amazlet on 07.06.01
円城 塔
早川書房 (2007/05)
売り上げランキング: 1965


こんなに興奮して小説を読んだのは久しぶり。やっぱり「ハード」だけではダメで「バカ」っぷりは重要。抜けきったような「バカ」さ加減に電車で読みながら笑ってしまいました。「オブ・ザ・ベースボール」は今一つでしたがこれは堪能しました。

この本にも数字が出てきますが、みなさんは「人生、宇宙、すべての答え」を知っていますか?グーグルの電卓機能で「人生、宇宙、すべての答え」と入力するとある二桁の数字が回答されます。ダグラス・アダムズの銀河ヒッチハイク・ガイドの中で、スーパーコンピュータディープ・ソートが750万年かかった計算が今ではグーグル電卓一発で答えがでます。SF好きにはよく知られたお話です。

延長された表現型

d-laboのほぼ定例でミッドタウンへ。完全にミッドタウン=d-laboになっています。これだけミッドタウンに来ていながら、実は未だにサントリー美術館にも21_21 DESIGN SIGHTにも入ってはいないのです。近いうちにーきっと。

神谷町のnotosでさやかさんとアニキこと廣澤さんと打合せ。いくつかの異なる件の打合せ。それぞれスケールもレイヤーも状況も全く違いますし、まだ未確定な部分が多いですがそれぞれに面白い。プロジェクトを進める相手とのコミットメントを「創る」ためのプロセスに取り込むのはなかなか難しいです。

あるプロジェクトで「動く身体と環境の境界」について考えていて、これを改めて見ました。
http://www.isi.imi.i.u-tokyo.ac.jp/oldpage/projects/humanoid/humanoid_html/humanoid_Research-j.html
(動画有り)
「延長された表現型」とは道具等の形あるモノだけではなく運動も含むということを再認識。

生物がつくる〈体外〉構造―延長された表現型の生理学
J.スコット・ターナー 滋賀 陽子
みすず書房 (2007/02)
売り上げランキング: 70963
延長された表現型―自然淘汰の単位としての遺伝子
日高 敏隆 遠藤 知二 遠藤 彰 リチャード・ドーキンス
紀伊國屋書店 (1987/07)
売り上げランキング: 20973

工学化

に掲載されている東浩紀さんと仲俣暁生さんの対談「工学化する都市・生・文化」を読む。これは東京から考えるのサブテキストとして今週のトークセッションに参加される方にとって必須では。東さんの言いたかったことは生々しく、いや切々と浮かびあがっています。仲俣さんの北田さんへの同意は微妙に重なっていないと思いますが、それによってこの対談には出ていない北田さんの言っていたことも分かりやすくなっています。

新潮のこの号は他にも佐々木敦さんのプチ佐藤友哉論「ニッポンの小説(家)の誕生」等読めるテキストがいくつか。これを読んだからというわけではなく、佐藤友哉の1000の小説とバックベアードは既に購入して自宅のテーブルの上に最上位で積んであります。

オブ・ザ・ベースボール

横浜反町の現場へ。解体工事が始まったのです。元々古いRCのビルに後から木造で増築してあったのですが、壊してみるとその木造部は本当に物置小屋レベルです。

解体はまだ途中ですが現場環境を観察すればする程課題は多くなります。まあ、前向きな課題が多いのはわくわくしちゃいますが。

一度戻ってから、トランジット木村さん、中村さん(社長の中村くんとは別の中村さん)と共に御成門の某社で打合せ。トランジットさんの活動領域は増々拡張しているようです。すごいよ中村くん。

文学界2007年06月号を購入。池上さん大推薦、円城塔の「オブ・ザ・ベースボール」が掲載されているので。早川Jコレクションより刊行予定の「Self-Reference ENGINE」も待ち遠しい。

SFってー

GWだからと言ってどこか遠くに行くわけではなく、ただ散策に出かけたり、読書したり、DVD観る時間が普段より少し多くなるだけです。今日は雨だったので外には出かけず、短めの原稿を仕上げたり、反町のプロジェクトのフレームについて考えてはいじってみたり。

夕方から時をかける少女雲のむこう、約束の場所のDVDを続けてみる。さらに食事をはさんでから

預言者ピッピ 1 (1)
預言者ピッピ 1 (1)
posted with amazlet on 07.05.08
地下沢 中也
イースト・プレス (2007/04)
売り上げランキング: 4153

を読む。いずれも「SFって素晴らしい!」って言える作品。堪能しました。

粘菌

amazonからこれが届きました。

粘菌―驚くべき生命力の謎
松本 淳 伊沢 正名
誠文堂新光社 (2007/04)
売り上げランキング: 9846

仕事の合間に熱中。ススホコリやホネホコリ等妖しくて魅力的な粘菌の写真がたくさん。僕が粘菌という言葉を知ったのはマンガ版風の谷のナウシカで、その後中沢新一経由で南方熊楠コレクション〈5〉森の思想を読んだりしました。で、実際に粘菌を山に探しに行って見つけた時に「これって子どもの時に探検ごっこで落葉の下とかでよく見たやつだ。当時は何だか分からなかったけど。」って気づいたり。

原初的生物としての面白さは南方熊楠の時代からですが、今では「粘菌回路」としてロボットを制御したり、「粘菌に学んだ変幻自在のロボット」が作られたり、粘菌への探究は尽きることがありません。脳を持たない粘菌の環境への巧みな対応を考えると現状の脳科学という言葉自体が間違っているのではと思う。生物(ヒト)と生態学的環境を考える僕たちにとっても興味が尽きない生物です。

新しいコミュニケーション

d-laboでsunday-visionの越尾くんらと打合せ。d-laboに新たなコンテンツが加わります。越尾くんとは久しぶりに一緒に仕事するのでとても楽しみ。打合せの中でスルガ銀行さんが言っていたのが「今までなかった新しいコミュニケーションができつつある」ということ。これはとてもいい兆候ですね。動かして観察して発見してまた創ってー。決して線はひかず。

青山ブックセンター六本木店

サイレンス
サイレンス
posted with amazlet on 07.04.18
ジョン ケージ John Cage 柿沼 敏江
水声社 (1996/04)
売り上げランキング: 280620

を購入。水声通信のジョン・ケージ特集を読んで読みたくなりました。読みたいのに読んでない本も膨大にあるのに溢れるように新刊が続々出てくる。「選択の残酷さ(東浩紀)」を痛感します。

最近読んだ本 読書memo 008

2ヶ月ぶりの本メモ。かなり前に読んだものもあるし忘れているものもありますが、メモということで。

Gerhard Richter: Atlas
Gerhard Richter: Atlas
posted with amazlet on 07.04.16
Gerhard Richter Helmut Friedel
D.A.P./Walther Konig, Cologne (2007/01)
売り上げランキング: 6832
こちらが絶版になっていたので、2006年分まで含まれたこの版が出たのは嬉しい。コンパクトでありながら分厚いこの本と展示空間との連なりが『Atlas』なので、また最新ヴァージョンであるこの本の刊行に合わせて川村記念美術館で展覧会もやってほしいですね。

ゲーム的リアリズムの誕生ー動物化するポストモダン2(東浩紀/講談社現代新書)
東京から考えるを読んだ後に続けて読む。これが自然に面白く読めるというのは僕もすっかり動物化しているからなのでしょうか?ALL YOU NEED IS KILL再読したくなりました。

コンテンツの思想―マンガ・アニメ・ライトノベル(東浩紀/青土社)
上記の第3章という感じ。新城カズマの発言の節々に思わず滲む危機意識は重要だと思う。

フランク・O・ゲーリーとMITステイタセンターのデザインと建設のプロセス(ナンシー・E. ジョイス/鹿島出版会)
非常にダイナミックで面白い現場が読める。改めてplanning/design/constructionを重ね合わせるプログラムということを考える。

月島物語ふたたび(四方田犬彦/工作舎)
徹底的な環境論としての都市の成り立ちも面白いけれど、優れた書き手の主観に寄った都市の成り立ちもまた面白いです。

セキュリティはなぜやぶられたのか(ブルース・シュナイアー/日経BP社)
「セキュリティ=テクノロジー」とか「セキュリティ=頑強さ」が間違っているのは明白。僕はセキュリティはユーモアとセットで考えるとけっこう上手く行くと思っています。

環境にやさしい新エネルギーの基礎(藤井照重他/森北出版)
基本的な内容ですが、具体的な構造&システム例が参考になります。

NHKスペシャル気候大異変―地球シミュレータの警告(NHK「気候大異変」取材班+江守正多編著/日本放送出版協会)
ゴア本よりコンパクトで安くていいです。そして科学者自身が主観で判断しながら科学的判断の主観性について言及しているところが何よりも真摯です。

人体 失敗の進化史(遠藤秀紀/光文社新書)
設計図は描き換えることができるし、描き換え続けることが醍醐味です。

われわれはどこへ行くのか?(松井孝典/ちくまプリマー新書)
自然や環境はこれくらいの大きなスケールのほら話と極微の現象を往還して観るのが楽しい。

ゴシックとは何か―大聖堂の精神史(酒井健/ちくま学芸文庫)
形態の精神史。自然を模倣すればする程人工的意匠性は強化されると思う。

ロベルトは今夜(ピエール・クロソウスキー/河出文庫)
つくづくエロスは宗教観と切り離せませんね。未見ですがクロソウスキー本人出演の映画もあります。

敗因と(金子達仁、戸塚啓、木崎伸也/光文社)
ドイツワールドカップから半年以上過ぎてようやく読むことができた。基本的に偏った視点ですが、これはこれでいいのだと思う。ヒディングの章は特に面白かった。

サッカー批評(Issue32)(双葉社)
上記とこれを合わせて読めばドイツワールドカップで日本代表がどういう状況だったのかある程度分かります。この執拗さはサッカー批評の神髄です。

文字の母たち Le Voyage Typographique
港千尋
インスクリプト (2007/03/23)
売り上げランキング: 24751
港さんがまた素晴らしい本を出してくれました。「アーカイブ」「ライブラリー」の果てしない夢に思いをはす。まさに秀逸!

民主主義

都知事選、キャラは面白かったけど、肝心の選挙は面白くなかったですね。選挙活動にも出会わなかったですし、全然盛り上がりを感じなかった。

民主主義とは何なのか?古代ギリシアまでさかのぼって考えてみよう。

民主主義―古代と現代
M. フィンリー 柴田 平三郎
講談社 (2007/03/09)
売り上げランキング: 24159

郊外の社会学

OREXISというフレンチレストランのレセプションに行きました。偶然なのですが、古くからの友人宮下仁くんと先日のd-laboレセプションで知り合ったSTUDIO MAGICの大根さんの両者から案内が来ていました。OREXISのプロデュース&デザインをSTUDIO MAGICがやっています。レセプション仕様で通常のレイアウトではありませんでしたが、黒くて暗くて味覚に集中できそうな空間でした。

郊外の社会学―現代を生きる形
若林 幹夫
筑摩書房 (2007/03)
売り上げランキング: 7223

が真摯な論考で面白い。新書を中心に乱発されているキャッチーなコピーありきの郊外論とは全く違います。前半はそういう耳障りのいいマーケティング的な郊外論や広義のアーキテクチャーを想像さえできない建築家たちへの間接的な批判になっています。

 

コミュニケーションの問題

朝からFさんと松本くんと打合せ。コミュニケーションの多レイヤー性について深く考える。特に今回はコミュニケーションデザイン的な提案だったのでその内容としてのコミュニケーションとそれを伝える意でのコミュニケーションがずれのループに入っているのかなー。その後松本くんと一杯話す。この日は途中何だかとても疲れたように感じた。けど松本くんと話してすぐにまたやる気が漲ってくるのでした。

コミュニケーションの問題ーということで先日届いたこれを読む。

一般言語学の諸問題
一般言語学の諸問題
posted with amazlet on 07.03.27
E.バンヴェニスト 河村 正夫
みすず書房 (2007/03)
売り上げランキング: 347741

「自己」と「非自己」

忙しいければ忙しい程本が読みたくなります。自然に身体が欲するのです。物理的な時間はあまりないので少しずつですが、ちょっとの移動やトイレの最中でも読んでいます。今この二つを読んでいるのですが、いずれも「自己」と「非自己」について書かれていてとても面白い。

生物がつくる〈体外〉構造―延長された表現型の生理学
J.スコット・ターナー 滋賀 陽子
みすず書房 (2007/02)
売り上げランキング: 89034
免疫の意味論
免疫の意味論
posted with amazlet on 07.03.16
多田 富雄
青土社 (1993/04)
売り上げランキング: 107767

やはり「デザイン」という言葉の意味は書き換えられなければなりません。

シグルイと鈴木先生

二つのマンガ、シグルイ鈴木先生がスゴ過ぎる。

『シグルイ』はずっと気になっていたのですがようやくの一気読み。筋肉や内蔵がやたら出てきますが、神経細胞の動きさえもヒリヒリと感じられるような迫力。「武士道」云々は全く重要でなく、精神から連続した神経細胞レベルでの現象を徹底的に描写していることがこのマンガの凄みだと思う。

『鈴木先生』は伊藤剛さんのブログで知りました。これも異様な作品です。実はこのようなリアルなマンガではリアルであるがゆえに踏み込めなかった領域までずーんと入っていきます。

テーマも絵も全く違う二作品ですが共通しているのは、絵(表紙)を見て手に取らないー読まず嫌いがおそらく多いだろうということです。(特にシグルイは人によってはひいちゃうかもしれませんが)僕も実はそういう部分もありました。が、そんなことで読まないでいるのは本当にもったいない。それから二作品にもう一つ共通しているのは「エロス」。意匠は全く違いますが通底しています。また続きを楽しみにするものが増えてしまいました。

シグルイ 1 (1)
シグルイ 1 (1)
posted with amazlet on 07.03.10
南條 範夫 山口 貴由
秋田書店 (2004/01/22)
売り上げランキング: 23407


鈴木先生 1 (1)
鈴木先生 1 (1)
posted with amazlet on 07.03.10
武富 健治
双葉社 (2006/08/11)
売り上げランキング: 793

ジャスコ的なもの?

d-laboの施工定例の後にミッドタウンを探索。いつもと違うセブンイレブンを発見。

ミッドタウン仕様ですな。現在はまだミッドタウン関係者しか利用できないようですが、果たしてこれも北田暁大氏が言うように「ジャスコ的なもの」になっていくのでしょうか?(参照:東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム

それから新宿に移動してトランジット木村さんらやリックさんらと打合せ。小さいですがsweetsなこのプロジェクトは超甘党の僕にとってはたまりません。本当は試食担当が一番やりたいのですが。

終了後、大増床リニューアルしたジュンク堂書店 新宿店へ。2フロアから3フロアへの増床なので印象が大きく変わったわけではありませんが、科学書の棚間とかゆったりした感じ。量も池袋店に匹敵しますね。単純に多ければいいものではありませんが、ジュンク堂の場合はそれが圧倒的な魅力になるくらい群を抜いています。噂には聞いていましたが、「反戦平和」棚ができていました。やるねージュンク堂。確定性の世界(文庫版)と科学は不確かだ!を購入。


refresh!

朝早くからd-laboの現場へ。(遅れてすみませんでした>みなさま)

工場で製作したスチールの造作物の確認。昨夜の段階で片方は焼き付けの色を間違えていることが発覚して即工場戻り。残った片方「refresh」の確認。他に103インチを支える強力な土台等。

その後、税務のために郵便局等をまわってからrefreshのために青山ブックセンター六本木店へ。今でこそ仕事で頻繁に来たり美術館や映画館等にも行ったりしますが、かつて僕にとっての六本木は青山ブックセンターとWAVEに行くためだけの街でした。青山ブックセンター六本木店のM2Fと2Fがレイアウト替えしていました。2Fはまだやりかけな感じではありましたが、カテゴリーによる棚分けでなくタグ的なゆるやかな連続性で編集されていて面白いと思いました。もっと思い切ってやってもいいと思うし、この中に古本も混在したら尚いいと思う。

ユリイカ第39巻第3号「レオナルド・ダ・ヴィンチ」季刊デザイン13「ロボットのデザイン」連続性の哲学を買って帰る。

戻ってからはいよいよ確定申告の作業へ。膨大な領収書の山に気を失いそうになりましたがチョコレート片手に頑張る。

東京から千歳へ

朝の便で北海道へ向かう。

機内読書は

東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム
東 浩紀 北田 暁大
日本放送出版協会 (2007/01)
売り上げランキング: 1185

ベースとなる視点はそれぞれの著書で既に示されたものではありますが、微妙な変化が読み取れたり生々しい告白がされていたり、二人の単独の著書にはない面白さがあります。

到着した千歳は少し吹雪いていてやはり寒い。空港で松本くんと合流してK社へ。まずはウェブに関する打合せ。システムの問題点からリニューアルの方向性について。単にウェブについてだけでなくデザインプロセス全般を考察しなければなりません。続いて夜からは建築の打合せ。構造、オペレーションを含めた最終的な段階に突入しています。打合せは深夜まで続く。

前陣速攻型

午前は秋葉原の「akiba1LDK+檜風呂」でD氏と打合せ。完成してからも続いている補修工事等の現場確認。よく考えたらこのプロジェクトずっと続いているからまだ撮影もしていません。近いうちに逢坂くんにお願いして映像を撮りたいと思います。

その後同じ秋葉原のビジョンテクノネットに移動してDGNの藤元くん、松茂くんと助っ人の田中くんらと打合せ。d-laboのコンテンツのシミュレーション。

実機で動かしてみてより楽しみになってきました。

mattに戻って中原さんと打合せ。中原さんはHAPPENINGのスタッフやmattの短期スタッフをやっていました。久しぶりに会って地域活性を含む面白そうなプロジェクトの話等。

夜はフジケンさんやノリちゃんらと新大久保のスンデ家でお腹一杯おいしい韓国料理を食べて、新宿で数年ぶりに卓球。フジケンさんと「ピンポン」ばりの真剣ラリーで盛り上がる。僕はペコと同じく右ペンの前陣速攻型です。卓球面白ー!対戦相手求む。

ピンポン (5)
ピンポン (5)
posted with amazlet on 07.02.17
松本 大洋
小学館
売り上げランキング: 16921

最近読んだ本 読書memo 007

ひとりっ子
ひとりっ子
posted with amazlet on 07.02.12
グレッグ イーガン Greg Egan 山岸 真
早川書房
売り上げランキング: 24673
グレッグ・イーガンの日本での3冊目の短編集。祈りの海しあわせの理由に比べるとバリエーションは少し絞られてまとまった感があります。アイデンティティへの探究はより徹底的に、そして自由意志論にも迫る。僕のベストは「ルミナス」か「ひとりっ子」。「ルミナス」は再読で、初読時に本気で数学基礎論を勉強しようと思ったのですが、今回も再び同じ決意をしたのでした...。イーガンはゲーデルのように神の存在証明に向かうのでしょうか。

超人類へ!バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会(ラメズ・ナム/インターシフト)
先日の荒川修作さんの「人間は昔から人工物なんだ!」という言葉を思い出しました。その通りだと思います。僕は素直に攻殻機動隊やイーガンのSFの世界を自身の身体で体験してみたいと思う。そしてそれらが進化論とどうぶつかっていくのかに興味があります。

ドーキンス VS グールド(キム・ステルレルニー/ちくま学芸文庫)
進化論と言えばこの二人。この簡潔な本で真っ向から対立しているわけではないことがよく分かりました。これ読んでそれぞれの著作を読むと分かりやすいでしょう。グールドはワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語しか読んだことがなかったのでこれから読んでみます。

はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語(吉田武/幻冬舎新書)
小川一水のSFにも負けない、いやそれ以上。泣きそうになりました。オイラーの贈物の吉田武さん、こんな本も書くのですね。すごいな。

偽満州国論(武田徹/中公文庫)
満州国に限らず、現代の都市デザインもほとんどその駆動部は変わっていませんね。国家という幻想と都市のリアリティは補完関係ではなく共犯関係だと思う。

BIOMEGA 1 (1)
BIOMEGA 2 (2)(弐瓶勉/集英社コミック)
待望の再開です。現在最強の漫画でしょう。素晴らしい。

さくらの唄 (上)
さくらの唄 (下)(安達哲/講談社文庫)
古谷実ワールドはすぐ近くにあっても不可視な世界ですが、この時代のダークワールドは可視の世界でした。でもこのぶっ飛び方はなかなか凄まじいです。

11人いる!(萩尾望都/小学館文庫)
バルバラ異界を読んだ後ではやはり物足りないと感じてしまいました。それでも設定は独創的ですし、何よりもキャラが魅力的で面白かった。タイトルも秀逸です。

ゲーデル総特集
ゲーデル総特集
posted with amazlet on 07.02.12

青土社
売り上げランキング: 46393
「現代思想」は臨時増刊等で時々優れたデザインの表紙を作りますが、今回もはっとするほど美しい表紙。色、レイアウト等がゲーデルにぴったり。中身は実はまだ一部(討議)しか読んでいませんがあまりにも素晴らしいカバーデザインだったのでフライングでアップします。

都合のいい真実

寒い北海道が戻りましたが東京は暖かいというより暑いくらい。戻り次第いくつかの打合せ。

不都合な真実
不都合な真実
posted with amazlet on 07.02.12
アル・ゴア 枝廣 淳子
ランダムハウス講談社
売り上げランキング: 3

が書籍・映画共に好調のようです。書籍の方を見ましたが、豊富なヴィジュアルを使った分かりやすい視覚表現で温暖化問題に関心を持つ(気づく)きっかけにはなると思います。ただ、ゴア氏の本というのであれば、なぜこれだけ温暖化問題が表出してきても政治(特にアメリカの)がアクションを起こせないのかーという問題にもっともっと深く鋭く切り込んでほしかったです。単に「ブッシュ+チェイニー政権」を批判するだけでは全く意味がない。じゃあ政権が変わったからといって根本的に解決するのかは疑問です。科学者でもなく社会活動家もない政治家としての彼にしか語れないところはそこにあるのだから。「一瞬だけ大統領になったアル・ゴアです。」というジョーク(?)も全く笑えません。

雪は天から送られた手紙である

約1ヶ月ぶりの北海道出張。

数日前までは北海道も暖かかったようですがもうすっかり雪景色。着陸した時は吹雪いていました。寒い。

プロジェクトB(仮称)の建築の全体打合せでしたが、ここにきて大きな問題が発生。これは部分の対処だけでは進めるわけにはいかないでしょう。じっくりーという時間はありませんがよく集中して考える。

夜降ってくる雪と積もっている雪を見ながら中谷宇吉郎が読みたくなりました。

雪
posted with amazlet on 07.02.11
中谷 宇吉郎
岩波書店
売り上げランキング: 3758

バルバラ異界

『バルバラ異界』読破。実は萩尾望都を読んだのは初めて。

バルバラ異界 (1)
バルバラ異界 (1)
posted with amazlet on 07.02.09
萩尾 望都
小学館
売り上げランキング: 3870

SFは大好きなのですが、ファンタジー系は苦手で萩尾望都にもそんなイメージを持っていました。ところが読んでびっくりのハードコアSF!絵のタッチに惑わされてはいけません。最後は少しだけ閉じたように感じてしまいましたが、それでも傑作です。先日の荒川修作さんの話を思い出す。他の萩尾望都作品も読んでみたくなりました。

今日はいくつか打合せをしてそれ以外はひたすら提案資料を作る。創作を創作のプロセスの中で現語で伝えるというのは難しいものです。

大失敗

d-laboのライブラリー他の打合せで北山創造研究所へ。今日のメンバーは北山創研若手チームと幅さんら。『hyper library』はd-laboヴァージョンを皮切りに様々な地点に出現していく予定です。そしてそれらがゆるやかに繋がって『超hyper library(仮)』になっていきます。ライブラリー以外についても意義あるお話ができました。全体定例では部分がこぼれることもあるので、各々で常にフィードバックを忘れないようにしなければ。

夜遅くからは新宿のとある現場の現調に。身体を使っての情報の読み取り。極めて小さなスペースですが、やはり現調はとても重要です。

大失敗
大失敗
posted with amazlet on 07.02.07
スタニスワフ・レム 久山 宏一
国書刊行会
売り上げランキング: 7773

を読み始めましたが、何だかすごいよこれ。レムおそるべし。

民衆防衛とエコロジー闘争

松本くんと中目黒のFRAMESで打合せ。情報のアーキテクチャについて。環境化する「ファインダビリティ findability」をどう創っていくか。

その後、久々の深紅プロジェクト(仮名)の打合せ。整理する必要はなく制作行為をそのまま現せればいいのですが、それがなかなか難しい。アニキはMacBookのブラックをコピー/プリンターのおまけでもらったそうです。いいなーマットブラック。

ヴィリリオの新著の装丁がかっこいい。

民衆防衛とエコロジー闘争
ポール・ヴィリリオ 河村 一郎 沢里 岳史
月曜社
売り上げランキング: 92487

カバーのヴィジュアル・色やタイポもいいのですが、この大きさが絶妙!書店で手に取った時にも、持ち歩いて読む時にも気持ちのいいサイズです。バートルビー―偶然性について [附]ハーマン・メルヴィル『バートルビー』の装丁も秀逸でしたが、月曜社は頑張りますね。

そういえば池上さんの本はどうなっているのだろう。

ターン

土日はお休みさせてもらって(森山さんごめんなさい)長野の峰の原にスノーボードをしに行きました。今シーズンの初滑り、といっても昨シーズンから始めたばかりで今回でまだ三回目です。今回はまたほぼゼロからかなーと思っていましたが、割とスムーズに乗れました。これもひとえに師匠フジケンさんの教えのおかげです。彼のアドバイスは本当に分かりやすくかつ実践的です。夜はフジケンさんが学生時代に居候していたハイジホフというペンションに宿泊。

単に暖かいだけでなくとても自由でリラックスできる家でした。中学三年生の暖くんと『ONE PIECE』他マンガの話しで盛り上がりました。

日曜日は菅平へ移動。晴天で最高に気持ちよかった。多少乗れるようになったので一人で黙々と滑る。やばい、めちゃくちゃ面白くなって来ました。行き帰りの運転からスノボの指導等、何から何までお世話になったフジケンさん&ノリちゃんに多謝。また行きたいです。

VAGANCEの本のある生活のvol.2がアップされています。

空の青み

大崎でBRAVIA web siteのインタビューを受ける。SONYのハイヴィジョンテレビBRAVIAで実際に映像を見ながら色々お話をするというもの。これだけ色彩=光にテクノロジーサイドから追求しているのなら、テレビを見る空間全体の光の行為を考えなければなりませんーというような話しをしました。見たい映像として『さらば、わが愛/覇王別姫』、『ブルー』、『シェリタリング・スカイ』、『映画史』等の映画やアマゾンや深海のドキュメンタリーを希望していましたが、結局見ることができたのはこれでした。

さらば、わが愛/覇王別姫
角川エンタテインメント (2005/11/25)
売り上げランキング: 5062

多彩な赤を見たいと思ってリクエストしたのですが、話しながら見ていて、突然現れた明け方か宵の口の空の青みがはっとするくらいきれいでした。これで毎週サッカー見たいなー。

その後中目黒のBACHへ行き、今度はVAGANCEの対談。BACHの幅さんと「本のある生活」について。幅さんとは今進行中のd-laboプロジェクトでも一緒にやっていますが、色々話したいと思いつつ打合せ以外でゆっくり話す機会があまりなかったのでほとんど雑談みたいになってしまいました。途中はたと気になって編集の富田さんに確認しましたが「そんな感じでいいです」とのことでしたので、そのまま最後まで対談というのを忘れて話す。後半はマンガそれも『ONE PIECE』の話しで燃え上がる。対談終了後、勢いそのままで幅さんとその友人たちと富田さんとで食事に行きましたが、ADの山野さんらと今度は『NARUTO』や『ジョジョの奇妙な冒険』で熱く話す。山野さん面白過ぎ。それにしてもマンガの話しをすると無性にマンガが読みたくなりますね。

スイーツ欠

午後からずっとd-laboの施工関係の打合せが続きました。現場施工も動き始めています。といってもまだ解体と墨出しが一部終わっただけですが。竹中工務店の現場責任者がこの段階で替わったりして少々混乱していますが、みなさんそういう状況を何度もくぐり抜けて来ている方々なので大丈夫でしょう。今日は打合せの中で話しながら問題を出していきその場でどんどん即断していったので終わった頃にはスイーツ(糖分)欠状態。前の機材の打合せを含めてほぼ5時間休憩なしの打合せでした。

「Google、電子書籍レンタル・販売を準備中」
http://japanese.engadget.com/2007/01/23/google-ebook-agenda/

いよいよ間近のようです。電子書籍の出現によって紙本も進化していって読書体験がより豊かになればいいと思います。そういう本の環境を創っていきます。

第三の眼

あるプロジェクトのブレストで港千尋さんに久々にお会いしました。港さんは今年開催されるヴェネチア・ビエンナーレの日本館のコミッショナーをされています。
http://www.jpf.go.jp/venezia-biennale/art/j/52/
そのため今年は特に多忙のよう。

港さんはいつも軽やかに境界を繋いでいきます。何か決まった領域と領域の境界というのではなく様々な境界にふわりと立ちつつそれらを繋いでいくという感じ。実際に時代の境界や社会の境界を歩いて撮り続ける中で獲得したであろう『第三の眼』と『考える皮膚』は柔らかな笑顔をたたえつつも強烈に鋭いです。特に様々な領域の人々が集まっての話しの時はそのスタンド能力は異常に高まります。d-laboのこともちらりと話しましたが一緒に面白いことができるかもしれません。

第三の眼―デジタル時代の想像力
港 千尋
廣済堂出版
売り上げランキング: 118184

VAGANCE創刊

cafegrooveの新媒体VAGANCEが創刊されました。

◆『価値ある浪費』がテーマ
VAGANCEは『浪費(extravagance)』をキーワードに、有限である「モノ(物)・トキ(時)・カネ(金)」の真の価値を見い出し、それらを最大限に利用することで『価値ある浪費』を再定義・再提案していくことテーマとします。カネがあったとしても時間がない、あるいはその使い方が分からない人が多いなか、カネやモノはその真の価値に気付かれないまま、やみくもに消費されています。その一方で、「物質的な充足感は永続きをしないもの」ということに、現代人の多くは気付き始めているはずです。そこでVAGANCEは、自分なりの楽しみ方で上手に浪費できる、真の価値に対しての確かな審美眼をもった“大人の男”のライフスタイルに着目します。今日メディアの多くが“富裕男性層”に目を向けているなか、カネを主軸に扱うことを敢えて避け、独自の着眼点と高い取材力、そして“浪費”という名の知性と教養を手に、文化に対して積極的にパトロネージしていくことを目的とする、他に類を見ない男性向けウェブマガジンです。
(リリースより)

僕は「LEGGO 本のある生活」というコンテンツで取材を受けました。
http://www.extravagance.jp/leggo/200701/16.html?page=1
とても“大人の男”とは言えないインタビューになっていますが、ぜひのぞいてみてください。一応vol.2へ続いて、その後は僕が「本のある生活」を訪問していく予定です。それが楽しみで仕方ありません。

諸君!それでも正論か

お正月らしいことは何もなかった正月休みはあっという間に終わり、内も外も当たり前に動き始めました。お正月はどっぷり読書をーと思っていましたが何だかバタバタして没頭できませんでした。

雑誌をあまり読まなくなりましたが、最近論座がちょっとおもしろい。宿敵である読売の総帥ナベツネ氏が登場したあたりからでしょうか。ナベツネ氏と若宮啓文氏 (朝日新聞論説主幹)の対談自体は薄く押し広げて重なった部分の拾いあいという部分は多分にありましたが、ナベツネ氏が登場したというだけでもマスメディアにおいては画期的でした。その後も「諸君!それでも正論か」や最新号の「蔓延するニセ科学」等おもしろい企画や切れ味鋭い記事がいくつかありました。今やあらゆる方向から叩かれている朝日新聞ですが、論座や新書で挽回できるのでしょうか。

論座 2007年 02月号 [雑誌]

朝日新聞社出版局
売り上げランキング: 2616

初買い

公私共々年賀状を書くのをやめてから久しいので、当然ながら年々来る年賀状も減っていきます。そんな中でもお送りいただいている皆さまへはこの場をかりてお礼を申し上げます。どうもありがとうございます。

年賀状に限らずお正月らしい行事とは無縁ですが、二日初売りということで八重洲ブックセンターに行きました。たまったEdyがあって、Edyを使える書店で大きめのところが八重洲ブックセンターくらいしかなかったので。久しぶりに行ったのですが、リニューアルをしてビル全体がまるごと書店になっていました。(2005年9月にリニューアルしたそうです)場所柄ビジネス書が充実していますが、鹿島建設グループということもあり建築・土木書にも力が入っています。建設会社のグループ書店なのだから書店建築としてもっと工夫がほしいところです。特に照明は照度、色温度共に本を見る上で適していない。こんな当たり前のことをどうしてちゃんとやらないのか分からないです。

生命 最初の30億年―地球に刻まれた進化の足跡
アンドルー・H. ノール Andrew H. Knoll 斉藤 隆央
紀伊國屋書店
売り上げランキング: 7541

情報時代の見えないヒーロー[ノーバート・ウィーナー伝]
境界知のダイナミズム
NHK問題

等を購入。とりあえず休みの残りの時間は読書します。

最近読んだ本 読書memo 006

朽ちていった命―被曝治療83日間の記録
NHK「東海村臨界事故」取材班
新潮社
売り上げランキング: 3467
久しぶりの一気読み。といっても薄い文庫本なのであっという間でしたが。途中で止められるような内容ではありませんでした。1999年の東海村臨海事については、事故直後の避難要請や避難勧告をはじめとした対応、JCOによる作業工程管理の杜撰さ、臨界事故の科学的解説、そして特に多量の放射線を浴びた作業員3人のうち二人が亡くなったこと、等が報じられていたのを記憶しています。この本は被曝して亡くなられた作業員の一人の83日間の治療記録。まさに身体が内部から朽ちていくーその様子のみが綴られた記録。こういうドキュメンタリーは情緒性に偏り無駄な贅肉を纏ってしまい肝心な部分が見えなくなることが多いのですが、この本は放射線被曝によって人間がどうなっていくかを短い本でありながらしっかりと伝えている。優れたドキュメンタリーはフォーカスを徹底的に絞り込みながらもフォーカス外をも想像させる力を持つ。この本もそんな力を持っています。

「核」論―鉄腕アトムと原発事故のあいだ(武田徹/中公文庫)
「核」つながりで。こちらは(できる限り)一つのポジションに身を置く事なく多視点を描く事で「核」の社会化にフォーカスしていく。高木仁三郎のナイーブさについての言及等も僕自身は持っていなかった視点でした。東海村臨界事故についても一章割いています。

インテリジェンス 武器なき戦争(手嶋 龍一、佐藤 優/幻冬舎新書)
読み始めた時にも一度触れましたが、やっぱり面白かった。言い切れない部分を含ませつつの話し(もちろん核心は滲ますことさえできないのでしょうが)の展開がより想像をかき立てる。お互い認め合いながらも見解の相違はそれぞれプロとして明確に対峙する部分もスリリング。内閣官房副長官補の谷内正太郎にも興味がわきました。

インフォーマル(セシル・バルモンド/TOTO出版)
建築界隈で構造家セシル・バルモンドが異常に持ち上げられている状況に違和感を持っていたところでこれを読んでみましたが、その違和感は取り除かれることはありませんでした。彼が優れた構造エンジニアであることに疑いはありませんが、あくまでも建築=造形創作のフレームの中での新しい手法としか感じられません。

前田建設ファンタジー営業部(前田建設工業/幻冬舎)
子供の頃マジンガーZにしてもウルトラマンにしてもガッチャマンにしても基地が大好きでした。ゼネコンがマジンガーZ地下格納庫を実際に作るーという企画が本になったものですが、この本の意義は実際に見積りと工期まで出されているということです。せっかく面白いことを始めた前田建設でしたがこの後談合事件への関与が明るみに出てしまいましたとさ。

エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門(永山薫/イーストプレス)
エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあることに続くカバーがないと読みにくい本シリーズ。正にそれに現れているような「エロの壁」がエロマンガの特性の一部を形成しているという指摘は鋭い。マンガの歴史には現れないエロマンガの歴史は深く広く面白い。

20世紀少年 22―本格科学冒険漫画 (22)(浦沢直樹/小学館コミック)
大好きなマンガなんですよ。全巻揃えています。しかし、ここ数巻は拡散と収束のバランスがどうも気持ち悪いです。安定した結末なんて求めていませんが拡散と収束が引き起こすダイナミックさを期待します。

PLUTO 4―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (4)
浦沢 直樹 手塚 治虫
小学館
売り上げランキング: 1
20世紀少年に比べてこれはまだまだ期待が高まるダイナミズムを持っています。実際どうだったかは分かりませんが、手塚治虫が考えたであると思われることにより深く切り込んでいる。工学的な側面よりもむしろ認知科学や心脳問題、意識の科学について。各巻の装丁・カバーも秀逸。

フィードバック

年内最後のd-labo定例ミーティング。いくつかの展開と少しの見直し点について。開放性を持つ動的なプロジェクトにおいてフィードバックは非常に重要です。それは負のフィードバックによる安定化という側面だけではありません。

フィードバックといえばサイバネティックス、サイバネティックスといえばノーバート・ウィーナー、ということで

情報時代の見えないヒーロー[ノーバート・ウィーナー伝]
フロー・コンウェイ ジム・シーゲルマン 松浦 俊輔
日経BP社
売り上げランキング: 132109

が出ていましたね。読みたい。

ノロノロ

スタッフの森山さんに「leeさん、ノロウィルスだったんじゃないですか?」と普段よりかなり遠めから言われましたがそうだったのでしょうか?まあ治ったからよかったのですが。

環―歴史・環境・文明 (Vol.27(2006Autumn))を購入。特集が「誰のための金融か」だったので。d-laboのために改めて「金融」を考える。グラミン銀行のムハマド・ユヌスのインタビューや若田部昌澄の中央銀行論等おもしろそうです。

インテリジェンス

幻冬舎新書が創刊されました。一挙、17冊刊行のラインアップよりインテリジェンス武器なき戦争右翼と左翼を購入。インテリジェンスーから読み始めていますが、これすごく面白いです。手嶋龍一と佐藤優の組み合わせが面白くないわけありません。当然ながらプロフェッショナルとしての核心となる情報(インテリジェンス)がここで語られることはありませんが、二人の見えない抜き合い差し合いから様々な想像ができて興奮します。浅羽通明の右翼とーも面白そう。幻冬舎の本はこれまであまり読んでいなかったのですがこの出版社の特性は新書で生きるのかもしれない。

3月にソフトバンク新書創刊、10月には朝日新書創刊と新書棚は飽和状態(小さい書店はレイアウトに相当苦心しているようです)をさらに超えてどこまで行くのだろう。ソフトバンク新書からはライトノベル「超」入門インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門等面白い本が生まれていますが、朝日新書の方は個人的にはまだ一冊も読みたいと思う本がありません。

パプリカ

パプリカ見ました。川崎チネチッタで。ここは穴場です。webで座席指定できるし、都内に比べて混雑しないし、おまけに椅子がとても快適です。

いやー、面白かった。楽しさと不気味さを持つ夢世界を映像で見事に表現していました。夢と現実が溶解していく感覚も。「パプリカ」も「時をかける少女」も筒井康隆の原作は優秀なアニメーターの表現を引き出す要因を持っているのでしょう。映画の原作としてのクオリティが高いというだけではなく小説はもっとぐにょぐにょで面白いですよ。

パプリカ
パプリカ
posted with amazlet on 06.11.28
筒井 康隆
新潮社
売り上げランキング: 617

本屋さん始めました

amazonインスタントストアの話ですが。
matt | atlas books
今のところ「最近読んだ本 読書memo」のリストをただ掲載順でアップしているだけのベータ版ですが、気が向いたら編集とかするかもしれません。

最近読んだ本 読書memo 005

赤を見る―感覚の進化と意識の存在理由
ニコラス ハンフリー Nicholas Humphrey 柴田 裕之
紀伊國屋書店
売り上げランキング: 7299
このテーマをこの薄さで...?と思いながら、個人的に旬なテーマであること、インパクトのある装丁に惹かれたこと、そして前著の喪失と獲得―進化心理学から見た心と体が面白かったことーで読んだのですが、最後はやっぱりすかされた感じ。が、途中の盲視の事例による感覚と知覚の分析はとても刺激的で考えさせられました。

都市のイメージ(ケヴィン・リンチ/岩波書店)
僕自身は(集団の)イメージされる都市(もしくは国家)ーという考え方の有効性については信用していませんが、イメージをイメージアビリティimageabilityにまで拡げたところにこの本の有効性はあると思います。

サイボーグ化する私とネットワーク化する世界(ウィリアム・J. ミッチェル/NTT出版)
過去に読んだシティ・オブ・ビット―情報革命は都市・建築をどうかえるかe‐トピア―新しい都市創造の原理に続く三部作の完結ということで読みましたが最後まで凡庸な「いま」論で終わりました。MITメディア・ラボってもう終わっているのかしら。

ハイパーサーフェスのデザインと技術―やわらかな時代の建築に向けて(瀬尾文彰・松本信二監修/彰国社)
新たなる空間(建築)の設計手法を考えていて、めずらしくいくつか建築本を読んでいます。「在ること」としての空間(建築)までを捉える設計手法についてもやもやと考え続ける。

だまされる脳―バーチャルリアリティと知覚心理学入門(日本バーチャルリアリティ学会/講談社ブルーバックス)
改めて従来のバーチャルリアリティにはデザインという観点が全くないことを痛感しました。これではどこにも伝わらないのではないでしょうか。

なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか(スーザン・A. クランシー/ハヤカワ文庫)
アブダクションについての本ですが、アメリカ現代文化史としておもしろく読めました。UFOとポストモダンを読んだ後にこれを読んだので部分としてよく分かりました。

24のひとみ 1 (1)(倉島圭/秋田書店)
「嘘つきのパラドックス」等は別にして、ひとみ先生ってかわいい...。久しぶりにキャラに惹かれてしまった。

奉納

Sign代官山で松本くんとランチミーティング。企画案とそれに対するリサーチの報告。方向性を確認し合ったのでこれを来週の打合せまでにまとめます。デザインをする、企画をするということはプロジェクトそのものの可能性を拡げるということです。その可能性の起点は様々な形態で存在していますが、現れているもの見えやすい安定したものよりも見えにくくて不安定で潜在的なものの方がダイナミックに発展していくことが圧倒的に多いです。今回のこのプロジェクトでもそんな潜んでいる起点を探索することから始まります。

夕方日本橋で打合せを一本終えた後、青山ブックセンター六本木店のregarding raster-notonを少し覗きました。観客が同じ方向に向かうという通常のライブ形式をせまい書店空間で無理矢理作るよりも、通常の書店空間の流れの中で観客を一カ所に集中させずにパフォーマンスする方がより面白かったと思う。それでもこんな企画を書店という空間でやるということだけでも充分に評価できると思います。カールステンに上記のような感想を伝えて、RATIO 02現代思想vol.34-13 (特集リハビリテーション)を購入して帰る。RATIOは01もかなりのボリュームでしたがさらにボリュームアップしています。すごいですね。

帰り途でこんなのに出会いました。

「奉納」って....。

Hi, I know you.

午前中恵比寿で一本打合せをしてその足で品川のキヤノンギャラリー Sでやっている「Off-Sense離常識(オフセンス)な世界」を観に行きました。

「離常識な世界」は「超日常(超現実ではなく)な空間」でした。サウンドをATAKの渋谷くん&エバラくんがやっています。仮想空間におけるアバターたちの運動によって生成される音たちはあの作品がより空間性を獲得するのに大きく貢献していると思う。渋谷くんも触れていましたが、それにしてもあのギャラリー自体は完全に放置されていて仮死状態という感じですね。(スピーカーは大丈夫でしたよ)この作品の場合はそれによってより感じられるという部分もありますが。

その後、資料を探しに神保町に行ったら神田古本まつりをやっていて大変な人出でした。とてもじっくり探せる感じではないし時間もあまりなかったので南洋堂でa+uのバックナンバーを1冊買って帰る。

本のある空間

「本のある空間」というテーマでcafegroove富田舞さんの取材を受けました。舞ちゃんは数年前にATAKつながりで知り合い、サッカージャンキーの同士でもあります。12月に新しくスタートするサイトの企画とのこと。最近自宅に本が置ききれなくてかなりmattのデスク周りが埋もれつつあるのですが、その辺りを重点的に撮っていました。後はお気に入りの本ということで、CUBE SOL LEWITT 1990、バートルビー―偶然性について[附]ハーマン・メルヴィル『バートルビー』クワイン―ホーリズムの哲学風と光と二十の私との話や、なくしてしまったボイスの本の話など。楽しかったです。新しい企画もさらに楽しみ!

勇気

プロジェクトにおいて環境を観察することはもちろん重要なことですが、環境というのは現場(ロケーション)に限った話ではありません。現場に現れない背景や支えとなるネットワーク等あらゆる環境要素の部分と全体を観察しなければなりません。その上でどう進めていくのかを考えていくのですが、まれにやめるという選択になる場合も出てきます。とても勇気のいる選択ですが。

打合せの帰りに青山ブックセンター六本木店に寄ったのですが、11/1からregarding raster-notonという企画があるらしいです。カールステン、今回の来日はよく仕事しますねー。楽しみにしていた東京の果てにが入荷していたので購入。

私は海を抱きしめていたい

谷中から根津あたりを歩く。一箱古本市をやっているということで行ってみましたが収穫はありませんでした。出かけるのが遅かったようです。途中books&cafe BOUSINGOTで風と光と二十の私とを購入。そのままそこでコーヒーを飲みながら所収されている『私は海を抱きしめていたい』を読む。随分前に読んでいるはずなのですが、やはり衝撃を受けます。安吾はどこにも立っていない。

その後入った往来堂書店で何だか見たことある人がーと思ったらSさんらしき人が新刊文庫本の表紙になっていた。びっくり!(確認したら間違いありませんでした)

生誕100年

午後からsign外苑前で某プロジェクトのプレゼンテーション。終始ハイテンションで感触は良好でした。その後は都内某所の現場にてプロジェクトS(仮名)の施工に関する打合せ。このプロジェクトが高難度であることを瞬時に見抜き、それに対して前向きに捉えて素早く自発的に動いてくれるープロの施工担当者が一人いて非常に心強く感じました。

新聞で今日2006年10月20日が坂口安吾の生誕100年の日だというのを読んで、桜の森の満開の下を引っぱり出して読む。今回一番強く感じたのは「無限への怖れ」でした。それにしても何度読んでも呼吸がとまりそうになります。

他にも朝永振一郎、クルト・ゲーデルが今年生誕100年にあたります。朝永振一郎の鏡の中の物理学も読みたくなり探したのですが見つからず。

最近読んだ本 読書memo 004

ミシェル・フーコー講義集成11巻 主体の解釈学(ミシェル・フーコー/筑摩書房)
新聞で吉本隆明がこの本について語っていて気になったのですが、翻訳者の一人が高校の同級生(原和之くん)でびっくり。東大の助教授で20世紀のフランス思想を中心に研究しているそうです。それはともかく主体の歴史すごくおもしろい。フーコーの講義は熱いし。まだ全部は読み切れていません。

科学は臨死体験をどこまで説明できるか(サム・パーニア/三交社)
臨死体験から意識の問題へのアプローチ。臨死体験を科学として探求していくというのは本当に難しいと思いますが、それに向かう著者の真摯な姿勢は伝わります。それにしても表紙とか邦題とかもう少し考えないとただのトンデモ本と思われてしまいますよ。

UFOとポストモダン(木原善彦/平凡社新書)
UFO現象っていろんなアプローチがありますが、「UFO神話研究」は明快で分かりやすい分析。個人が「現実」を選びとっているというのは現在に始まったことではないと思いますが。

グーグル・アマゾン化する社会(森健/光文社新書)
ウェブ進化論を読んだ人はこれも読んだ方がいいと思う。他の「Google本」や「Web 2.0本」を読んだ人もこれも読んだ方がいいと思う。色々な視点があるということで。

ダーウィンの足跡を訪ねて(長谷川眞理子/集英社新書)
写真も豊富で美しくとてもよくできた新書です。自分が行った気持ちになるのではなく自分の足でぜひ行きたくなる。長谷川眞理子は自著も翻訳も含めて本当にいい本を書きますね。

学校(山本直樹/太田出版)
エロくて怖くて不思議でエロくてわけ分からなくてやっぱりエロい、山本直樹の傑作集。

ノンリニア

プロジェクトS(仮名)のコンテンツプレゼンに向けての打合せ。今日はチーム一同代官山のUNICEに籠って集中。いろいろいいアイデアが出現してきました。いかに空間にノンリニア性を持たせることができるかが鍵になります。

夜は深紅プロジェクト(仮名)の打合せ。僕は久々だったのですが、その間も中村さんたちの作業はぐーんと進んでいてすっかり赤く染まっていました。廣澤アニキの領収書の話しは深かったです。いつもいろいろ勉強させていただいています。

帰りにABCで


を購入。僕は普段はカバーはしてもらわないのですが、今日はしてもらいました。

SENSATIONAL EXPERIENCE

タバコブランド“KOOL”が雑誌TOKIONとコラボレーションして作るフリーペーパーの取材を受けました。「“SENSATIONAL EXPERIENCE”を受けたと思われる、アイテム(小物、ステーショナリー、本など)をステーショナリーを中心に7~8点ほどご紹介してください」とのこと。純粋に“SENSATIONAL EXPERIENCE”ということで選ぶと上位は本ばかりになってしまいますが、長く愛用しているステーショナリー等もまじえた今回のセレクトは以下の通りです。

D.I.MのRULER BRUSH
Pelikan Rollfix
STAEDTLER 三角スケールアルミ芯ポケット型
raster-notonの20' to 2000シリーズ
Light- Lightwedge Reading Light: Paperback Size
ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環/ダグラス・R・ホフスタッター
Letters from Wittgenstein, Abridged in Ghent./JOSEPH KOSUTH(amazon.co.jpでの取り扱いはありませんがとても美しい本です)

11月1日に配本予定だそうです。

LIBRARIES

今日は北山創造研究所のみなさんとトランジットの中村氏とBACHの幅氏とでプロジェクトS(仮名)の打合せがありました。幅さんはさすがに色んな本を読んでいるし本への愛着がすごいです。(自身では紙フェチだと言っていました)僕がこのプロジェクトの参考資料にしていた

Candida Hofer : Libraries
Candida Hofer : Libraries
posted with amazlet on 06.10.11
Umberto Eco
Thames & Hudson Ltd
売り上げランキング: 1,271,632

を幅さんも参考にと持って来ていました。これは本当に本好きや図書館好きにはたまらない本です。まさに圧巻!

その後中村くんとsign外苑前に場所を移して別プロジェクトの打合せ。こちらも楽しみなプロジェクトです。しかし中村くんは八面六臂の活躍ぶりです。体を壊さないように少しはご自愛くださいませ。

建築本

トランジット中村くんとsign外苑前で打合せ。いろいろ楽しみな種はありますが、まずは一つ一つのプロジェクトを深く高く!

帰りに青山ブックセンターで建築本を2冊購入。一つは見えない震災―建築・都市の強度とデザイン。これは平山洋介の文章が掲載されていたので即決。'03年にニューヨークへ行く機内で読んだ不完全都市―神戸・ニューヨーク・ベルリンがすごくよかったので。もう一つは歪んだ建築空間―現代文化と不安の表象。目次を見ただけですがこれもおもしろそう。

ダウン&クラッシュ

と思っていたら、翌朝発熱でダウン。ですがまた打合せがいくつか控えているので寝込むわけにはいかなく、かかりつけの加藤内科クリニックへ。ここは小さな病院ですがとても人気があっていつもかなり待つことになります。待っている間に中目黒ブックセンターで購入した現代思想 2006年10月号特集=脳科学の未来の茂木健一郎+郡司ペギオー幸夫+池上高志の討議「意識とクオリアの解法」を読む。熱でぼーっとしているので難易度高い部分はスルー。とても近しい三人による討議は同意する部分と疑問や反論を持つ部分があいまいにされることなく示されていてめちゃおもしろい。三人の立ち位置というのがクリアに感じられました。池上さんの「(研究をしていて)何かがわかってくる感じになるかどうかっていうのはよくわからないな。」という言葉に「うん、うん」って頷いていたら隣のお爺さんも何だか頷いていました。熱が下がったらもう一回じっくり読んでみます。

mattに戻ったら何とスタッフの森山さんが使っているmacがクラッシュ!大体のデータはバックアップしてありましたが、来週月曜日に提出の図面データが消えてしまいました...。頑張れ森山さん!

無差別級/たらの芽書房

PRIDE無差別級グランプリをスカパーで見ました。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/pride/live/200609/10/index.html
準決勝の二試合は本当に凄まじかった。ミルコ×シウバは正に打撃戦だったのですが、やはり打撃の基本スキルが違い過ぎました。両者共万全な体調で向き合うとあれほどの差が出るのですね。ミルコの極限まで研ぎ澄まされた集中力も圧倒していました。シウバはかつてのような獰猛さがなくなっているような気がします。これでUFCに乗り込むのは危ういのではないでしょうか。一方のジョシュ×ノゲイラのフルタイム寝技戦もめちゃくちゃ面白かったです。判定はどちらが勝ってもおかしくなかったです。決勝は準決勝のダメージ、試合順によるインターバルの差の問題はもちろんありましたが、それらを考慮しても昨日のバースデイ・ミルコは強過ぎた。次のヒョードル戦は楽しみですし、オクタゴンでのミルコも楽しみ!

それにしてもフジがPRIDEのような優良コンテンツを唐突に手放したことがつくづく不思議で仕方ありません。「黒い影」云々は格闘技・スポーツ界どころか芸能界だって元々ある話しなので単にそのことだけが理由だというのは絶対にないでしょう。正当な理由があるならマス・メディアとしてきちんと公開しろよーと思いますが。

久しぶりに古本屋さんに本を売りに行く。いつも行くのは近所のたらの芽書房。哲学/社会学/歴史/文学/マンガ等はわりといい値段で買い取ってくれます。売ってしまった本を後からまた(他の本経由等で)読みたくなったりしたことが何度かあったのでしばらくは古本屋に持って行ってなかったのですが、さすがに家も仕事場も埋もれてきているので少しは整理しなきゃと思ったのでした。だけど、本て本当に重いし、「この本今は絶対にもう読むことはないと思うけど、またどういう契機で手にするか分からないよな....」とかやっていると結局あまりたくさんは持って行けませんでした。おまけに100円で草枕を買いましたがこれも昔岩波か新潮かは忘れてしまいましたが以前も持っていたのですがねー。

最近読んだ本 読書memo 003

私家版・ユダヤ文化論(内田樹/文春文庫)
内田樹の「おじさん芸」は苦手なのですが、これはすごく面白かった。「私家版」と名乗ることでここまで書けたというのもあるでしょうがその暴走ぶりが秀逸。ついつい他の問題も置き換えて考えてしまいます。

昆虫―驚異の微小脳(水波誠/中公文庫)
子供の頃は人間以外の動物よりも昆虫の方がずっと身近な存在でした。それにしても昆虫はやっぱりすごい。ロボットよりずっとすごいですね。(当たり前ですが)

系統樹思考の世界(三中信宏/講談社現代新書)
かねてから著者の生物系統学を読みたいと思いながら大著ゆえに尻込みしていたのでまずは新書から。系統樹思考について縦横無尽に語られていますが、この語りが全編通じて熱いです。「アブダクション」についてはもっと考えてみたいです。

精神史的考察(藤田省三/平凡社ライブラリー)
僕の子供の頃はまだ隠れん坊遊びをしていました。隠れん坊したことない人もアドルノ読まない人もこれは読むべし。

権利のための闘争(イェーリング/岩波文庫)
インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門を読んだ流れで読みました。その通りだなーと素直に思う。

第三次世界大戦秘史(J・G バラード/福武文庫)
バラードの小説は少し先の未来の予言になっているものが多いです。サンリオ文庫と福武文庫の良タイトルはぜひ他社の文庫で復刊してください。(既に復刊されているものもあります)

今回は新書や文庫ばかりですね。単行本もいくつか読んではいますが、既にブログで登場済みですので。原則としてこの読書memoはブログ内で一度登場したもの以外のリストとなります。他にもマンガ週刊誌はコンビニ等で読ませていただいています。

スケーターとミース

今日は朝一番からの打合せに始まり、打合せの連続でした。打合せの用にクローンか分身の術がほしい。(また言ってる)

スケートボーディング、空間、都市―身体と建築をパラパラと読んでいます。その中で「(ミース)ファン・デル・ローエの広場にある磨き上げられた大理石の平面が、シカゴのスケートボーダーたちにとってのメッカである」という記述がありました。昨年ベルリンを訪れた時にミースの新国立ギャラリーに行くと閉館中で人はいなくて中身も空っぽだったのですが、敷地内で2、3組のスケーターたちがやっていました。その時にまさに空っぽで開けた新国立ギャラリーとスケーターたちが絶妙に合っているように感じたのですが、スケーターにとってミースの空間は「自然な芝生」なのだそうです。カルスタとか抜きにして素直に空間論として面白いです、この本。にしても本の中身と装丁が全く合っていませんね。こういう本がそもそも重いということにも問題ありますが。

pluto

冥王星は「惑星」ではなく「矮惑星」というものになったそうです。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0608/25/news025.html
カール・ポパーは科学の定義として、「科学理論は実験(客観的データ)によって反証出来なければならない」と言いましたが、今回の手続きは「実験(客観的データ)による反証」とは到底言えません。科学はいくら実験(客観的データ)を積み重ねて到達した事象でも結果としてとらえてはいけないのだと思います。終わりなきプロセスの一地点なのだから結果を知識として得るのではなくその地点における進行形の思考のプロセスに参加することが重要です。もちろん参加の度合いは科学者から小学生や理系嫌いの大人まで様々ではありますが。

環境について活動されたり日常の暮らしの中で意識されている人に多くあることですが、数値化された(客観的だと思われている)データ(結果)や環境についての社会的キーワード(トレンド)については詳しいのですが、動態としての自然科学全般への好奇心はほとんど持っていないということがあります。環境について考える上でのまず最低限持たなければならない基礎意識だと思うのですが。かつて、そういう好奇心=センス・オブ・ワンダーを源にあらゆる領域を研究するラボを創ろうとしたこともありました。残念ながらそのプロジェクトは計画変更になり実現しませんでしが、またいずれトライしたいと思います。

冥王星で思い出しましたが、PLUTO (3) ビッグコミックの続刊はいつ出るのでしょう?コミックを楽しみにするためにビッグコミックオリジナルは読まないようにしていますが焦らされますねー。早く続きが出ることを希望します。

黒い時計の旅

午前中、西麻布で打合せを終えて青山ブックセンター六本木店に立ち寄る。探していたものとは全く違ったのですが、東京裁判への道(上)黒い時計の旅等購入。東京裁判への道(上)は映画太陽を先日見ていて気になったので。黒い時計の旅はフィリップ・K・ディックの高い城の男(僕のディックベスト3の一つ)と並び称されていますが、パラパラめくったところずいぶん違った感触です。いずれにせよスティーヴ・エリクソンは初めてなので楽しみ。実は黒い〜も映画太陽からの流れだったりします。

Dice-K氏の次へ向かう力強いコメントを見てほっとしました。
http://www.dice-k.com/0224/1457.html
ささやかながら今後も応援したいと思います。

もっと高く

いよいよ動き出したプロジェクトS(仮名)のファースト(ラフ)プレゼンがありました。クライアントの「どこにもない新しい場所を創る」ことへの思いは僕たちの想像を超えていました。すごく嬉しいとともにヒリヒリとした緊張感も感じて、心地よい興奮状態になってしまいました。もっと深く深く潜ってもっと高く高く跳びますーこのプロジェクト、このチームで。さらにプレゼン後のお食事会でフランクなコミュニケーションができたのでより意識が共有できたと思います。(めちゃめちゃ美味しい焼き肉をごちそうさまでした!)

今回のプロジェクトのための参考文献リスト
サイバースペース(マイケル・ベネディクト編/NTT出版)
アンビエント・ファインダビリティ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅(ピーター・モービル/オライリージャパン)
インターフェース革命(ジェフリー・F・レイポート&バーナード・J・ジャウォルスキー/ランダムハウス講談社)
SNSビジネス・ガイド Web2.0で変わる顧客マーケティングのルール(斉藤徹他/インプレスジャパン)
信用ゲーム―おかねって何だっけ?(NTTインターコミュニケーションセンター/NTT出版)
暗黙知の解剖―認知と社会のインターフェイス(福島真人/金子書房)
etc.

太陽

アレクサンドル・ソクーロフ監督の太陽を見ました。上映館が非常に少ないこととお休みというのもあって立ち見がでるほどの混雑。昭和天皇を一個人として描いた悲喜劇。本当に笑いどころも満載なんですよ。特に昭和天皇と科学者(研究所所長)とのシーンは爆笑しました。その一個人の内における悲喜劇性を演じるイッセー尾形はすごいと思いました。昭和天皇を見たアメリカ兵が「チャップリンに似ている」と騒ぐシーンがありますが、僕としてはイッセー尾形がチャップリンにダブって感じました。

歴史については、事実(だと考えられている事)の積み重ねによって知るーということも大切ですが、フィクションという手法によってイメージ=感覚するーということも大切です。この映画において「こんな事実はない」等の議論は意味を持ちません。

基本的に静かな映画なのですが、かすかに流れる暗号通信のノイズや羽音、誇張される鉛筆の音、そして最後のバッハの「無伴奏チェロ組曲第5番」に玉音放送をかぶせたり等、音も面白かったです。

映画『太陽』オフィシャルブックを思わず買ってしまいました。

ローレンス・ハルプリンとJ.ジェイコブズ

notosで新プロジェクトの打合せ。アニキ廣澤さんを中心に軽くスパーリング。ローレンス・ハルプリンというランドスケープ・アーキテクトのことを初めて知りました。ローレンス・ハルプリンはまちづくりや環境デザインのプロセスにワーク・ショップを採用し多様な市民の意見・考えについて合意形成しながら進めましょうーというようなことを提唱したそうです。でも、そのようにプログラムできるような単純な問題ではないと思いますが。特に都市においては意見・考えを示せない、もしくは持つこともできない市民もいます。今まで掬えなかったものをより大きくより広い容器で掬いましょうーという発想には危険なところがあります。どんなに容器を大きく広くしても掬えないものが必ずあるということが隠蔽されやすいから。見えない、見えにくい部分にこそ重要なことが隠されています。(もちろんローレンス・ハルプリンについてはもっと学習します)

というわけでやはり都市の考察としてはJ.ジェイコブズ(今年4月に逝去)のアメリカ大都市の死と生。早く山形浩生氏によって全訳されることを希望します。

最近読んだ本 読書memo 002

ヴァーチャルとは何か?―デジタル時代におけるリアリティ(ピエール・レヴィ/昭和堂)
「ヴァーチャルなものは決して決してリアルなものと対立するものではない」ということは僕自身も共有している前提です。著者はリアル/可能/アクチュアル/ヴァーチャルを異なった四つの存在様態として捉えることでヴァーチャルについての概念を掘り起こしています。実践の中での言語化はまた別のタスクとしてやり続けなければなりません。それは決して従来のVRシステムの開発等ではありません。

徹底討論 私たちが住みたい都市 身体・プライバシー・住宅・国家 工学院大学連続シンポジウム全記録(山本理顕 編/平凡社)
都市についてのこれからを建築家が提示できなくなっているということ、そしてその状況に対して建築家たちが自覚さえできていないことを表しているーという意味でとても面白かった。(特に『国家』磯崎新×宮台真司)このようなシンポジウムを企画した山本理顕氏は自覚的なのかもしれません。ただ、建築家に対する討論相手がもっと多様であればより面白かったと思います。

インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門(白田秀彰/ソフトバンク新書)
HotWired Japanでの連載中から時々読んでいたので楽しみにしていました。「インターネットの」ということよりも法思想の流れや個人と権利=法についてのイェーリングからの引用等が興味深かったです。特に個人と権利=法については実際に考える場面が連続しているので。

著作権とは何か―文化と創造のゆくえ(福井健策/集英社新書)
上記の流れで、こちらも。こちらは著作権に絞られた分かりやすい入門書。

バイオポリティクス―人体を管理するとはどういうことか(米本昌平/中公新書)
この本に限らず状況は理解できます。ただ、やはり科学・技術と政治・経済が繋がる上での重要なインターフェイスを僕たちは未だ持ち得ていません。

ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか(入不二基義/NHK出版)
「....「私」の強度を上げることが、同時に「私」を消去することへの接近である。」に至る過程はちょっとわくわくしました。しばらく前から課題図書になっている鬼界彰夫のウィトゲンシュタイン本も読まなければ。それからこのシリーズは小著ながら本当に秀逸な作品が多いですよ。(全て読んだわけではありませんが)

啄木・ローマ字日記(石川啄木/岩波文庫)
なぜか久しぶりに石川啄木。といってもこのローマ字日記は読んだことがありませんでした。ストイックさもスッパさもユルさも全てが激烈過ぎます。書棚から新編 啄木歌集を引っぱり出して読んでしまいました。

深紅の?

notosの梅沢さやかさんとsign外苑前で打ち合せ。彼女たちが起ち上げるプロジェクトにアドバイザリーという形で関わることになりそうです。さやかさんと一緒に取り組んでいた某プロジェクトが残念な形で中断してしまったので今回のプロジェクトはしっかり続けていきましょ。しっかりサポートさせていただきます!

中目黒ブックセンターに立ち寄りユリイカ 古川日出男特集を購入。古川日出男は好きですー彼の作品にはSF魂を感じる!初めて読んだのはアラビアの夜の種族でしたが、なんと文庫化していました(三分冊ですが)。古川日出男絶好調って感じですね。

販促会議

sign外苑前でトランジットのPR担当松波さんとともに販促会議という雑誌の取材。
「空間探訪/新しくできたショップやカフェ、レストランなどの空間のデザインやコンセプトについてご紹介するページです。」

デザインのプロセスについての話を中心に尋ねられました。「signはスーパーPOPへのチャレンジです」などと宣う。取材後松波さんと少し話す。オープンしてまだ一週間足らずですが大変好調のようで、特にランチタイムはスタッフがてんてこまいになるほどーとのこと。少しほっとしました。

帰りに渋谷でブックファーストに立ち寄り水声通信〈no.1(2005年11月号)〉特集 荒川修作の“死に抗う建築”SF魂等。渋谷には今はもうブックファーストくらいしかないから利用しますが、ジュンク堂が新宿じゃなくて渋谷に出展すればよかったのにーとつくづく思います。『品揃えだけがとりえの愚直な本屋です』ってかっこいいじゃないですか。もちろん小さくて編集能力が高く機動性にも富む書店も魅力的ですが、渋谷にはそんな書店も見つかりません。

夕方緊急の打ち合せあり。新たに重要なプロジェクトが動き出しそうです。

イーガン

夕方、中学以来の友人余村くんと同僚の片桐さん、そして片桐さんの友人小阪さんの3人がmattに来訪。片桐さんと小阪さんは初対面でしたが、話しはじめると共通の知人が多くてびっくり。さらに小阪さんはディアスポラ祈りの海のカバーイラスト&デザインをやっているということを聞いてさらにびっくり!そんなこんなでイーガンからSFやゲーム、果てはyou tubeネタまで、途中蕎麦屋に場所を移して異常に盛り上がりました。
イーガンといえば今日も話したのですが祈りの海所収の『放浪者の軌道』の世界を空間で表現したい。アートでも映画でも舞台でもない表現で。


小阪淳さんは建築からイラストやwebデザイン等幅広く活動されていて、最近作の国立天文台4D2Uプロジェクトはこちら

東京国際ブックフェア2006

ビッグサイトで開催されていた東京国際ブックフェア2006に行って来ました。


(空飛ぶ学研。さすが!)

数年前から毎年恒例で行っています。なんと出展している出版社の書籍が20%オフで買えるのです。僕にとっては年に一回の本の大バーゲンです。そして今年もちょい大人買い。今年の購入リストは

続きを読む "東京国際ブックフェア2006" »

最近読んだ本 読書memo 001

心は実験できるか―20世紀心理学実験物語(ローレン・スレイター/紀伊國屋書店)
特に「ミルグラムの電気ショック実験」と「ロフタスの偽記憶実験」が興味深かった。心というものの脆弱さとそれ故の支配力の強さを感じます。この本が出版されてロフタスから「私はそんなことを言っていない」という抗議が届いたらしい。おもしろいですねー。

証言の心理学―記憶を信じる、記憶を疑う(高木光太郎/中公新書)
上記の流れでこれも。具体的な証言のいくつかを紹介しているのですがこれがとてもおもしろい。現れる真/偽よりも現れない真/偽を考えることは本当に難しい。

4次元以上の空間が見える(小笠英志/ベレ出版)
まだ見えません。子供の頃からのSFイメージが大きすぎることと数学のお勉強が足りないことが原因です....。もっとお勉強しまっす!

NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2006年 05月号 [雑誌](日経BP出版センター)
歴史を舞台にしたミステリー『ユダの福音書』の特集。裏切り者ユダのイメージがくつがえされるのか?とは簡単にはいかないでしょうが。いずれにしても考古学的発見から想像をめぐらすことは楽しいです。出版社の販促戦略が見えすぎる部分が気になり単行本までは手がのびず。

オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える(木村元彦/集英社インターナショナル)
川淵失言以降ベストセラーでどこも品切れでしたが出雲の今井書店で一冊だけ残っていて購入。サッカー+ユーゴ+木村元彦ときたら読まずにはいられません。1990W杯は「マラドーナを追いつめたユーゴ代表&ストイコビッチ」という意識しかありませんでした。オシムのジェフの試合を見に行かなかったことを後悔。オシムの日本代表の前にぜひ見ておきたかったです。

ALL YOU NEED IS KILL(桜坂洋/集英社スーパーダッシュ文庫)
ループ地獄は日常にも顕在しています。果たしてループは無限なのでしょうか?

バイオメガ 1 (1)(弐瓶勉/ヤングマガジンコミックス)
ABARA (弐瓶勉/ヤングジャンプコミックス)
久々の弐瓶勉。BLAMEに比べると少し言葉は多めだけれど、決して語り過ぎるものではなく効果的。この人の描く都市や生命体(らしきもの)には無限を感じる。未来と歴史がリニアではなく繋がっていく感じ。続きがよみたいっす。

Newton (ニュートン) 2006年 07月号 [雑誌](ニュートンプレス)

Inter Communication (インターコミュニケーション) 2006年 07月号 [雑誌](NTT出版)

八雲立つ...

私用で実家のある出雲へ。15年ぶりくらいに近くの出雲大社に行ってきました。たまたま神社の系譜 なぜそこにあるのかを読んだりしていたので。自然暦という視点で神社の系譜をたどった本。本当は出雲大社と自然暦で結ばれた日御碕神社とかにも行ってみたかったのですが、時間がなくてかなわず。

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西麻布〜六本木

西麻布某所で打合せ。初対面でしたが、気持ちのいい打合せでした。新しいチャレンジかつ未来志向の共同創作に繋がればいいのですが。

その後久しぶりに青山ブックセンター六本木店へ。改装してからは初めて。基本的な三層構成は変わっていなかったのであまり印象は変わらず。洋書ペーパーバックコーナーが増床していました。小さいお店なので元々多くはなかったのですが、「科学」の棚は何と1棚のみ。となりの「生命・システム・脳」の1棚と合わせても2棚。そんなものですか....。
リニューアル記念に何か1冊でもと思い探したのですがなかなか見つからず。結局READINGS〈2〉ランドスケープ批評宣言を購入。

それにしても、今朝のポルトガル×オランダは凄まじいゲームでした。W杯のせいで睡眠時間と読書時間が不足気味です。

郡司さんの採点は10対10のイーブンです

キターーーー!郡司ペギオー幸夫生きていることの科学。ダッシュで中目黒ブックセンターに行って購入しました。郡司さんの著作が新書で読めるとはおどろき&嬉しい。
それにしてもあいかわらず異常な創刊ラッシュですね、新書は。メガベストセラーの多くも新書ですし。でも僕のまわりに『国品』読んでいる人一人もいないんだけどなー。あれがあんなに売れているのはやはり気持ち悪い。話が跳ぶようですが、同様にサッカーW杯の日本代表を「サムライブルー、サムライニッポン」とか言っているのも気持ち悪いですね。

最近読んだ本 読書memo 000

ゲーデルの哲学―不完全性定理と神の存在論(高橋昌一郎/講談社現代新書)
不完全性定理については数学的証明ではなくイメージに留まっていますが、信頼できる文献から丁寧に追っているゲーデルの生涯や神の存在論がとても興味深い。ドウソンの『Logical Dilemmas』が早く読みたいですね。それにしても不完全性定理は本を読めば読むほどに分からなくなっていきます。数理論理学はもちろん集合論もー少しは勉強しなきゃ。マイ・クローンが欲しいです。

感染爆発―鳥インフルエンザの脅威(マイク・デイヴィス/紀伊國屋書店)
近いうちに迫りくるであろうパンデミックへの警鐘。かといってパニックを煽るのではなく、少しの自然科学と多くの社会科学の知見によって分析されながら現状を簡潔に伝えています。相当なスピードで執筆され相当なスピードで翻訳されたと思われるのですが、これは今読まれなければならない本です。

X-Knowledge HOME特別編集 No.6 平野啓一郎責任編集 PUBLIC・SPACE
(平野啓一郎責任編集/エクスナレッジ)
平野啓一郎の小説は読んだことありませんが、これは面白かったです。執筆陣に建築家や都市研究者が少なかったのがよかった。

日本仏教史―思想史としてのアプローチ(末木文美士/新潮文庫)
空海の思想について(梅原猛/講談社学術文庫)
なんとなく空海が気になったので。空海の思想とゲーデルの思想は通じていると思います。

神聖喜劇 (第1巻)(大西巨人・のぞえのぶひさ・岩田和博/幻冬舎)
これを読み始めてついに原作を読むことを決心しました。

ミッションスクール(田中哲弥/ハヤカワ文庫JA)
爆笑時間SFの傑作やみなべの陰謀と同様抜群のテンポで激笑でしたが後半は少しダレたように感じました。でもこの人の新作がまた読めるのは嬉しい。

ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所解散

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060609AT1D0905O09062006.html

ちょっと驚きました。設立して2年で解散とは...。ここ数年、商品としてのソニーブランドには特に魅力を感じることはありませんでしたが厳しい状況下でもCSL(ソニーコンピュータサイエンス研究所)を続けていたりソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所を起ち上げたりするソニーを応援していたのですが。残念ですね。

ちなみにインテリジェンス・ダイナミクスの成果として脳・身体性・ロボット(シュプリンガーフェアラーク東京)という本が出ています。この中の谷淳氏のアプローチはとても興味深いです。続刊が予告されていたのですがどうなるのでしょう。

以下は今年の4月7日に開催された「インテリジェンス・ダイナミクス2006」の後に書いたメモです。

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